みうらじゅん他 「清張地獄八景」
「「主人公と犯人が崖の上で相対する」というベタなシーンの原型」と書いていますが、
みうら氏もそこを熱く語っています。
現場まで取材にも行っているし、他の人との対談でもこのネタをねじこんでいる。
執筆部屋が再現されている記念館は興味があります。
が、北九州は遠い。飛行機使わなきゃ行けない。
退職するか、気楽に三連休とれる状況になったら、行ってみたいですね。
(ついでに、大宰府で飛梅を見てみたい)

北村薫氏と有栖川有栖氏は、あんなのトリックじゃない、必然性がないとツッコむ。
「点と線」のあれが有名だし、堅くなったフランスパンが凶器だし、
本人もトリックの一覧表を作っていたそうです。
奇抜なトリックより、動機やドラマで読ませるものが多い印象ですね。

大極宮のトークショーは、大沢氏が「自分の本を読んでくれ」とか、
「自分は清張氏と違って夜は執筆せず、ネオン街へ取材に行く」とか、
なんか……うん、あまり松本清張について語っている印象がない。
一応、「今の時代に、清張さんのような作家が出るだろうか? 待っているぞ」
という雰囲気にはなっているけれども。

岩下志麻が、「鬼畜」の撮影で子供を虐待する役にのめりこみ、
子役に本当に嫌われたとか、バランスとるため自宅では我が子を甘やかしたとか、
テレビで見た知人の子に「おばちゃんひどい」と本気で非難されたとか、
そういうエピソードは面白かったです。
押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」
「拐帯行」の主人公のように、踏みとどまって戻ってくる登場人物もたまにいます。
「女囚」のように、乱暴者でごくつぶしの親父を殺して本人はすっきりだけど、
遺された妹は「加害者親族」として「生き地獄」ということもある。
「熱い空気」のように、調子に乗ったいたずらで転落することもある。
なるほど。
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