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石原慎太郎  「オンリー・イエスタディ」(幻冬舎文庫)

石原慎太郎  「オンリー・イエスタディ」(幻冬舎文庫)
石原の回想交友録。
石原自身が自らを傑出して偉大な人間であると信じ込んでいる。だから、紹介する人間だって、真に友人かどうかわからないが、トップたりうる人間でなければならない。経済界、政界、音楽界どの分野であっても、しかも有名人でなければいけない。
 その中にあって、それほど有名でもなく、トップを極めていない、石原にしては、奇異な人をこの作品で紹介している。名前は高橋宏。一橋大学時代、寮で知り合い、青春を共に駆け抜けた人物。
 高橋は一橋を卒業後、日本郵船にはいる。当時から才能がぬきんでた人物で、主要海外支店の支店長を歴任、順調に出世し、日本郵船の社長になること間違いなしといわれていた。
 しかし、当時の社長が経団連の会長を引き受け、自分の大学の後輩を社長にすえてしまい、高橋は社長になれなかった。この後輩が社長就任直後、病死して、高橋を社長にと前社長にいわれたが、敢然と拒否して子会社の郵船航空にしりぞく。そんなトップになれなかった男をあの尊大な石原がとりあげているのだから、石原にとっては無二の親友であろう。
 高橋さんは仕事のつきあいで、私もぞんじている。私が高橋さんを訪問したとき、机上の電話がなり、受話器をとる。
 「またうるさい石原から」と小声でウィンクしたことを思い出した。

| 古本読書日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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