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高樹のぶ子 「飛水」

この人の本は久しぶりに読みました。

140723_2213~01

おもしろい構成だと思います。主人公が亡くなる前に、思い出の地を訪ねる夢を見ていたということで、たぶんいいはず。
夢らしい場面もありますが、臭いも温度も細かく描写され、たぶん建物や風景も現実のものと同じ。
どこまでが夢で、どの部分が主人公の身にかつて実際に起こったことなのか、判別しにくい書き方になっています。

タイトルは、地名です。実際に起こったバス転落事故を作品に取り入れていて、当時の新聞記事も使っているそうな。
記憶に新しい出来事を題材にすれば、読者の中には不謹慎だとか軽々しく取り入れないで欲しいとか、不快に感じる人もいるかと思います。
この事故は、百人以上が死んでいるとはいえ、半世紀くらい前のことですからね。私もこの本を読むまで、聞いたことすらなかった。
これだけ時間が経っていると、「そんなこともあったんだな。痛ましい事故だな」と思うだけで、もやもやはしません。

夢と現を行き来する主人公に取り残されてしまった一人息子は、なかなか複雑な気分でしょう。
たぶん、母親のことは最後まで理解できなかったのではないかと。

作者の年齢を考えると、ずいぶん若くて軽い語り口です。もちろん硬い言葉も出てきますが。


by はなゆめねえや

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