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吉行淳之介  「娼婦の部屋 不意の出来事」(新潮文庫)

吉行淳之介  「娼婦の部屋 不意の出来事」(新潮文庫)
場末のバーで知り合った雪子と主人公は関係を結んでいる。この雪子には独特な何ともいえない匂いがある。どうも、隣家の学生たちが何かビーカーで実験しているときにでる香りが雪子の家や雪子に沁みついているようだ。ここが最後の物語のオチにつながる。
 雪子には増田というヤクザのヒモがいる。暴力を振るわれるのか雪子の体には傷の後がたえない。その増田に主人公と雪子の関係がばれた。増田は主人公を強請りに、主人公の勤める出版社に来る。どんな恐ろしいやくざが来ると思ったら、体も小さくおどおどしている弱そうな男。増田も主人公の貧相な出版社の社屋をみて、とても主人公を強請れないと思い、強請をやめると言う。ここからがおかしいのだが、主人公が「なぜ強請をやめる。強請るべきだ。俺に金のあてがある。」と逆に増田に詰め寄る。今の金で4-500万円は一週間もすれば用意できると主人公が言う。
 主人公は以前インタビューをしたことがあり、スキャンダルを知っている女優を強請ることにする。女優の指示で、帝国ホテルのロビーで会う。
 強請る場所帝国ホテルは貧乏人には縁がないところであり、女優も売れっ子で一流俳優。強請るとは言ってはみたもののだんだん主人公は怖じ気つく。それを払しょくするため、大盛りネギをトッピングしたラーメンを食べた後、ホテルにゆき強請にはいる。
 「スキャンダルをばらす」と言った時、女優が鼻から眉にむけ少し顔をしかめる。でも、それは強請の効力ではなく、ネギの匂いが顔をゆがめたことを主人公は知る。
 女優が言う。「いくらで、かたをつけてくれるの。」主人公が思わず言う。「2万円だ」と。
いいなあこの「不意の出来事」という物語。

| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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