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三木卓  「ほろびた国の旅」(角川文庫

三木卓  「ほろびた国の旅」(角川文庫)
後味の悪い小説だ。
図書館の中国専門書コーナーに主人公攻められ押しつけられた瞬間、本棚が反転、そのまま昭和18年の満州国の世界にタイムスリップ。
 昭和18年当時、日本人が他国を侵略、大人から子供までいかに中国や蒙古、朝鮮のひとたちに対し傲慢で、彼らを差別、蔑んでいたのかを徹底的に描き出す作品。そしてそれがどれほど、蔑んだ人々に苦痛を与えていたのかを三木は多分自らの経験から語っている。
 どうしても三木に問い返したくなる。実際、昭和18年満州にいた時の三木自身の他国に対する態度はどうだったの。その時、三木は傲慢になったりしなかったの。他国の人たちをいじめることに心に痛みを感じていたの。時代が大きく変化した後で、突然、傲慢やいじめはよくないことなどと物語にしてみても胡散臭さがぷんぷん。
 もし、今でも、満州国が健在で、そこに住んでいる多くが日本人であっても、三木はこの物語を書けるような問題意識が持てたのか問いたい。

by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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