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吉行淳之介  「湿った空乾いた空」(新潮文庫)

吉行淳之介  「湿った空乾いた空」(新潮文庫)
 海外に行こうなんて思ったことが無かったが、同居している女優にそそのかされて重い腰をあげ、アメリカ、ヨーロッパへと長い旅に主人公はでかけた。海外どころか近所にでるのも億劫なぐうたら人生をおくっていたことも要因であるが、何よりも常に病身の身であったことが最大の要因であった。
 面白いのは、アメリカ ラスベガスに到着した途端、しつこくこびりついていた皮膚炎が嘘のように消失するのである。
 しかし、女優との旅行は、ほとんどが喧嘩に終始する。それは、旅にでる前の日常の繰り返しでもある。女優が妻と別れて籍をいれろと責める、主人公は、それはできないと繰り返す。飛行機のなかでも、ホテルでも、観光地でも。
 主人公の姿、言動からはとても女優を愛しているようには思えない。どうして、こんな口うるさい女性と8年間も暮らしているのだろうとの思いが読んでいて頭から離れない。
 そして最後の訪問地パリで女優は一足先に日本に帰る。残り一週間晴れて主人公はしつこい女優から解放されパリを満喫しようとする。印象派美術館にいそいそでかける。
 そこで、どうして? 海外ではでないはずであった発作に襲われ前のめりに倒れる。

| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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