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吉村昭  「炎のなかの休暇」 (新潮文庫)

吉村昭  「炎のなかの休暇」 (新潮文庫)
終戦直前の戦争中の暮らしと戦争直後の暮らしを描いた短編集。
強烈だったのは「虹」。ロシア革命で祖国を追われ日本に亡命してきたロドルフ一家が主人公の家の近くに住んでいた。戦争が始まる。ロシア人は敵国人として扱われる。懸命に日本人と融和しようとロドルフ一家はつとめる。しかし、学校で、息子アレクサンドルは石をぶつけられたり、強烈な排撃、いじめにあう。
 だんだん戦局が厳しくなると、スパイの嫌疑がかけられ、刑事や警察の監視下におかれる。
でも、彼らは祖国を追われているので、もはや行くべき先がない。
 アレクサンドルが学校の担任にみんなの前で、「お前はロシア人だ。」と言われた時、
 「いえ 私は日本人です。」と強く答えた姿が痛々しい。
この作品のほかには「白い米」が素晴らしい。戦争直後の素朴な人々の生活、心情がよく書かれているし、当時18歳だった吉村のありのままの青春が素直に描かれ佳品である。


by はなゆめ爺や

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