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2024年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2024年04月

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芦沢央    「僕の神さま」(角川文庫)

 4編の作品と最後にエピローグでまとめあげた連作短編集。

この作品がユニークなのは、名探偵が語る物語ではなく、名探偵水谷君を尊敬、心酔している主人公佐土原君の語りによって出来上がっているところ。しかも第4話で、トリックを解明してゆくと、そのトリックが何と主人公佐土原君が仕掛けていたという驚きの事実。

 この作品集でも、いくつも出来事が起きるが、それを鮮やかに水谷君が解き明かし、解決してゆく。その頭脳明晰で鮮やかな推理ゆえ、佐土原君は水谷君を神様と呼ぶ。そして、佐土原君は身も心も水谷君に寄りかかる。

 最後のエピローグでの水谷君の言葉がずしんと響く。
「殺したりなんかしたくないのに、命令されて仕方なく殺してしまった人は、その瞬間、後にはもう引けなくなったんだ。死んだ人は決して生き返らない。もう取返しがつかない。これで、ナチスの考えが間違いだったことになれば、自分は間違ったことをしたということになってしまう。」

「間違がったことをしていると思っていたからこそ、罪悪感に苛まれていたからこそ、それを否定してくれる理屈にしがみついたんだ。」

 そして水谷君は、読んでいて気が付かなかったのだが、たくさんの例をあげて、自分の推理が間違っていたこともしばしばあったことを説明する。

 盲目的に寄りかかると、ナチスに従って人殺しをしてしまう、取返しのつかないことうをしてしまうことになると強調する。だから、自らの足でしっかり立ち考えるようになれるように佐土原に言う。

 しかし、これは難しい。なぜなら、佐土原君が、独り立ちをするということは、完全に独りぼっちになってしまうことを意味するから。まだ、佐土原君、長い人生が始まったかりの小学5年生なのだから。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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富樫倫太郎  「SROⅧ 名前のない馬たち」(中公文庫)

 全国広域捜査を行うSROシリーズ8作目。

私は、田舎の百姓の家に生まれ育った。小さい頃、肉は高価でなかなか普通は手に入らない食料だった。ところが、そんな田舎でも、しょっちゅう食卓には肉がでた。

 当時、農家でよく働き貴重な家畜は、農耕馬、牛だった。まだ耕運機は一般的では無かった。そんな牛、馬が老齢になったり、致命的なけがをして、農耕ができなくなった場合、そんな牛馬を安価で購入して殺し解体して、肉にして、売り歩く人がいた。
 そんなわけで、牛肉、馬肉が食卓にでた。馬肉はおいしかったが、牛肉は硬く、あまりおいしくなかった。

 深沢七郎の名作「楢山節考」で、何の役にもたたなくなった、年老いた母を山に捨てにゆく。最近で、衝撃的だった事件。相模原障碍者施設での無差別殺人事件。社会的に何の生産的に役立たない人間、そんな価値のない人を税金などを使って養う必要がないと、次々、障碍者を無差別に殺戮した事件。

 動物も、犬、猫のようなペットとして飼われている動物は、飼育放棄にならず、飼い主に可愛がられている限り、天寿を全うするケースが多い。しかし、役に立たなくなった牛、馬は、飼育に膨大な費用がかかったり、ケガや病気になれば治療費も高額。最近理由はわからないが、以前流行っていた乗馬クラブも少なくなり、殺処分するしかなくなった。

 紹介した作品は、いつものシリーズ作品とは、全く色合いが異なる作品だった。
両親が営んでいた馬の牧場が火事になり、養子になっていた恭介以外、家族全員が焼死、
飼育していた馬も、7頭を残して焼死。全国各地の乗馬クラブなどの施設に引き取られた7頭が、乗馬クラブの経営が思わしくなくなり、施設は閉鎖、馬は死を待つ状態でほったらかし、そんな施設で引き取られた馬やオーナーが同じ日に死ぬというこが発生。

 もちろん、そんな偶然はありえないのではと捜査を開始するSROの物語も描かれるが、中心は、引き取られた馬を探し、その馬を安楽死させ、虐待飼育放棄した経営者殺害を描く物語。切なく、悲しい物語になっている。
 私も、老齢で、社会的無用な人間になっている。身につまされる物語だった。

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| 古本読書日記 | 06:38 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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岸山真理子   「ケアマネージャーはらはら日記」(三五館シンシャ)

 新聞の広告でみた本書の宣伝絵。いかにも、疲れ切ってもうやっていられないケアマネージャーが描かれており、この本は介護現場の辛い実態、それに伴う疲れ、苦悩が描かれている作品かと思い手にとってみた。

 確かにそういう面も描かれているが、全体的には実際ケアマネージャーをしている著者の岸本さんが、誠実で仕事も前向き、生き甲斐をもって、介護の仕事に取り組んでいることが描かれ、表紙の絵と大きなギャップがあり、少し面食らった。

 私の妻も、ほとんど専業主婦で暮らしてきたが、10年ほど前に、介護士養成講座に突然通いだし、資格をとり、特別養護老人ホームで働きだした。

 施設では動けなくなった入所者の下の世話や、食事の世話、入浴介助など、辛い力仕事ばかり、加えて、言うことを聞かなかったり、認知で会話が成立しなかったり修羅場のような職場、それでいて給与は最低賃金。とても長くは勤められないだろうと思っていたが、驚くことに10年以上も務め、まだ辞める気配は無い。

 最近、ダイハツとか豊田自動織機などの検査不正データが発覚して、大問題になった。この問題が起こった時、私は親会社トヨタのきつい圧力が不正を産んだのではと思った。

 近所のご老人の人たちと会話していたとき、もう80歳になろうとしている人や、75歳を過ぎた人が、かって務めていた会社から、現場の人がいないので、工場にきて務めてくれないかとの要請があり勤めはじめたことを知った。びっくりした。今や工場労働者不足は深刻で、募集しても応募者がほとんどいないようだ。ダイハツや豊田自動織機の不正は工場労働者不足に起因しているのではと思いを変えた。

 この本に登場する渡辺さん外資系会社を定年退職後、会社が外資系だったため厚生年金がないので、タクシー会社の配車係を22年間やり、その会社が他の会社に吸収合併になり、会社を辞めざるを得なくなった。

 それで、日給5000円のペットボトルキャップ製造会社で働きだした。現在年齢は90歳。
ここを読んで、90歳でも働く?私はクラクラっとなってしまった。

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| 古本読書日記 | 07:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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富樫倫太郎   「SROⅤボディーファーム」(中公文庫)

 富樫の創作態度は、とにかく切れ目なく次から次へと本を世に送りださねばならないという作法だ。誉田哲也、今野敏、知念実希人、堂場瞬一に似ている。想像力が溢れかえっていると、それもできるが、枯渇してしまうと、凡作ばかりになってしまう。

 SROシリーズ。所轄、県警を超えた日本のどこでも捜査権限が認められた組織SRO。この5巻までは、史上例をみない殺人鬼近藤房子との対決がテーマになっている。

 面白いのは、通常ミステリーのように、捜査する側の動きを中心に描くのではなく、捜査側と犯人側交互に動きを描く方法をとっていること。だからミステリーになっていなくて、対決バトルのような小説になっている。

 シリーズ3作目だったか、SROの副室長芝原麗子が起こしたトラブルで、殺人鬼近藤房子が 徹底的な恨みを持ち、芝原を殺害しようとする。これにより、近藤の標的は室長の山根と芝原になる。

 しばらく、鳴りを潜めていた近藤が伊勢原に潜伏していて、一緒にいたお手伝いの女性を殺害、その後、都会にでてきて連続してコンビニで暴れていた若い強盗2人と、ストーカーの中年の男を殺害した。

 近藤は、変装のための技術を獲得していて、女性でありながら男性にもなることができた。
実は、若い強盗2人を殺害した時は、近藤はにっくき芝原を拉致殺害しようと、芝原のあとを付けていた。それは失敗したが、殺害したいという欲求を抑えることができず、若者2人を殺していた。

 ここから物語が膠着状態に入る。そしてそれが異様に長い。
SROの捜査と近藤房子の距離がなかなか縮まらない。読んでいて間延びして飽きてくる。
その間にまた殺害が起きる。
 こうなると、社会から警察への非難が沸き上がる。不安、恐怖も募ってくる。

それで、警察上層部は、芝原麗子を囮に使えとの指示を山根室長に発する。山根は渋ったが、芝原が囮になることを承諾して、物語はクライマックスへ進む。

 クライマックスも含めて、全体が安直。単純だけど、読んでいるぶんにはそれなりに面白いような気にもなる。

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| 古本読書日記 | 06:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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富樫倫太郎   「箱舘売ります」(下)(中公文庫)

 プロシアのガルトネルに対して、追ってくる明治新政府軍との戦いのため、蝦夷政府旧幕府軍が300万坪の北海道の土地を譲渡する契約が合意された。ガルトネルの裏にはロシアがいて、いずれロシアが、ガルトネルからその土地を譲渡されることが準備されている契約だった。

 その契約が締結されると、ロシアが北海道に日本の支配が及ばない、租借地を持つことになる。そしてロシアは租借地を足がかりにして、北海道を植民地にしてしまうことが考えられる。

 しかしまだ契約は双方サインはしていない。契約は、ガルトネルから譲渡料の6万両が蝦夷政府に引き渡されたことをもって発効する。

 だから、6万両が引き渡される前に、6万両を奪ってしまえば、契約は無効となる。しかし、6万両というのは、千両箱60個。千両箱は約18KG。これが60個は、膨大な量。これを奪って、雪道を安全に運ぶなど不可能に近い。

 それ以前に、蝦夷政府軍と戦って、千両箱を奪取せねばならない。それを実行するのは、自発的に集まった遊軍隊50人。メンバーは農民やら、商人やら、職人やら約50人。今までに火縄銃さえ持ったことがない、戦いとは無縁な者ばかり。

 作戦を計画立案して、指揮するのが、新選組にいた土方歳三。この時、遊軍隊にある武器は大砲2門と、アメリカから買い込んだスペンサー銃。スペンサー銃はアメリカ南北戦争のために開発された銃。高価だったため、日本では佐賀藩と黒羽藩が使用した経験があるのみ。この銃の特徴は銃弾が先入れで一度に7連発撃てる。そのころまだ日本では後入れで単発銃が主流。

 この武器を使って、土方歳三は6万両をどう奪取したのか。これが本当に鮮やか。この戦いは現実にあったのだから、最新式の武器を駆使した、想像の世界の戦闘とは中身が異なる。

富樫の描写は本当に現実感たっぷり。そして6万両は?少し考えれば想像がつくのだが、土方の鮮やかな戦術に飲み込まれて、想像ができなかった。本を手に取って確認してください。

 ガルトネル事件に参集した遊軍隊。ロシアに土地を取られることに立ち向かった人たち。
だから、新政府支持の人も、旧幕府軍支持の人も混在している。

 この後、五稜郭で新政府軍と旧幕府軍が戦う。そして新政府軍が戦いに勝利する。そして北海道ロシア植民地化を阻止した新選組土方歳三は五稜郭の戦いで命を落とす。

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| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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富樫倫太郎    「箱館売ります」(上)(中公文庫)

 時代は明治維新が成立した直後。北海道箱館で起きていたガルトネル事件を扱っている。
これは、結構深刻な事件。こんな事件が起きていたとはこの本を読むまで全く知らなかった。

 当時明治政府軍は、旧幕府軍と関東、東北で戦いを続け、旧幕府軍を追い詰めていた。旧幕府軍は敗走し、最後は北海道箱舘まで逃げる。当然、箱舘には新政府の管轄下にある、蝦夷政府があったが、旧幕府軍は蝦夷政府を政治拠点として使用していた五稜郭から追い出し、旧幕府軍による蝦夷政府を樹立した。ガルトネル事件はそんな時に起こった。
プロシア人リヒャルト ガルトネルは蝦夷政府と、北海道の7万坪の土地を借地権契約して、原野を開拓して農業を始めていた。

 そして、3つの重要な出来事が発生し、事態が動き出す。

一つ目。ロシア人領事館員のユーリイがガルトネルに接触し、借地面積を300万坪まで広げ、蝦夷政府と契約を再更改する。この更改で、最も重要な項目は、契約当事者のガルドネルは借地権を他の第3者に譲渡できるという項目を入れること。浄土契約期限が現状の契約では99年とされているが、その間にガルドネルが亡くなった場合、その権利が他の第3者に譲渡できるようにしておく。

 実は、この譲渡条項を入れようと主張したのが、ロシア領事館員のユーリイ。ユーリイとロシアは、300万坪の土地をロシアが所有にして、蝦夷をロシアの植民地にする足がかりにしようともくろむ。

 たとえ、ロシアの植民地につながらなくても、欧米列強は、自分たちにも租借地を認めろと日本に迫り、北海道は各国に領土が分割状態になってしまうのが必至となる。

 一方新政府軍は旧幕府軍を追って、青森まできている。近々旧幕府軍と新政府軍の北海道での戦いが起こるのは必至の状況。旧幕府軍は戦費をたくさん使って、財政がひっ迫状態。新政府軍と戦うためには、大砲など大量の武器を購入して備えなければならない。それで、借地権の契約料が何としても欲しい。

 それから、国際契約というのは、政体が変わっても、契約は有効。つまり、旧幕府政府との契約は、新政府になっても、そのまま有効になる。

 このような状況が、場面、場面がシャープに切り替わり、明らかにされてくる。

そして上巻は、旧幕府政府と黒幕ユーリイが動かしているガルドネルとの緊迫した交渉の場面で終わる。このままでは、北海道がロシアの植民地になってしまう。どうなるだろうとドキドキしながら下巻に進む。

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葉室麟    「川あかり」(双葉文庫)葉室麟    「川あかり」(双葉文庫)

 世の中には、心の病だったり、怖さ臆病のために、いつまでも社会の中にはいっていけなかったり、はいろうとしないで、家にこもってしまう人がたくさんいる。また、社会の中に入っても、困難に立ち向かえなかったり、そんな勇気もなく、その日暮らしで社会の底辺にはいつくばって生きている人も多い。

 この作品の主人公伊東七十郎もそんな人間。勉学もだめ、剣術も最低、そして臆病。社会に背をむけて、入ってゆこうとしないダメ男。しかし、根っからの正直者で嘘はつかない。

 この伊東に命令が下される。藩の江戸詰めの家老が、藩の派閥争いを治めるために藩に帰ってくる、その途中で、この家老を殺せという。

 そんなことはとめできない。もし受け入れれば、それは自分が殺されることを受け入れるということと同じ。しかし、藩に常駐している、500石どりの家老の娘美弥の婿にしてあげるという褒美に目が眩んで指示を承諾する。

 途中巨勢川が、大雨で水嵩が増し、川渡りができなくなり、安い木賃宿に泊まり、川が鎮まるのを待つことになる。

 このさびれた木賃宿で、七十郎は、盗賊グループと同宿することになる。この盗賊グループ。それぞれが所属する藩の圧政により、生活が立ち行かなくなった人たちが集まりやむを得ず盗賊をして生きている。

 七十郎は、この盗賊グループと生活を共にし、幾つかのトラブルに一緒に立ち向かい、世の中の矛盾、生きづらさを知る。
 やがて、殺害の対象になっていた家老が、川わたりをするため、川岸に現れる。そして、盗賊グループの知恵や命をかけた助太刀により、家老を殺害することに成功する。

 そして、七十郎は今川を渡る。それは、臆病でダメ人間が社会に向かって出て行く姿だ。
登場人物の造型が際立ってうまく、味わい深い作品に仕上がっている。

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群ようこ   「子のない夫婦とネコ」(幻冬舎文庫)

 「老いとペット」をテーマにした小説集。5編の作品が収録されている。
どの作品も、犬猫の仕草とその仕草の犬猫に対する思いが、優しい筆致でよく描けていて、流石ペット好きの群さんと感心して読ませて頂いた。

 二作目の「男やもめとイヌ」が気になった。
主人公のコウジは妻ユリコと妻が30歳になったとき結婚した。妻は2歳年下。竹を割ったような性格で、同じ会社に働いていた時、コウジはユリコに好意を抱いてだめもとで結婚を申し込むと、意外にもユリコはOKをだし、2人は結婚した。

 ユリコは優秀でさらに英語が堪能、それで会社をやめて外資系会社に転職。それで、コウジは妻には何も言えない。生活費や住宅購入費用もすべて負担は給与の割合、なんと7:3で割り振られた。とんでもなく、高い給与をユリコは手にしていたのだ。これで、ユリコはコウジを完全支配した。

子供は一人しかいらないというユリコとコウジの間に男の子が誕生。子供の小学校受験の時から、ユリコは教育に情熱を注いだ。コウジはそんなにしなくてもと言いたかったが口を紡ぐ。その様子を察知してユリコがいう。
「ダディのようなダメ人間になってはいけないよ。」と。

 息子は一流高校をでて、海外の大学に進学する。それと同時にユリコから離婚を提案される。何も言えることができなくて、そのまま離婚届に判を押す。そしてアパートに移り、何もする気が起きなくて、そのまま会社を早期退職する。

 ある日、公園で捨てられていた犬を拾ってきてアパートで飼い始める。一緒に枕元で眠り、犬は朝早く散歩を要求する。名前はゲン。可愛くてたまらない。朝の散歩も楽しい。

 やがて、ゲンが妊娠する。そして3匹の子犬を産む。2匹はアパートの大家さんが仲介して別の家に引き取られる。残った子犬に大家さんがランという名をつけてくれる。

 死んでいたような生活が、ゲンとランとの生活で、どんどん変わってゆく。
グターと過ごしていた人生、しかし今は大事な愛しい家族がいる。そして、働きにでなけりゃと思い就職活動を始める。コウジ60歳の時だった。

 犬との交流も読んでいて楽しかったが、やっぱり、何も言えず離婚届に判を押したところが辛かった。

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富樫倫太郎   「早雲の軍配者」(下)(中公文庫) 

 早雲も、謙信も歴史上は傍流の存在。信玄、勝頼は少し天下取りで顔を出すが、メインは謙信との戦いでやはり傍流。この物語、それぞれの武将についた軍配者の物語で戦いの場面もたくさん描かれているが、戦の物語ではなく、足利学校で学び親友となった勘助、小太郎、冬之助の青春群像劇になっている。

 上巻の書評で書いたが、今川家から足利学校に派遣された山本勘助は、学校へ行く途中で盗賊にあい殺害されてしまう。そこで荷物持ちで付いて行った、山本家の下男四郎左が勘助と偽り足利学校へ入学する。

 足利学校に派遣先の駿河から、宍倉孫三郎という役人が、足利学校に山本勘助の様子を見るため派遣されてくる。このままでは、四郎左の嘘がばれ、打ち首にされかねない。

 一方小太郎には、早雲の訃報が届く。それで、小太郎は小田原、韮山に急遽帰ることになる。すると、冬之助が連れていってほしいという。早雲は戦いで負けたことがない。さらに名君としての誉が高い。早雲の戦法と統治方法を実際に確かめたいという。さらに四郎左も連れて行ってくれという。そして、四郎左は足利学校を辞めたという。それは軍配者になることを断念するというかと読んでいてびっくりしたが、軍配者になるには足利学校だけでなく、京都のいくつかの寺が軍配者養成をしていて、その一つ建仁寺に入門するとのこと。その途中で、小田原、韮山に立ち寄りたいという。親友3人は一緒に小田原、韮山に向かう。これがこの本の前半。

 後半は武蔵の国を治める扇谷上杉軍と北条家との高輪原の戦いを描く。兵の数は北条家の方が上杉より数倍も多い。しかも北条家は戦で負けたことがない。だから、北条家が勝負に勝つことは間違いない情勢。ところが、上杉の巧みな戦術に惑わされ、幾つかの戦いで北条家が負ける。それもそのはず。上杉家の戦法、戦術を作り上げているのは、上杉家に雇われた軍配者冬之助。

 北条家のその時の軍配者は金石斎。金石斎は、頭角を現す小太郎を殺害まで計画し、抹殺しようとする。しかし、金石斎の戦法により、北条家は窮地に追い込まれる。ここで小太郎が領主北条氏綱から戦法、戦術をどうするか求められ、金石斎の戦法を退け、小太郎の戦法を採用。これで劣勢をはねのけ、上杉氏の城、江戸城を陥落させる。

 この戦いで初めて親友の軍配者同士、小太郎と冬之助の戦いが展開される。この戦いは読んでいて興奮するほど面白かった。

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富樫倫太郎   「早雲の軍配者」(上)(中公文庫)

 軍配者シリーズは、紹介の「早雲の軍配者」からスタートして、「信玄の軍配者」「謙信の軍配者」の順で出版された。私はどれから読んでも問題ないと思い、逆に謙信、信玄、早雲の順で読んできた。

 軍配者で著名なのは、なんといっても、信玄に仕えた山本勘助。タイトルは謙信、信玄と別れているが、物語の花は当然山本勘助。それで、信玄はもちろん謙信でも山本勘助が物語の中心になっている。それできっと早雲でも主人公は勘助ではないかと、以前の軍配者シリーズの感想で述べてしまった。これは完全に間違えていた。ちゃんと順序だてて読まないから見当違いの錯覚を起こしてしまった。

 風間小太郎は風間五平の息子だった。風間村の農家だったが、北条早雲に見いだされ、早雲の間諜として活躍した。ところが小太郎の両親は、流行り病で亡くなり、このとき叔父が五平の家の農地と財産をだまし取る。結果小太郎と妹の奈々は無一文になり叔父の家に引き取られ辛い生活を強いられた。

 しかし小太郎は勉強が好きで、寺の小僧にされ、住職の世話をしながら、寺の学校に入り勉強をした。この住職から早雲に小太郎のことが伝えられ、早雲は小太郎と面会。早雲の孫が家督を引き継いで領主となったとき、小太郎を孫千代丸の軍配者にしようと決め、下野の足利学校に派遣することを決める

 この物語で一番印象に残ったところ。それは多分事実ではなく、作者富樫の想像によって描かれていると思うが、その想像力が素晴らしい。小太郎の住む韮山から下野(栃木)までの距離は気が遠くなるほど離れている。今は鉄道で行けばなんてことないが、当時は歩きか馬上で行く。それから、戦国時代は他国の領地を通過するには自分の住む領主の依頼状がな必要となる。その他国と自らの国が敵対していると、依頼状を持っていても通してくれない。領主が領民の生活を無視して、年貢を多く収めさせると、領民は暮らせなく餓死してしまう。だから、おいはぎや盗賊がたくさんいて、旅人から金品を収奪。そのために殺害される旅人も多数でた。

 そんな中小太郎は、北条の家臣十兵衛に守られながら、足利に向かう。その十兵衛が途中で下痢と高熱で動けなくなる。それを通りがかった武士3人組に助けられ、山から麓の村まで運んでもらう。この3人組も、足利に向かう。一人は、山本勘助といい、小太郎と同様、足利学校入学する予定。おつきのうち一番若い荷物持ちは四郎左と言う。

 山を下りて、村に入る。すると、小太郎と四郎左の一行は村のお偉い方の歓迎を受ける。勘助と御付きの一人は、宴会に出席し、酒をたくさん飲む。その村は、村そのものが強盗の村だった。

 勘助と御付きは宴会後殺害され、持ち物、持ち金を収奪される。

小太郎と十兵衛と四郎左が足利学校に着く。すると、四郎左は受付で「私は山本勘助」と名乗る。山本勘助が誕生した瞬間だ。

 足利学校に入った、足利学校では、多くの兵法書や医学書などを筆写することが求められる。しかし一つ一つの本の蔵書冊数が少なく、生徒間で取り合いとなり、借り出すことが難しい。
このことを四郎左と小太郎が、特に必要となる武経七書の筆写に悩み嘆いていると、横で寝転がっていた若者が、そんなの俺が貸してあげると言う。家からもってきたから。

 四郎左と小太郎にはその若者が、神ほどに見えた。この若者こそ冬之助。
3人は一緒に学び、無二の親友となった。
冬之助は後に謙信の軍配者となる。

 大親友の3人はその後、戦場で相まみえることになる。

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富樫倫太郎   「SROⅢ キラークィーン」(中公文庫)

 前日このシリーズの2巻目を読んだ。2巻目は、1巻目と完全に独立した作品になっていたが、3巻目は、1巻目の続作品になっていた。これはやばい、このシリーズすでに飛び飛びで買い込んでいる。順序だてて読んでいかないと、わからなくなってしまうか不安になった。

 女性ばかりを何人も夫婦で殺害したシリアルキラーの近藤房子は、夫の一郎は射殺されたが、検察庁への護送途中に多重衝突のなか、検事を殺害し、逃走結果、房子は拉致監禁される。 

 拉致監禁したのは、特殊詐欺を計画実行しているグループの頂点にたっている瞬一と宗介。

 なぜ、殺人キラーを大きな危険をおかしてまで、逃亡させ監禁するのかが、読んでいてわからない。そんな危険をおかしても、全く彼らの目的である、大金奪取には無縁なことなのに。

 瞬一がいう。
「近藤房子は笑いながら人を殺すことができる女だ。房子の残忍な冷酷さが欲しい。俺には綿密な計画を立てる賢さがあり、その計画を着実に実行する行動力と忍耐力がある。房子を解体して食べられれば、残忍な冷酷さをも備えられる。俺は房子より、ずっと頭がいいわけだから、一旦人殺しの味を覚えたら警察などには決してしっぽをつかませない完ぺきな悪党になれる。」

 で、その方法は、房子の心臓と脳を食すること。カニバリズムだ。
そして、同じことを拉致された房子も考えている。自分に瞬一の緻密な計画と実行力が備わったら完璧な悪党になれると。それで、物語では房子によって瞬一は殺害される。

 この作品はミステリーではなく、ホラーそれに少しのスプラッター作品だった。
正直、読後感がまったくよくない。

 他の富樫の警察小説は、富樫の類まれな発想力を生かした、ミステリー色が濃い面白い作品になっている。
 まだ未読のSROシリーズ作品が手元にある。全部こんな色合いの作品なのだろうか。手に取るのを躊躇う気持ちがわく。

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富樫倫太郎   「SRO Ⅱ 死の天使」(中公文庫)

 SROシリーズ2作目の作品。

SROは警視庁広域捜査専任特別調査室の略。警視庁は所轄、捜査範囲に制限があり、全国にまたがる事件が起きると、その制限が捜査に支障をきたし、広域事件への対応が現行の組織では捜査が困難に直面する。そこで警視庁内に全国にまたがって捜査ができる組織が作られる。それがSROである。

 しかし事件が起きれば、所轄、警視庁捜査各課が責任対応するため、組織としては邪魔な組織となる。そこでSROは東大卒などキャリアを集め、捜査未経験の警察官が主体の組織となった。

 富樫の他の警察シリーズと同様、落ちこぼれ鼻つまみ者が活躍する立てつけの物語になっている。

正しいかどうかもう一つ自信がないが、我々人間は神の子。栃木県下野市にある、下野東方病院副院長の琥珀は、人間は不滅でありこう言う。

「この世に存在する人間は仮りの宿りに過ぎません。神の懐こそ、本当の家です。仮りの宿りで苦しみ続ける必要はありません。神は、わたしにお命じになりました。哀れな僕たちを旅立たせよ、と。あとは偉大なる先達が僕たちを神のもとに導いて下さるのです。」

 つまり人間は亡くなるということはなく、神のもとへと帰ってゆき、ずっと生き続ける。

この際、神のもとへは一人で行くのではなく、先達が連れていってくれる。
この先達は、殉教した教皇24人。この教皇が亡くなった日に、人を殺して神のもとへと送り届ける。琥珀副院長は、10年前に下野東方病院で働きだし、毎年24名の余命幾ばくもない末期患者をオペ用機器に細菌を付着させ殺し、神の元へと240人を神の元へと送り出していた。

 この作品では、事件かどうかわからない段階でSROが警視庁捜査課の強烈な妨害を受けそれをおしのけながら、琥珀に行き着くまでを描く。

 それにしても宗教というのは全部ではないが恐ろしい。琥珀のように死ぬという概念のない人の存在を否定することはできない。時折理解できない無差別殺人事件に私たちは接する。琥珀のような信心深い人が起こしているのかもしれない。

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知念実希人   「久遠の檻」(新潮文庫)

 大好評の「天久鷹央の事件カルテ」シリーズ作品。
天医会総合病院、統合診療部部長の女医天久鷹央と部下の石小鳥遊優のもとに精神科から診断依頼の患者、楯石希津奈が運びこまれる。

 この楯石、不思議なことに年齢は32歳なのに、中学生か高校低学年に見える。楯石はアイドルをしている。精神疾患を発症しているが、天久は楯石の症状は脳炎からきているのではと推察する。それで、入院をさせ、検査を行おうとしていたところへ、楯石の父親が現れ、楯石を家に連れて帰る。このままでは、天久は脳炎が治らず死亡にまで至ると心配していたのに。

 この物語では、3つの大きな謎の出来事が起きる。

①32歳の女性が、中高生に見える謎
②この楯石希津奈が、海の崖から身投げし、死んだと思われたのが生きて復活する。
③放置すれば死に至る脳炎が、腹の手術をすることで治癒する。
 知念は医療知識を駆使して、謎解きに一般には知りえない病気などを登場させ、真相を明らかにするのが特徴。少し読者はごまかされた気持ちになる。

①について
 楯石希津奈の母親は、希津奈を妊娠したとき、白血病にかかる。そのまま子供を産むことは危険のため、医者の夫は、受精卵を取り出し冷凍保存をして、妻の白血病が寛解した時、
保存しておいた受精卵を妻の体に戻し、希津奈を産む。

 ところが、妻がだいぶたってから、腎臓疾患を患い透析をせねばならなくなる。夫の医師はどうしても愛する妻の病気を治したい。そのための手段は腎臓移植しかない。

 ここで知念の奥の手。実は妻は一卵性双生児を妊娠していた。で、医師は、もう一つの受精卵を冷凍保存していた。これで子供を産ませ、その子の腎臓を妻に移植させようと考えていた。子供は生まれたが、妻が死亡して移植ができなくなった。それが、前の希津奈が16歳の時。これで32歳の希津奈と16歳の希津奈ができあがる。

②について
サイフォンの原理。管の両端を違う高さに置かれた液体に浸けると、大気圧によって高いほうから低い方に液体が流れてゆく。この原理を使い、身投げした窪地に水を流しいれ、身投げしても水中に浮かぶようにする。
 このあたりまでは、難しいが何とか物語についてゆけたが、③は年寄りの頭ではついてゆけず、本を放り出しそうになった。

③について
脳炎の病名は抗NMDA受容体脳炎。この文字を見ただけで頭がぐらぐらきて、読んでもわからなくなった。

 これでも、知念の作品を読むのをやめられないのだから、まったく知念の魔法には困ったものだ。

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富樫倫太郎  「信玄の軍配者」(下)(中公文庫)

 私の子供の頃、親戚が集まって宴会をすると、決まってみんなが手拍子で唄うのが「武田節」。武田信玄を尊敬し、親しみをこめて声をあげて歌う。いつも不思議に思った。武田信玄は甲斐の国の武将、なんで信濃の住民であるわが親族が信玄の歌を唄うのがわからなかった。

 私は、諏訪市にある高校へ電車で通学した。その通学の途中に金毘羅山という小高い山がある。この山腹に上原城址という看板がたっていて、それを不思議に見ながら通学した。

城といえば、天守閣があり、石垣の上に作られ、周りには堀がほられているというイメージがあったため、上原城、何それと全く関心を持たなかった。

 この作品を読んで驚いた。諏訪の城は諏訪市の街中に復元され存在している。驚いたのだが、諏訪市の城は、諏訪氏の時代になってだいぶたってから構築された城で、それまでは上原城が諏訪氏の居城で、諏訪氏における支配は上原城を拠点として行われていたことをこの作品で知った。

武田氏は、信濃の支配を目論んでいた。甲斐から信濃への入口は佐久口と諏訪口があった。信玄の父親武田信虎は最初佐久口から信濃に入ったが、佐久地方は耕作地が少なく、これでは占領しても甲斐にはメリットが無いと考えた。一方、これが不思議なのだが諏訪口から広がる諏訪盆地は耕作地が広がっていて、まず諏訪から占領地にしようと信玄が侵入した。そして、上原城を奪取して、諏訪氏を排斥。領主諏訪頼重や主要家臣を切腹させた。そして頼重の娘を甲府に拉致し監禁した。雪姫である。

 そして武田の家臣が上原城に居座り、諏訪郡は武田の領地となる。

しかし、この後、諏訪と伊那を分ける杖突峠を越えて伊那高遠の領主高遠頼継がやってきて上原城を攻め上げ、しばしば上原城は高遠に奪取されそうになる。

 これに対し、武田は、城の上り路の林に火をつけ、驚いて逃げ戻る高遠の武士を、草原に窪地を多く作り、そこに潜んでいた武田の武士が逃げる高遠の武士に刀を突きあげ殺害するという戦法をとり、高遠軍より圧倒的に少ない兵士数なのだが武田軍は完勝する。

 この作戦を立案したのが、物語の主人公山本勘助。勘助初めての、信玄の軍配者としての仕事だった。

 何気なく電車から毎日通学時見つめていた上原城には、こんなすごい歴史があったのだ。
感動した。

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富樫倫太郎   「信玄の軍配者」(上)(中公文庫)

 「軍配者」シリーズはいずれも上下巻で、3セット販売されている。「信玄の軍配者」「早雲の軍配者」「謙信の軍配者」である。
それぞれの軍配者は、信玄には最も有名な山本勘助、早雲の小太郎、謙信の宇佐美冬之助である。

 実は3人とも、日本最古の学校、足利学校で軍配者学を一緒に学んだ同学年生であり、その友情は強く固い。

 山本勘助は駿河今川の家臣の家に生まれた。名前は四郎左と言った。幼い時、母が死に、そして疫病がはやり、他の家族もすべて亡くなり、四郎左だけがぎりぎり生き残った。しかし、その疫病の影響で、顔があばた顔になり、更に右目が見えず、さらにその後の事故で足が不自由となり、幼い頃から、化け物と言われるほど醜かった。

 今川家の家臣、山本家の長男の山本勘助が足利学校に行くことになる。そのお付きで、四郎左を含め4人が随行した。ところが旅の途中で強盗に襲われ、四郎左以外勘助も含め全員が殺される。そのまま四郎左だけ足利に向かい、自分は山本勘助だと名乗って学校に入学した。

 だからその後四郎左は山本勘助と名乗るようになった。面白い話である。

四郎左は、勘助と名乗っていたことがバレ、足利学校をやめさせられ、その後京都の建仁寺に行き、ここで中国の兵法を学ぶ。その後、多くの大名を訪れ、軍配者に雇ってもらおうとしたが、その顔、身体的欠陥を嫌われて悉く失敗。軍配者になることを諦め、駿河に帰る。

 求職活動で実は、甲斐の国にも行っている。この時の甲斐の領主は信玄の父親武田信虎。信虎は他の大名と同じで、勘助の醜さを一目みて、不採用を決めている。

 面白いことに、信虎は強烈なワンマンで、少しでも気に入らないと即手討ちをする横暴な君主だった。それで豪族たちは、信虎の息子、後の信玄となる、息子晴信につき、信虎を駿河に追放する。

 この信虎と勘助が駿河で出会う。甲斐に戻り、領主に復帰を目論んでいた信虎は、勘助に甲府にゆき、軍配者に応募して息子晴信と面接してほしい。勘助の容貌をみて即座に採用を晴信は却下するだろう。そこで、晴信を刺し殺せと依頼する。

 それを勘助は断り、すでに北条の軍配者小太郎のところへ向かう。小太郎の推薦で勘助は北条の軍配者採用までゆくが、初志貫徹で甲府に行き、晴信の軍配者に応募する。それで断られたら軍配者になることを諦めると決めていた。

そして晴信との面接で「駿河で晴信の父信虎に会い、晴信を殺せ」と言われたことを話す。当然、同席していた晴信の家臣が勘助を刺して殺そうとする。それを晴信は押しとどめて、
「別室で囲碁をやろう」と言って、他の家臣は排して、2人だけで囲碁をする。
そして晴信、後の信玄は勘助に「わしの軍配者になってくれ」とささやく。

ここが上巻のクライマックス。勘助が信玄の軍配者になった瞬間だ。

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| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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富樫倫太郎   「SM班Ⅱ モンスター」(角川文庫)

 富樫の作品はだいたい400ページから450ページの長さがある。これは最初から出版社との打ち合わせで決めているのか、それとも創作の結果としてその長さになっているのだろうか。

 もちろん、その長さを忘れてしまう作品もあるのだが、間延びしすぎて、飽き飽きする作品も結構たくさんある。

 この作品は、「SM班」シリーズの第2作だが、1作目の続きの作品となっている。

1作目で女体を解体し、そのパーツを収集愛好家に販売するという事件が起きる。SM班の特にインテリキャリア佐藤の防犯カメラの分析推理により、拉致解体犯と販売犯が捕まる。
ところが、この犯人が黙秘を使う。ずっとその手口がわからない。

 すると、女体パーツ収集愛好家のパーツ収集ができなくなる。この作品でその収集家が、投資で莫大な資産を築いた氏家星一郎ということが明らかにされる。氏家は200万円を、食い詰めているフリーライターの本郷に渡し、前作で救出された2人の女性に取材を行いどのように拉致され監禁されたのか調査するよう依頼する。

 その調査結果と同じ方法で、女性2人を拉致し、那須の別荘の地下室の拷問部屋に監禁する。更に、前作で女体パーツ収集を断念させられた、SM班の班長薬寺に強烈な憎悪を抱き、同じ別荘に拉致監禁する。

 この経過になんと300ページ以上も費やす。この過程では、事件は発覚しない。それに、何の捜査もしない、弛緩しきったSM班の様子も描写するので間延びしてたまらない。

 こういう小説は、犯人が拉致監禁。その場所を突き止めるため緊迫した捜査が続き、最後監禁場所を突き止め犯人との対決を行うというのが一般的展開だ。この作品では、その部分がたった100ページしかない。

 しかもSM班が中心に事件が解決されるのではなく、拉致監禁された女性の中に解離性同一障害の女性がいて、悪人になる性分を発揮して次々人殺しをすることで事件が解決に向かう。

 それなりに面白いとは思うが、私にはおおいに不満が残る。

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富樫倫太郎   「SROⅣ 黒い羊」(中公文庫)

 精神分析学に「黒い羊の仮説」という説がある。それはどういう説か、この作品に書いてある。

 「どんな人間にも、他人からいい人間だと思われたい、立派な人間として尊敬されたいという気持ちがある。そのために、本心を隠して、いい人間を演じることがある。つまり仮面をつけて、自分のいいところだけを見せようとする。この仮面を心理学では『ペルソナ』という。ペルソナによって隠された部分、つまり、あまり他人に知られたくないような自分の悪い部分や嫌な部分、これを『シャドー』と呼ぶ。はたからみて、立派すぎる両親というのは、仮面をつけて、作為的に立派な人間を演じている部分があって、シャドーの部分を隠している。そのシャドーが子供に現れてしまうのではないかという仮説である。白を白と混ぜれば白になるはずなのに、黒になってしまうことがある。白の両親も、ペルソナで隠しているだけで黒の因子を持っている。だから、隠された黒の因子と黒の因子が混ざり合えば、黒の子が生まれる。従って、同じ両親から2人の子供が生まれると、優等生と劣等生が生まれることがある。」

 この物語に登場する太刀川遼一は14歳の時、家族4人を殺害し、遺体を寝袋にいれ放置する。遼一の兄は優秀で性格もよく、遼一も兄のようになろうねとしょっちゅう両親から言われている。この殺人犯遼一は、蝶ではなく蛾を飼育している。醜い幼虫が蛹になり蛹から脱皮して美しい色の蛾に変身することに憧れているから。

 遼一は7年間の少年院での生活が終了して北海道のペンションで働くようになる。ここで合宿にきていた大学生を殺害してやはり寝袋に詰め、更に酒田で知り合った学生も殺害して寝袋に詰める。

 この真相の解明をSRO班が行う。ここでのトリック、真相解明の過程は、よく最近のミステリーでみられるようなあり得ないトリックでなく、これならあり得るというトリックで、富樫のミステリー作家の力量に感心してしまう。

 で、物語はこれで終わるかと思ったら、まだ次々と遼一による殺害が行われ4人が犠牲になる。

 そして、その殺害は憎しみ、怒りから行われるのではなく、遺体は寝袋にいれられ、寝袋は蛾の蛹のかわり、蛹からは新しいりっぱな人間が誕生するからという思いから殺害が行われていたことが解明される。

 なんとも恐ろしい小説だ。殺人の動機は、憎しみ、恨みではなく、親から遺伝した黒因子によって行われることがあるから。シリアルキラーの多くは生まれながらに人殺しを運命づけられた人間なのだから。

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富樫倫太郎   「スカーフェイスⅡ デッドリミット」(講談社文庫)

 型破り女性刑事「渕神律子」シリーズ第2弾。

ある日、渕神律子を指名して、身元不明の中年男が出頭してくる。所持してきたバッグの中には、切断された体の一部とノートパソコン、イヤホンが入っていて、ノートパソコンの画像には生き埋めされている女性が映り、今から48時間たつと、女性を殺害するとのメッセージが書かれていた。

 中年男は沈黙を貫く。これに対し淵神と藤平の特別捜査第3係のあぶれコンビが捜査、犯人追跡を開始。48時間以内に事件は解決するかが読みどころ。

 この物語の軸になるのは、アダルト ビデオ撮影およびその業界の実態である。それが驚愕の内容。正直、作家の想像だけでは、この内容は書けないと思う。富樫はAV業界を経験しているのではと正直思ってしまうほど。

 三上というプロダクションのオーナーが「女優悶絶シリーズ」というAVを制作して大当たりする。それでシリーズにして3作品を作り販売。3作目になると、販売数が下火になり、そこで思い切って内容を変える。そして売り出したシリーズが「女優破壊」シリーズ。

 その映像が実況中継とともに流れる。
「さあ皆さんは、これから恐ろしい光景を目にすることになります。48時間、絶え間なく何十人もの男たちとセックスするとどうなるのか。子宮の機能が壊れてしまうのです。すると世にも恐ろしいことが起こります。人間が人間でないものを出産してしまうのです。人間でないものとは何か?ゴキブリです。」

 そして、意識を失っている女性の膣と肛門に細長い棒のようなものを挿入する。それがエアボンベと繋がっていて、そのバルブを回すとエアが噴出され、風船のようなものが膨らむ。そこに大量のゴキブリを注入する。
 この撮影で、バルブがうまく回らず、ガスボンベが破壊してしまう。救急車で女優は病院に運ばれたが、破壊された肛門は人工肛門になり、子宮も破壊され子供はできない体となる。

 そして女性はしばらくの後、自殺する。

もっとびっくりしたのは、この事件が、娘の父親とプロダクションの間で示談が成立し犯罪とならなかったこと。こんなことがあり得るのか。

 さすがに、富樫、現実のAV撮影現場から発展させ想像力を駆使してこの場面を描いているとは思う。
 しかし正直、富樫ほどの作家が、こんな作品を書いてはいけない。ひどく胸糞が悪い作品である。
もう富樫を読むのをやめようかとすら思う。全くえげつなさすぎる。

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堂場瞬一   「埋もれた牙」(講談社文庫)

 この物語、ベテランの市会議員が権力をバックに、市に君臨していて、専用の秘書とバイトの秘書を常に雇い、当然選挙では多くのアルバイトを使い、事務所も借りる。議員というのはとにかくお金がかかるものとして描かれる。

 舞台は武蔵野市の吉祥寺だから比較にならないかもしれないが、私は地方都市に住み、近所に同じ年で長らく市会議員をしていて、去年引退した人がいる。市によりかかり、市会議員をしていれば、役得やおこぼれにあずかるから、議員は良い仕事だ。しかし実際はそうはとても思えない。

 たまたま彼は、いくつかのアパートを持ち収入を得ているが、それでも秘書を雇うことなどとてもできない。更に選挙に事務所を持ち、選挙カーで遊説などありえず、自転車で活動という状態。議員の年収は600万円ほど、とても割りにあう仕事とは思えない。

 この物語には、勝山という市会議員が登場し、市を牛耳って、優雅な生活を送っている。現実の市会議員の姿と、大きく乖離している。だから、読んでいてすんなり入ってこない。
市会議員の役得なんて、ほとんどない。だから、今や市会議員をやろうなんて人はあまりみかけない。

 物語では、そのベテラン市会議員のアルバイト秘書が、10年ごとに、秘書になってしばらくすると失踪し、行方が全くわからなくなるという事件が発生する。

 その謎ときも、複雑さは無く、直線的に走り、解明され、単純なストーリーになっている。
率直に言って、堂場は作品が多作すぎる。だからどうしても中身が薄くなる。

 この作品の読みどころは堂場の吉祥寺の描写。これは素晴らしいと思った。多分堂場は吉祥寺に暮らしたことがあるか、今も暮らしているのではと思う。堂場の吉祥寺愛ははんぱではなかった。

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富樫倫太郎  「生活安全課0係 ブレイクアウト」(祥伝社文庫)

 シリーズ6作目の作品。この作品でシリーズは終了になるとのこと。

この作品でのキャリア東大卒の名物刑事小早川冬彦。このシリーズの最初のころは、コンピューターにかじりついて、そこのデータを駆使して真相を突き止めてゆくのが特徴だったが、最近の作品では、尋問相手の表情をみて、相手が嘘をついているのか、真実を言っているのか、見極め、そこから真相に迫ることが主になり、少し安直になったのではと感じることが多くなった。

 この作品では、次のことが起き、0係「なんでも相談室」に相談や事件となる。
①常世田真紀17歳の女子高生が失踪して1年間家に帰ってこない。
②主婦糸居洋子に対する無言電話や脅迫電話、彼女の自転車パンク、暴行もされる。
③庭に埋めて隠しておいた5000万円のうち、2000万円が掘り起こされ盗まれる。
全く無関係だと思われた、それぞれの事象、事件が小早川の推理により一つにつながる。
貢ぐと言えば、昔は男の行為だった。
しかし、世の中は変わって、告白も貢ぐという行為も女性の専売のような時代になった。
色んな事件も、男ではなく、女性が主導することがしばしば。

主婦糸居洋子は、テニススクールのインストラクターに入れあげる。しかもインストラクターはイケメンで、スクールの女性会員の憧れの的。そこでの競争に勝ち抜かねばならない。
イケメンはいくつものクラブを掛け持ち。私には信じられないのだが、講師料はたった30分で2万円。争いは厳しくて、糸居洋子はポルシェまでインストラクターに買ってあげる。

もちろんインストラクターは糸居洋子を恋してなくて、そろそろ別の女性にのりかえようとしている。

女子高生の真紀はバスケットボールクラブにはいっていて、キャプテンを好きになる。そしてキャプテンと関係を持ち、結果妊娠し子供も生まれる。学校を含めた生活が一気に追い詰められる。

そして、3つの事件が一つにつながる。

取り上げられた事象、事件もありふれているし、暴行の武器が「凍り豆腐」というのも安直。
発想の天才、富樫にしては首をかしげる、つまらない作品だった。シリーズ終了もむべなるかなと感じた。

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富樫倫太郎   「謙信の軍配者」(下)(中公文庫)

 この軍配者シリーズ、本作品上巻の書評で紹介したが、「謙信の軍配者」が最終作品で、この前に「早雲の軍配者」、「信玄の軍配者」が刊行されている。

 で不思議なのだが、紹介した作品「謙信の軍配者」となっているが、多く割かれているのは信玄の軍配者で、クライマックスでは早雲の軍配者も登場。なんとなく信玄の軍配者はかすんでみえる。

 作品のテーマである、川中島の合戦、興味深い人には面白いかもしれないが、やはり、日本歴史上登場する、織田、徳川、豊臣、今川、毛利などの戦いのほうが面白い。川中島の合戦は日本の針路には影響のない、一地方の戦い、なかなか読んでも興味がわかない。

 そう思って読んでいくと、あれ?この作品、単なる合戦の物語ではないのではと思うようになる。

 キーポイントになるのが、日本で最初の大学と称される足利学校だ。

 足利学校というのは、僧形の学徒が自給自足しながら学問にあけくれる学校で、その史跡は足利市に残っている。陰陽道、天文学、医術から兵法までを学び、卒業すると、戦国大名のブレーンとして、召し抱えられた。これが「軍配者」で、軍事戦略コンサルタントとなる。

 早雲の軍配者が風魔小太郎、信玄の軍配者が山本勘助、謙信の軍配者が、宇佐美冬之助。
この三人、実は足利学校の同期生。厳しい勉学を克服して、卒業。いつか戦場であいまみえようと誓いあって、それぞれの道を歩む。そして、戦場で出会ったときは50歳近くか50歳を超えていた。

 50過ぎてから誕生した息子太郎丸と父親山本勘助との会話が、単純なんだけど、心に残る。

「どうして、そんな難しいことがわかるの。」
「学問のおかげさ。足利学校というところで教わった。」
「どこにあるの。」
「下野という国にある。遠いところだ。」
「父上と母上も一緒に来る?」
「いや一人で行かなくてはならぬ。旅をするのも学問のひとつだ。」
「いやだなあ。さみしいもん。」
「そんなことはない。足利学校にはたくさんの学生が学んでいる。太郎丸にもすぐ友達ができる。きっと楽しいぞ。」
「友達?」
「そうだ。友達だ。」
「父上にも友達がいるの?今まで会ったことがないなあ。」
「遠くでいるのでな。いつも会うというわけには行かぬ。滅多に会うことはできぬのだ。しかし離れていても友に変わりはない。」

 3人は武将について、戦にまみえる。そのとき、いつも最初に探す。友達はいるかと。

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富樫倫太郎  「謙信の軍配者」(上)(中公文庫)

 今手元に「軍配者」シリーズ「北条早雲編」「信玄編」が未読のままある。この本を手にとったあと、少し調べたらこのシリーズ「早雲編」から順番に読むべきということを知り少し失敗したかなと思ったが読み進む。

 この作品は上杉謙信の軍配を務めた宇佐美冬之助と武田信玄の軍配を務めた山本勘助を描く。

 上杉謙信という武将は、私はいままでどうもよく理解できていなかった。ものすごい力を持つ武将なのに、織田や秀吉や家康のように天下統一をしようという意志が見えず、戦国時代、天下分け目のような戦いをしたことも聞いたことが無い。何を思い戦国時代を送ったのか謎だった。

 この本を読んで驚いた。上杉の戦で有名なのが、川中島の合戦である。信玄が、信州を攻め上げ信州をほぼ手中に収め、残すところ北信、越後の境界に迫ってきた。そこで、謙信は越境して北信を信玄から守るために出陣する。川中島には大小交えて多くの豪族の城があった。謙信は、兵員数は信玄に大きく下回るものの、複雑な地形を利用して、神出鬼没な戦法を駆使して、信玄が占領していた城、領地から駆逐して謙信は完勝。信玄が3年ぶりに負けた戦だった。(この後で行われた2回目の川中島の戦いでは信玄が勝利している謙信と信玄の戦いはこの後も行われ計5回を数える。

 謙信の戦後処理が奇妙だった。謙信支配の越後も豪族が支配していたが、謙信により統一した国になった。戦で勝利すると、褒章として、動員した兵に領地を与えたり、金品などをあげたりするのだが、謙信は、そのまま以前の豪族の領地兵を返しそのまま越後に帰ったのである。

これでは、謙信の要請で動員された兵士はたまったものではない。命までかけ戦ったのに何の見返りがないとは・・・。謙信は戦いには関心があり、名知将であったが、統治政治には無関心だったのである。また、他の領主との闘いにも関心がないため、川中島しか主な戦いがない。上巻までの話ではあるが。

 それで、本のタイトルは「謙信の軍配者」となっているが、中身は「信玄の軍配者」山本勘助ばかりが登場する話になってしまっている。

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富樫倫太郎  「生活安全課0係 エンジェルダスター」(祥伝社文庫)

 「生活安全課0係 何でも相談室」シリーズ6冊目。
杉並中央署生活安全課「何でも相談室」は、警察官失格の刑事を集めた、市民の何でも相談を受け付け対応するための新設の係。

 この作品では、市民よりの3つの相談への対応が描かれる。

一つは24歳の風来坊の男が失踪しその行方を追う事案。二つめは、新聞記者夫妻に誕生した娘を殺害するという年賀状が舞い込み対応する案件。
この2件は、結果犯罪絡みになるが、もう1件がいかにもありそうな案件、しかし犯罪にはつながらない案件なのだが一番印象に残った。

 住んでいる地区で私に自治会長が回ってきた。

地区にはゴミステーションが6か所あり、週2回ゴミ収集車が回収にまわってくる。このゴミは燃えるゴミ収集。リサイクル用の燃えないゴミの収集は月2回別のゴミ収集場で収集が行われる。

 このうち燃えるゴミ収集は、収集が終わると、自治会長がステーションパトロールを行う。
収集車が回収しないで置きっぱなしのゴミがあるから。それは、収集袋に燃えないゴミが混ざっている場合、回収時間外にステーションにゴミを投機したもの、市の指定袋以外の袋にゴミを詰めたもの。

 これらのゴミが放置された場合、ゴミを回収して、燃えるゴミと燃えないゴミを分別して正しく入れ替えたり、回収時間外に廃棄されたゴミは我が家の庭に回収して、次のゴミ回収日に私がステーションに持ってゆく。それから指定ゴミ袋に入れなおす。

 そして時には、捨てたゴミの中からルール違反した家がわかることがある。その場合はその家にゴミを持って行き、注意をする。これが辛い。同じ隣近所で、関係を悪くしたくないから。

 この作品で「何でも相談室」に、いつも家の前にゴミが捨てられるから何とかしてほしいという電話がある。えーっこんなことまで警察が対応するのかと思うのだが、小早川、寺田の名コンビが、小早川の推理により夜中から夜明けにかけてゴミ捨て犯が現れるのではということで、クレームしてきた家の塀際に車を止め張り込みをする。そして午前3時にゴミすてにやってきた犯人を確保する。

 で、これ、徹夜で張り込みして犯人を確保したって、事件にはならない。大変だ「何でも相談室」所属の刑事は。そこに自治会長経験の私は共感してしまう。

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富樫倫太郎  「生活安全課0係 スローダンサー」(祥伝社文庫)

 生活安全課0係シリーズ4作目。このシリーズ1作目「ファイヤー ボール」は勢いがあり面白かった。

 この作品の0係というのは通称「何でも相談室」と言われ、市民の相談や苦情に調査して対応する、あってもなくても良い係で、警察を退職してもらっても構わない吹き溜まりの人間が集められた係。

 ここに、東大卒のキャリア警察官ですでに役職が警部である小早川冬彦が流されてくる。この小早川、人の仕草、表情をみて、即座にその人のプロファイルを言い当てる才能を有する。更にどんな相談も真面目に取り上げ、徹底的に分析調査を行う。1作目の家の塀にいつも立小便をする男がいて困るなんて苦情。警察が取り上げるようなクレームでは無いのだが、現場にすぐに赴き調査聞き込みを行う。この捜査の相棒がまったくやる気のない吉田高虎刑事。このコンビが最高に面白い作品。

 一作目は熱が作品から迸っていたのだが、4作目は殆ど熱は無くなり、コンビの面白さも通りいっぺんの作品になってしまった。4作ともなるとこんなにエネルギーが無くなるものかと驚いた。

 作品は「何でも相談室」に女子学生が現れ、自分の親友がガソリンをかぶって焼身自殺をはかったと警察捜査で結論つけられたのだが、実際は殺されたのではないかと思うので再捜査をしてほしいとの依頼をする。

 当然警察では、捜査となれば、捜査1課が担当することになるのだが、自殺と結論つけられているので、捜査は行わない。仕方なく、小早川、吉田コンビが捜査を開始する。

 死んだのは、高橋真美という学生なのだが、この高橋真美、肉体は女性だが、心は男性という性同一性障害人間。そして、相談に来た学生倉木香苗は、男としての高橋真美に恋していた。一方、高橋の苦悩に親身になって相談にのっていた高校時代の大島先生は女性としての高橋を恋していた。これに友達として猫田という学生が絡む。

 話は平凡で、結論も普通。小早川の個性、特殊能力も発揮されない。富樫らしくない平凡な作品だった。

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富樫倫太郎   「信長の二十四時間」(講談社文庫)

 歴史は年表に従い、その時何が起こったのか我々は事実を知ることができる。しかし、それがどうして、どのようにして起こったのかは、多くは想像の域にはいる。歴史の権威者や司馬遼太郎のような大作家が提示したことが、ほぼ真実として認識させられる。

 しかし、真実がわからないことが、作家の想像力を膨らませ読者に提示される。その想像力の天才の提示が、多くの読者の魂を震わせ、魅了させる。そんな作品が紹介した作品である。

 この物語は、明智光秀が起こした謀反「本能寺の変」をテーマにしている。本能寺の変が起きた24時間を描く。しかし、そこに入る前に物語の半分を割き、明智の謀反が起こるまでを描く。

 信長に忠誠を誓う3人の武将がいる。明智光秀、徳川家康、豊臣秀吉である。信長は3人に絶対服従を強制し、少しでも不信、疑惑があると、問答無用で殺害をする。ということは、3人は命の常に危険にさらされながら、日々信長と接することになる。

 これは、富樫の創作なのか、真実のことなのか知らないが、3人が信長に強い不信を抱いていたことがある。今までの幕府は、朝廷、天皇から征夷大将軍に任じられ、天下や大名を統制して、国を治める。

 ところが信長は、朝廷のトップ上皇につき、天皇、朝廷を支配、しかも大名を廃止し、朝廷から人選して、各地方のトップに任じ、そして大名の土地と配下の人間を全部信長のもとにおくという体制を敷くことを目指す。ということは、明智、秀吉、徳川は領地、領民を失う。これに驚愕、そして、3人はそれぞれに信長に対し反駁する気持ちが強固になる。

 次に、織田家が行った数々の戦いで、織田が敗北した戦いがある。伊賀国と戦った天正伊賀の乱、その最初の乱ここに信長は次男信勝軍を送ったが、信勝は敗退。その後、信長自ら出陣して、伊賀を徹底的にうちのめす。結果伊賀は壊滅したが、残党がわずかに残り、そのうち百地党は、信長に復讐を誓い、一方藤林党は信長に忠誠を誓い、服部は伊賀を離れ、三河家康に忠誠を誓う。

 3つに別れた忍者と、3人の武将、信長、更に朝廷の思惑が重なりあって、本能寺の変に突入する。

 本能寺の変は秀吉の陰謀で、それを引き回したのが伊賀忍者という発想がユニークで、しかも戦いは異常な緊迫感に包まれ、興奮が止むことがない。文章も短く切れ味があり、本当に面白く感服した。

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永田夏来   「生涯未婚時代」(イースト新書)

 この本、出版年が2017年。変化の激しい昨今、そのため内容が少し古いかもしれないが、読んでの感想を紹介する。

 1980年までは、生涯未婚率は5%内外で推移してきたが、2015年には男性23.4%、女性14.1%に上昇。今や、結婚しないまま生涯を終える人は特殊ではなく、当たり前のことになってきている。

 確かに地方都市に住んでいる私、まわりを見渡しても特に未婚で中年の男性がたくさんいる。不思議に女性は学校をでて、都会に行く人が多く、若い女性の姿があまりみられない。

以前は結婚は当たり前で、社会からの重圧もあり、中国やフィリピンなどの女性と結婚した男性も多かったが、未婚も一つの人生のありかたという認識が広まってきたのか、国際結婚も少なくなった。

 で、活発に活動する女性に対し、元気が少し足りない男性が、女性に巡り合えなくなって、結婚が困難な時代となったのかと思うのだが、現状は少し違うようだ。ある女性が言う。

「私が完璧に家事をやって、仕事から疲れて帰ってくる夫のサポートに徹していれば、夫もあそこまで荒れなかったかもしれないです・・・でも、ちょうど私も昇進して仕事が忙しくなってきた頃で、家でごはんを作って待ってて欲しかったのは、私も同じだったんですよ。」

 もう今や、女性も社会や会社で働き出世してゆく時代。

独身を貫いてきた女性から、結婚披露宴の招待状が最近きた。彼女は部長まで務めた女性。
今は65歳で相手は70歳。彼女は今までずっと恋愛をしてきた。多分相手の男性も同じ。

どうして、今になって結婚するのだろうと思っていたら、もう新たな恋愛をすることは無い。人生最後くらい、信頼できるパートナーと暮らしたいとしみじみ語ってくれた。

 この作品を読んで少し驚いたのが、今の男子高校生でセックスに関心のある割合が、10年前に比べ大きく減っているそうだ。本当に社会は至る所で変化している。

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池田清彦   「バカの災厄」(宝島新書)

 我が家では、猫2匹と犬1匹を飼っている。犬も猫も同じように可愛い。で、人間と彼らが違っているのは、言葉と言葉によって表される概念というものが犬、猫にないことだ。

 例えば、人間には一人、一人名前がついている。名前というのも概念である。犬に「コロ」という名前をつける。飼っている家族がコロと呼ぶと、犬は尻尾を振ったりして反応するが、家族以外の人がコロと呼んでも反応しないことが殆ど。犬は呼ぶ人の表情やイントネーションに反応するのであって、自分はコロであるという認識はない。

 言葉、概念が無いから、犬や猫には死ぬという概念は無い。人間は死が近くなると、「死にたくない」と、死を恐れる。犬猫は、体の調子が悪くなったくらいは感覚で認識するが、死という概念が無いから、死ぬという認識は無い。例えば認知症の人は、概念が消えていくから、死への恐怖も少なくなるか、消滅してゆく。

 しばしば、科学は真理を探究する学問と言われるが、そこで真理と称されるものは、今現在でいえば「暫定的」に真理ということで、将来も真理となるかは不明。科学によって、今までの真理にとって代わる真理が生まれることもしばしばある。

 蝶は、花から花へと舞うが、白い花ばかりを目指すそうだ。というのは、白い花が一番蜜の量が多いと本能的に刷り込まれているからだ。もし蝶の中で変わり者がいて、赤い花のほうが蜜が多いとわかると、みんな一斉に蝶は赤い花を求めるようになるか、そうはならない。そんな変わり者は発生しないから。

 人間は概念を持つ。そして中には自分の概念とその解釈が絶対正しいと信じ、他の概念解釈を徹底的に排除する人がいる。こういう人を著者池田はバカと定義する。

 概念や解釈は多く存在するし、場所、時代によって常に変化する。この概念は別の概念と比較され、よりベターなものに変化する。この概念と別の概念とのすりあわせのためにコミュニケーションがある。このコミュニケーションが否定された世界は恐怖の世界である。

 少し話は変わるけど、子供は女性しか産むことはできない。ジェンダー平等だからと言って男性が子供を産むことはあり得ない。男ばかりに力仕事をやらせるのは不平等といって女性にもやってもらおうなんて思う人はいない。つまるところ、コストパフォーマンスを考え、男女の違いを利用することが、ジェンダーフリーを正しく進めてゆくことになる。

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伊岡瞬   「奔流の海」(文春文庫)

 感動的な人間ドラマ。しかしミステリー作家第一人者の伊岡ゆえ、質の高いミステリー作品にもなっている。

 物語の時代は1988年。そして物語の起点は、20年前の1968年。その年、7月。静岡県の清水に近い千里見町に台風が襲い、町の中心を流れている千里見川が氾濫、大きな土砂崩れが起きる。その時、製材屋をしていた有村家は両親と生まれたばかりの長男アキヒロ3人で嵐の中、三島にいる父親の弟の家に避難するため家を出る。しかしその道程で、土砂崩れが起き、道が通れなくなる。そのため、車から出て、避難中継地まで歩くことになる。その途中で母親がアキヒロを落とし、アキヒロの行方がわからなくなる。

 そのアキヒロは捜索していた消防団員により、救出されたのだが、同じような状況で別の赤ちゃんが不明になっていた、それでアキヒロは別の夫婦に渡されて20年後を迎える。

 アキヒロの名前は津村裕二となっていた。

その津村が、千里見町に現れ、すでに廃業した旅館清風館に、宿泊させて欲しいと懇願。清風館の女将が了解して宿泊することになる。この清風館には高校3年の娘千遥がいた。

 アキヒロは、間違えて父親になってしまった男に車への当たり屋を強制され、いつもケガが絶えず、やがてこの当たり屋がばれ男が逮捕され、母親も逃げたため、保護施設に預けられる。ここに、アキヒロを養子にしたいという坂井が倉持という弁護士とともに現れ、アキヒロは坂井裕二となり、坂井に引き取られる。坂井は独身で豪邸住まい、女中の鈴村と2人で生活していた。

 物語はアキヒロが津村家の息子となり、その後、20年間どんな生活をして、何故20年後に千里見町の清風館に宿泊にやってきたのか、この過程を、清風館の娘千遥との交流を含めて描かれる。

 その際の狂言回しとして大事な役割をする男矢木沢が登場する。

実は矢木沢も不幸なもとに生まれ、児童養護施設に育ち、そして坂井が登場して、坂井の仲介で矢木沢家の養子となる。実は、坂井は児童養護施設から5人の子供を引き取っていたが、自分の子供にしたのはアキヒロのみで、後はすべて別の家を養子縁組として紹介していた。

 矢木沢は何故アキヒロだけが、養子として坂井に引き取られ優雅な生活を送れるのかを調査して、その真実を徐々に明らかにして、その都度その理由をアキヒロに教える。ここが、上質なミステリーとなっていて、読者を離さない。うまいものだと感心する。

 現在、能登半島地震が大災害となり、死者不明者がたくさんでている。今はDNA鑑定をして、死者、被災者の本人確認がなされるから、取違など起きないとは思うが、しかしそれでも心配になる。

 それから、アキヒロが、父親から強制され走ってくる車に飛び込むところは、悲しさがこみあげてきてたまらなくなった。

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井上淳    「夜より重く」(徳間書店)

 ハードアクション小説。作者井上淳は、「懐かしき友へ」で第2回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞している。

 国際テロリスト組織PTSとFBIの銃撃戦の中で、娘と孫娘を失った大富豪ガートランドは、かって娘の夫だったベトナム戦士ダリル・ローズに復讐を依頼する。娘と孫娘の命を奪ったのはPTSテロリストの日本人、中原洋祐。

 この中原の父親は日本のマスコミ王で、政界を裏で操っている巨魁鹿沢洋一郎。鹿沢はPTSの拠点のあるロンドンにいる中原をPTSから奪還することを殺し屋岩動漣に依頼する。岩動は中原の奪還に成功する。その結果、岩動とローズの最後の戦いの舞台は日本となり、鹿沢の北海道の山麓にある別荘で死闘を繰り広げる。

 多くの種類の銃や、武器が登場する。しかし、知識の皆無な私には銃の説明をされてもチンプンカンプン。激しい戦いの場面でも、気持ちが高揚することは全くなくて弱った。

 作者井上は私より一歳年下の同世代。私の学生時代はベトナム戦争が行われていて、悲惨な内容が毎日報道があり、ベトナム戦争反対デモが毎日のように各地で行われていた。

 ローズを作り上げたのはベトナム戦争。その只中を、ローズは必死にかけぬけた。
さすが作者井上、ベトナム戦争の中に巻き込まれたローズの姿を本当にリアルに描いている。アメリカがベトナムに負ける直前の描写だ。強烈な印象が残った。

「ローズはバーンズを背負って、ひたすら木立を縫って歩き続けた。
 肩からの出血が、容赦なく彼から体力と熱を奪いとってゆく。
 バーンズはぐったりと、彼の背中につかまっていた。ときおり体をひきあげてやらなければ、そこからずるずると滑り落ちてしまうようなありさまだった。ローズは木の皮をはがし、柔らかな樹皮を噛んだ。昆虫の蛹を探し出しては、それを食い、体液を吸った。けれどもそんなものは、かすかな気休めにもなりはしなかった。飢えと渇きは、かえって増すばかりだった。」

 これは、私の世代の人にしか書けない。

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堂場瞬一    「異境」(小学館文庫)

 堂場はたくさんの小説を書きすぎ。

主人公の甲斐昭人は大手紙「日報」の本社社会部に勤務していたが、上位者と衝突して、横浜支局社会部に異動させられる。異動して支局に出社した日に、同じ支局の社会部記者二階が、無断欠勤で行方がわからなくなる。この二階も、個人活動がひどく、社会部で浮き上がって、嫌われていた存在。

 3日たっても、二階は現れず、二階の部屋は、荒らされていてもぬけの殻。支局は警察に届けると同時に、特に記者としての仕事がない甲斐に、二階の行方を突き止めるよう指示する。一方警察も部屋の捜索はしたが、二階の行方を調査することはほとんどせず、若い女性刑事浅羽翔子をあてがうのみ。

 この作品、500ページ弱の大長編。ところが、物語の半分まで、失踪の真相に近付くような事象は全くといってよいくらい描かれない。

 何の動きのないミステリーを200ページ以上も読まされるのは本当に辛い。

更に後半、真相に近付く出来事が描かれだす。
しかし、その内容も薄く、一向に緊迫感が無く、盛り上がらない。

結末も、外国人グループが車の窃盗を働き、窃盗車をアジアやロシアに輸出。その際に犯罪を摘発されないように、警察に裏金を渡すという、平凡な内容。

もっと創作頻度を減らし、内容や構成を吟味したうえで、作品を発表したほうがいいのではと思った。

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| 古本読書日記 | 05:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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