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楡周平  「介護退職」(祥伝社文庫)

楡周平  「介護退職」(祥伝社文庫)
この作品が失敗し、つまらなくなった瞬間がある。花形エリートの主人公唐木が、母の介護をしている妻が倒れ、にっちもさっちもいかなくなる。時々、会社の席をはずし、病院や我が家をかけずりまわる。見かねた上司で取締役である桑田との話合で、最後は花形部門の部長をはずされ、閑職である文書管理室付部長待遇に追いやられる。しかし、これで、介護を含め家の対応への時間は大幅にできる。
 しかし、花形部長と文書管理室では給与はともかく、やりがいや体面では天と地の差がある。それでも、普通の人はそれでも思い会社に踏みとどまると思う。その物語を書いてほしい。ところが唐木は、介護により妻が大変とその前まで苦悩をいっぱいして、だから家庭、妻思い母思いと評価していたのに、結局自分の体面プライドを優先して会社を退職する。この瞬間、介護問題の重さが吹っ飛び実につまらない作品となる。最後の終わり方も最悪である。

| 古本読書日記 | 06:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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