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川上弘美  「天頂より少し下って」(小学館文庫)

川上弘美  「天頂より少し下って」(小学館文庫)
主人公の私は45歳。翻訳の仕事をしている。で、私は今恋をしているはずである。恋をしているに違いない。相手の名前は涼。
 私は酒が好きなはずである。いや好きに違いない。それで、涼は全くの下戸。だから、飲むのはいつも私。なんとなく会話が弾まない。でも、恋をしていることには間違いない。
 私は飲んで、飲んで、飲みまくる。そして、自分を忘れようとする。忘れたつもりで、涼にラブホテルで抱かれる。いや、ひょっとすると私が涼を抱いているのかもしれない。
 だから、私は今恋をしているに違いない。恋をしているのだ。
前の旦那を含めて、それなりに今まで恋愛をしてきた。そのときの恋人とどれだけ愛し合ったかが浮かんでくる前に、「あいつは性器がでかかった。」ということが思い浮かんでしまう45歳。いつからか恋人が単なる物体に変わってしまった。
 私は恋をしている。名前は涼。単なる物体にしてはならない。

by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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