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池澤夏樹  「夏の朝の成層圏」(中公文庫)

池澤夏樹  「夏の朝の成層圏」(中公文庫)
池澤の処女作。この物語は、池澤が今後作品を創る際、どこに基盤、視点を置くかを示している。鼻息が荒い決意表明にも思える。
 タイトルにある成層圏とは、作品の中では、漂流して着いた孤島。実際には、文明進化に取り残された地方の山里のような場所。孤島といっても、島ができて以来の無人島ではない。
 かっては村人がいて、生活をしていた。しかし、文明があり、まばゆい活気ある都市が一方にあり、その暮らしやすさ、楽しさに吸引され、今は捨てられ廃屋ばかりになった山里である。池澤は、文明に取り残された山里に自らをおき、そこでの生活から文明の進化をみようとすることを決意、その場所での文筆活動を宣言する。
 しかし、この成層圏は、常に文明の誘惑との戦いが控えていて、よほど精神を確固としないと、貫徹させることは難しい。そんなこともこの作品ではつぶやいている。

| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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