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江戸川乱歩  「魔術師」 (講談社文庫)

江戸川乱歩  「魔術師」 (講談社文庫)
作品は昭和5年の作。エログロナンセンス、猟奇が大流行の時代。その時代背景が存分に発揮されている。
 この作品の最大のトリックは、時間の長さを使っていること。宝石商の玉村家に両親を含め親族を殺された奥村源蔵。玉村家のすべての家族を殺すため、綿密な計画をする。その最大の仕掛けが、玉村家に生まれた赤子と奥村家に生まれた赤子(これが同日に生まれるなんてことはありえないという野暮は言わない)を看護婦を買収して、交換する。
 この赤子を20年かけ育てあげたところで、いよいよ奥村の玉村家に対する復讐の火ぶたが切られる。これだけの長さをもってのトリックはそう簡単には考えつかない。
 そのほか、いくつかの密室殺人が起こるが、これも名探偵明智小五郎により解明される。
でも、やっぱし圧巻は犯人だとしてきた、魔術師奥村が自害しても、更にいくつかの事件が起きて、奥村は実際は死ななかったのではと思わせて、最後の最大の見せ場を作る。
 乱歩の面目躍如である。

| 古本読書日記 | 05:32 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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