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井上靖  「傾ける海」 (角川文庫)

井上靖  「傾ける海」 (角川文庫)
妄念に固まっている人たちがいざなわれて志摩のホテルに宿泊する。
ふられた彼女をとりもどすために今の金なら100万円以上する真珠を手に入れ彼女にあげようと会社に休暇をとって志摩にきている主人公の小玉。
真珠を買占め売りさばくブローカー。
生きる意味を見失い死に場所を求めてやってきた老人。
経営している洋装店が倒産しそうで体を売ってまで金をつくろうとしている婦人。
その体を買おうとしている関西の商人。
 泊まっているホテルに過去最高強い台風が襲う。
 ホテルは、窓は壊れ、別館の屋根瓦はすべて飛ばされる。東京や名古屋、大阪など住んでいる場所に帰ろうとするが線路、道路は寸断され帰ることができない。
 桑名、四日市あたりまでやっとのことで着く。そこは陸が海かと思うほど、すべての家屋は流され、見渡す限り洪水がたけり狂っている。流れるおびただしい死体の中を逃げ惑う人々の群れ。
 ホテル滞在していた人たち、わけもわからないまま、逃げ惑う人を避難所に案内したりするなど世話をせざるを得なくなる。その多忙、疲れのなかで妄念は全くどこかに去ってしまう。 本来の人間の持っている良さがだんだんにじみでてくる。


by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 11:27 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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