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松本清張 「隠花の飾り」

あとがきの阿刀田高さんは、「11作中○は5作で△が3作」とか、「ネタ切れじゃないの?」「短編の題材にするほどのものじゃないでしょ」「疲れてきたんじゃない?」とか。
確かに、もうひとひねり欲しかったと思う短編がいくつかありました。

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では、各話の感想を。
足袋>
和服で足ぴったりの足袋を履いて逢引って、ことが終わった後に着るのが面倒くさそうですね。
最後の一文が、著者らしいです。
愛犬>
我が家も、食べ物によく犬猫の毛が混入します。着眼点は面白いけれど、強引な気がしないでもない。
占いは詳しくないんですが、「暗剣殺」ってすごい単語ですね。
北の火箭>
ルポらしい描写の分量が多く、あまり人物が浮かび上がってきません。
視点である第三者が、勝手に二人の仲を想像しているだけということもありうる。
見送って>
披露宴に出る機会はあまりないのですが、こんなに花嫁の母親についてスピーチで言及されるものですかね。
話を盛り上げるためとはいえ、わざとらしいかも。
誤訳>
「うちの旦那は外面がよく、気前よくお金を貸したりおごったりするので家計が苦しいです」という悩みはありがちです。
つまりはそんなオチですが、設定はおもしろいです。
百円硬貨>
「一万円札しかないので、ちょっとそこでくずしてきます」と、荷物を置いたままバスを降りて走る人を見たことがあります。
小銭がなくて困ることはありますね。
お手玉>
2つの事件が描かれています。1つ目もそれなりの分量で、それだけで話が終わるのかと思ったら、2つ目に入る。
「こういう意味で対になっているのか」と、最後に納得できます。

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小休止

記念に>
「眼の前の、三十半ばに近い女は頬がたるみ、眼のふちには小じわが出来ていた。顔色も濁っていた。弾力のあった腿も軟らかくなった。
二十三歳の見合い相手と比べ、肉の衰えた彼女は何の魅力も感じさせなかった」
と評価した男が、捨てた女に殺されるという展開は、ベタといえばベタです。
でも、「結婚しないことを前提に、ずるずると付き合ってきた。身の引き方もあっさりしていた」と考える男の視点で語られていくので、「まさか殺すほどに想っていたとは!」と意外な気分になれます。
箱根初詣で>
現在と過去の対比というかつながりというか、なんだかしっくりこない。話の順序が違えば、分量の比を変えれば、もっと違うのかもしれない。三人の奥さんのキャラクターはいいと思うのだけど。
再春>
月のものが再び始まったと喜ぶ中年女性。しかし、それは癌による不正出血だった。
どこかで見たような気がする話で、どこだったのか思い出せずにいました。たぶんこのトーマス・マンの短編を引き合いに出している小説がほかにもあったのでしょう。
遺墨>
なかなかぽっくりとは逝けないものです。こういう皮肉な終わり方は、やっぱり松本清張の得意技だと思います。

私と同じ年頃の独身女性もちょこちょこ出てきますが、不倫したり年下男に貢いだり(・ω・;)

by はなゆめねえや

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