垣谷美雨 「あなたの人生片づけます」(双葉文庫)
のっけから驚愕する。その大げさぶり。
主人公の春花が帰宅して1LDKの部屋を見回す。
「そこには、空き箱、レジ袋、ブラウス、毛皮のコート、紙袋、ボールペン、裾に泥がついたままのジーンズ、段ボール、封書、ワンピース、雑誌、クリップ、布団乾燥機、ホッチキス、写真、ジャケット、薬箱、ハンガー、再訪箱、セロテープ、靴下、バスタオル、本、工具箱、値札のついたままの帽子、毛布、ポケットティッシュ、サングラス、髪の毛がついたままのヘアブラシ、ネックレス、CD、スカーフ、黒の礼服、造花、ガムテープ、またしてもホッチキス、化粧ポーチ、バンドエイド、ホットカーラー、ぬいぐるみ、茶色いバッグ、青いバッグ、乾電池、アイロン台、霧吹き、コピー用紙、便箋、ノート、手鏡、カレンダー」
すごいゴミの山。そして、南側の窓の外には出窓があり、そこまでは獣道ができている。
そして別の物語、主婦の主人公三枝泳子。十萬里の指導で高額品を骨董屋に引き取ってもらう。
泳子が聞く。
「結局、全部でいくらくらいになりますか。」
骨董屋が答える。
「衣服が段ボール5箱分、新品の引き出物、新品の鍋とフライパン、掛け軸と陶器類、布団16組、羽枕が16個、座布団50枚、電子レンジ2台と冷蔵庫1台で・・・だいたい全部で5万円くらいですね。」
「えーえ、5万円。そんなに安いの。」
「えー、特別安い価格です。」
「何!安いって。」
「そうです。引き取り料です。」
何!買取価格じゃないの。目が丸くなる。
と、物語の最後はこうなってしまう。日々、断捨離、清掃をこころがけ実行しましょう。
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| 古本読書日記 | 05:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑