FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

アンソロジー  「夜」(百年文庫)

アンソロジー  「夜」(百年文庫)
カポーティ、吉村淳之介、アンダスンの短編を収録。どの作品も一級品。
カポーティ「夜の樹」。
子供のころ、夜、悪霊にとりつかれた木の枝がいつも覆いかぶさっていた。お化け、死霊、死、悪霊が逃げることもできないくらいたくさん覆いかぶさっていた。若い娘になったケイが汽車旅をしている。目の前に座っているのが、荒んだ気配の男女2人連れ。男は眼も見えず耳も聞こえない。すさまじい身の上話を連れの女がする。女が席をはずすと、男がやにわに手を肩にふれながら覆いかぶさってくる。
 逃げたい。でも逃げ場が無い。子供のころの死霊と同じ。いつまでたってもケイに逃げ場がない。
 吉行の作品も戦争時に密通した女、気が狂った女に引っ張られ結婚。そして逃げ場を失った男。
 アンダスン。故郷を捨てたウィル。小さな町の工場の工員となり働く。毎日、同じ作業を繰り返し。昼も夜も工員とともに飯を食べ、たまに街にはでるが同じ日々のくりかえし。
 今日が行列になって毎日繰り返すだけ。全く明日が来ない、明日にとぶことができない日々の繰り返しが絶望につながっている。
 

| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT