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吉村昭  「幕府軍艦回天始末」(文春文庫)

吉村昭  「幕府軍艦回天始末」(文春文庫)
吉村が旅ではなく、東京以外で住居を持った村が東北の三陸海岸にある。田野畑村である。
ここでの集団自殺を扱った物語「星への旅」で太宰賞をとり、作家としての地位を確保した。
 三陸は吉村にとって殊更、執筆に大切な地となり、思い入れも強い。
この作品は、旧幕府軍の戦艦「回天」の箱館五稜郭戦争で、政府軍に火をつけられ沈没する物語を描いている。しかし、吉村がそれ以上に描かねばならなかったのは、三陸沖の複雑きわまる海岸線と常に波浪がたけくるっている、その場所で戦わずして、座礁してしまった
旧幕府軍の旗艦「開陽」及び沈没した「高雄」。この悲劇により榎本率いる旧幕府軍が政府軍に負けてしまったことを集中して物語を創ればよかった。
 タイトルに引かれて「回天」を大きく扱ったため、三陸海岸での悲劇に対する印象が薄くなってしまっている。


by はなゆめ爺や

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