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井上靖   「花壇」 (角川書店)

井上靖   「花壇」 (角川書店)
  曼珠沙華 行く雲遠く 人遠く
、この作品にはさまれている、井上靖が詠んだこの俳句はずしんときた。40年近く、会社人生、それもひとつの会社で歩んできた。苦楽を共にしてきた仲間、先輩、後輩がたくさんいる。
 あれだけ熱く燃えた仲間が、退職を期に、交流が薄くなり、櫛の歯が落ちるように一人、二人と没交渉になってゆく。全くこの俳句そのもの。
 会社を退職したら会社仲間とはできるだけ縁を切り、第2の新しい人生を創るのだと張り切っている人も、現在を見直してみると、変わらず会社仲間やOBと飲んだり、交流を続けている。結局会社中心で人生を回っていることに気付く。
 会社での人間関係が切れると、よみがえってくるのが学生仲間との交流。この作品は40年を経て再会した主人公や、学友たちの未交流だった40年の歩みの間に、変わり果てた姿を描きながら、更に新しい人生をしっかりと歩んでいってほしいという井上が、心の込めた詩や俳句を贈り、そもことにより彼らが新人生のチャレンジに立ち向かう再生の物語である。


by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 09:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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