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吉村昭  「陸奥撃沈」 (新潮文庫)

吉村昭  「陸奥撃沈」 (新潮文庫)
さすがに飽きた。吉村はなぜこれほどに、戦争ものを書いたのだろう。反戦を意図しているわけではない。ひたすら、証言者をさがし、その証言を客観的に積み上げ、できるだけ個人の想い感情を排除し、史実のみを積み上げる。しかし、個々の史実は戦争全体を語るのではなく、ある部分だけを取り上げるだけになり、その歴史的価値評価はまったくわからない。
 戦艦陸奥の沈没の原因は定かではない。吉村は乗組員爆破説をとる。その原因は、士官は
若く少尉で軍人生をはじめ、その給料はいろいろ手当をいれ100円にもなる。一方、赤紙一枚で戦争に駆り出された人たちは二等兵からスタート。殴られ虫けらのように扱われ、戦場では真っ先に前線に送り出されるのに、給料は7円。その不満が、乗組員爆破説の論拠となっている。
 うがった知識人は、吉村は軍における構造は現代社会構造そのものであり、吉村は現代の矛盾を提示しているのだと言う。
 本当にそうかなあ。単に「戦艦武蔵」が好評だったので、その流れで書いた作品のように私は思う。

by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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