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村上龍  「55歳からのハローライフ」 (幻冬舎文庫)

村上龍  「55歳からのハローライフ」 (幻冬舎文庫)
俺は超一流の営業マン。「信頼」と「コミュニケーション力」をベースに「徹底して食い下がれ」をモットーに大きな実績をものにし会社に貢献してきた。
 リーマンショック以来、不況で会社の業績が低迷、会社からの要請もあったし、退職加算金も魅力があり、思い切って定年退職前に会社を去った。青春のころ見たアメリカ映画のように、キャンピングカーを買い込んで、妻と二人できままにあちこち旅行しようと考えていた。ところが妻が当然喜ぶと思っていたのだが、この提案にいい顔をしない。会社が大事と家でふんぞりかえっている間に、肝心な家庭が見えなくなっていた。妻はその間にパートや趣味を通じて仲間と過ごす空間を持ちそれを膨らましていた。その空間、時間を夫に邪魔
されたくなかった。
 将来への貯えに対する不安もあった。だから、俺は妻には内緒で再就職活動を始めた。
最初はやはり営業でつながりがあり、ゴルフも宴会も山ほどやったお客のところにお願いに行った。言葉は慇懃無礼、で、やんわりと再就職を断られる。雲行きが怪しい。それではと人材派遣会社にゆく。
 「ブラインドタッチはできますか。」「何?ブラインドタッチって」パソコンをキーをみることなく打つことなんだって。どぎまぎしていると、「外国語は何ができますか。」「海外駐在はしましたか」速射砲のごとく、宙をさまようような質問がとんでくる。そして最後に、「自分を理解するために、自分史を書いてもってきてください。」と言われる。
 テレビドラマ化もされベストセラーになった村上龍の原作。よく書けている。

by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 06:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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