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伊藤整  「女性に関する十二章」 (角川文庫)

伊藤整  「女性に関する十二章」 (角川文庫)
これは凄い。今、こんなことを書いたら、社会から総すかんを食らう。しかし、総すかんを食らうことが本質をついていることは多い。変な平等主義や、実は誰も理解できていない 愛とか自由という言葉で言いくるめそれ以上の考察や議論を拒否する。愛、平和、自由、子供たちの未来を守れなんて言葉を吐く言論人やマスコミはあやしいぞ。
 この作品は1953年当時を背景に書かれている。男女同権、平等、自由と叫んではみたものの、女性には辛い時代であった。戦争で男の多数が死に、圧倒的に女性の数が男性の数を上回る。その名残がまだあった時代である。だからちまたには結婚できない未婚の女性が
多くいた。そこで、未婚女性が「全国未婚者婦人同盟」という組合を結成する。家庭を持っている人から結婚税を取ることを政府に要求するのである。もし、その家庭が税金を払わねば、その家庭の夫と組合人は自由に誘い合い恋愛ができるという趣旨の要求を掲げた組合である。いやはや、素晴らしい時代である。
 男というものは本質的に外にでて、多数の女性たちと性交渉をもちたがるようにできている。もちろん、女性にもそういう欲求はあるが、男のようにあまたの女性たちだれでも
というような欲求はなく、人数的にもごく限られている。
 この男の本質により、多くの子孫ができ、人間社会は発展してきている。それを浮気など
と、男の本質を侮蔑し、愛などない冷えた関係なのに、粛々と夫婦を続けることは、人間の本来のありかたに反していることである。
 これすべて伊藤整が語っている。こんな本が出版できる時代はやってこないだろう。

| 古本読書日記 | 06:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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