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三浦綾子  「裁きの家」(集英社文庫)

三浦綾子  「裁きの家」(集英社文庫)
タイトルにある家とは家族のことだ。
三浦は書く。
人を殺すことは簡単だ。むしろ難しいことは共に生きるということだ、と。この作品は昭和44年の作品。このころは三浦の言葉が生きていた時代である。
 家族というものは、生きていく砦であり原点である。絆、結束、信頼の基盤である。
しかし、家族というものは、三浦もこの作品でいうが、見知らぬ同士が、たまたま汽車の指定席に乗り合わせたようなもの。
 行く目的地が違っていて、それぞれがその目的地に着けば一人欠け、また一人欠けというようになる。もちろん、昔は死ぬということで欠けることが殆どだったのだろうが、今は
母でも父でも、家族以外の人と恋をして、いとも簡単に家を放り出してしまう。それで子供も引き裂かれ、また別の指定席(別の家族)に座る。子供も自由だから、父、母を見限って早く指定席から抜け出ようとする。
 家族は人間関係をつくる原点で、結びつきが最も確固としているもの。そんな時代に成立する物語が三浦には多い。しかし現代は、家族という絆はたやすく崩壊する時代に突入している気がする。三浦の作品が読み継がれてゆく時代が続いてほしい。

by はなゆめ爺や

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| 古本読書日記 | 08:28 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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