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三浦綾子  「泥流地帯」 (新潮文庫)

三浦綾子  「泥流地帯」 (新潮文庫)
これでは物語にならない。
十勝岳のふもと上富良野の貧しい開拓地。小作人の貧しい家の生まれの耕作。同じ貧しい家で生まれた福子は、借金のかたに悪徳商売屋の深城の遊郭に売られてゆく。福子は耕作の兄拓一に恋心を抱いている。また深城の娘節子は耕作が好き。小学校には優しいあこがれの菊川先生。しかし菊川先生の後は益垣先生。そんな人々が重なり合ったり、支えあったり、憎しみあったりして物語が400ページまで進む。ああそうか、そりゃあおかしいとその重なりあいやいがみあいを物語に感情移入して読み進む。
 その後、大正15年5月の大噴火。その火山土が泥流となり上富良野を飲み込み完全に破壊して流れ去る。重なり合いも、いがみあいも、恋も勉強も遊びも数分ですべて破滅させてしまった。これまでの物語はいったい何だったのか。
 耕作や拓一など、極少数の人を除いてみんな死んでしまった。東北大地震を彷彿とさせる。この後、この作品の続編を読む予定。またまたいろんな人生物語を読まされた後、一瞬にして消滅させることがないことを切に望む。

by はなゆめ爺や

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