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2014年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年07月

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三浦綾子  「泥流地帯」 (新潮文庫)

三浦綾子  「泥流地帯」 (新潮文庫)
これでは物語にならない。
十勝岳のふもと上富良野の貧しい開拓地。小作人の貧しい家の生まれの耕作。同じ貧しい家で生まれた福子は、借金のかたに悪徳商売屋の深城の遊郭に売られてゆく。福子は耕作の兄拓一に恋心を抱いている。また深城の娘節子は耕作が好き。小学校には優しいあこがれの菊川先生。しかし菊川先生の後は益垣先生。そんな人々が重なり合ったり、支えあったり、憎しみあったりして物語が400ページまで進む。ああそうか、そりゃあおかしいとその重なりあいやいがみあいを物語に感情移入して読み進む。
 その後、大正15年5月の大噴火。その火山土が泥流となり上富良野を飲み込み完全に破壊して流れ去る。重なり合いも、いがみあいも、恋も勉強も遊びも数分ですべて破滅させてしまった。これまでの物語はいったい何だったのか。
 耕作や拓一など、極少数の人を除いてみんな死んでしまった。東北大地震を彷彿とさせる。この後、この作品の続編を読む予定。またまたいろんな人生物語を読まされた後、一瞬にして消滅させることがないことを切に望む。

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三浦綾子  「雪のアルバム」(小学館文庫)

三浦綾子  「雪のアルバム」(小学館文庫)
主人公章が語る物語最後にあたる言葉が重い。
「二度と罪を起こさないなんて、そんなこと、誰にも出来っこないよ、そんなの人間じゃないよ。人間というものはね、言ってみれば存在そのものが罪なのだ。今天使のような心を持っていたとしても、一分後にはふっとよからぬ思いが胸をかすめる。」
全くその通りと思う。
 だけどそのすべての人間の罪をイエス キリストが背負って代わりに死んでくれたというのはあまりにも飛躍が大きすぎて、信じろといわれても、凡人の私にはできない。

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三浦綾子  「命ある限り」(角川文庫)

三浦綾子  「命ある限り」(角川文庫)
前にも書いたかも知れないが、三浦の処女作「氷点」は、ものすごい売れ行き、映画にもテレビドラマにもなり空前の「氷点」ブームを起こした。これにあやかってできたテレビ番組がかの「笑点」である。この作品で、三浦は笑点の出演依頼があったことをあかしている。
 へえ、出演すればよかったのにと心底思った。
 この作品を書いた1980年ごろには三浦は障害者3級になっていた。常に体の状態と戦いをしながらの作品を創る。
 三浦の作品が素晴らしいのは、夫、光世の献身的な綾子への愛があるからだと思う。綾子は抑制して自らのことを書くから、おしとやかな性格のように思えるが、結構わがままで、個性も強烈な人だと思う。身体が弱い綾子の執筆に代わって名作「塩狩峠」から光世の口述筆記になった。
おそらく口述しながら光世が、文章や作品の内容の改変を意見していると思う。
 光世の深い優しい想いが、綾子の作品には溢れている。綾子の作品は、綾子、光世の合作だと思う。光世は木が大好きで、生きがいを持って営林署に勤めていた。綾子の要望で(私には少しわがままに思われるが)好きな職場を離職した。その時、光世は悲しく寂しかっただろうと思う。

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三浦綾子 「夕あり朝あり」 (新潮文庫)

三浦綾子 「夕あり朝あり」 (新潮文庫)
日本で初めてドライクリーニングを行った「白洋舎」創業者、五十嵐健治の生涯を描く。
特に明治中期、ドライクリーニングを研究開発して事業化したところは迫力があった。水洗いが普通の時代、蒸すことによって洗濯をさせる。試行錯誤の末、ベンジンに到達する。しかしベンジン、効果はあるが、工程で発する匂いが臭くひどい。ここを克服する過程がすごい。
 五十嵐の人生には、苦難、成功、苦難、成功がいれかわり出現する、苦難になれば神が与えた試練、成功は神が与えたご加護とすべてがキリスト教につながる。自分の発想や力でなしとげてきたことはなく、すべて神に導かれた結果と信じる。
 この作品はいかにキリスト教が絶対的なものとしてあるかを五十嵐を通じて描く。何しろ普通は功なりとげた経営者は自伝を残したくなり、執筆を作家などに高額金をもって依頼するが、これは三浦が強く頼んで五十嵐の了解をとりつけその生涯を描いている。
キリスト教のすごさが物語全体に貫く。

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「にゃんそろじー」(2)

後半。覚書みたいなものですな。

「怪猫物語」:猫そのものより、「朝食のハンバーガーが知らない猫に食べられちゃった」と書き残す娘に驚いた。しゃれた一家だ。
「猫と暮らす」:蛇の代わりにトイレットペーパーを狩る猫。そういえば、うちの猫がトイレットペーパーで遊んだことはあっただろうか。
「ネコ染衛門」:ネコを染めるなんてかわいそうでは(ーー;)
「白猫さん」:あまり印象の残らない短編。
「猫についてしゃべって自死」:可愛い猫の食べ物を「えさ」なんて呼べない、という話は聞いたことがある。「匹」じゃなくて「人」というのはちょっと無理。
「猫」:じいやも、猫たちを本名で呼びます。いや、「ちこちゃん」(ちこり)くらいは言うかな。私と母は、「ちこぱん」「ちこ」「ちこたん」「ちー」と自由ですが。
「生きる歓び」:で、この助けた子猫はどうなったんだろう。エッセイ風だけれど、小説だろうか。
「猫の自殺」:プラダの首輪しかつけない気取った猫の描写が、村上さんぽいと思う。
「モノレールねこ」:いい話だと思う。でも、都合よすぎる展開だとも思う。猫の首輪を介してできた友人とあえないまま終わるほうが、好みだな。
「漱石夫人は占い好き」:くるねこさんの胡ぼんも、黒い爪があるらしい。胡ぼん自身がそれを自慢に思っているという内容の漫画もあった。私は、飼猫の爪なんてじっくり見たことないな。

猫エッセイとしていいと思うのは、井伏鱒二とか金井美恵子とか光野桃とかですね。
関係ないけれど、著者紹介を読んでいると「作家の一族」みたいなものがあるのだと思う。並んでいる著者の中にも親戚同士がいるし。

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「にゃんそろじー」 中川翔子編 (1)

先日買った本です。漱石に始まって、漱石夫人の回想で終わる。
どれもそれなりに面白かったです。
「猫の墓」:墓標までつくるとは。この墓標は、最後の話でもネタにされています。
「猫の事務所」: 嫌いな同僚について、本人がいないところで上司にあることないこと吹き込む。ありそうだわ。
「黒猫」:樺太のオオヤマネコについてググって、ツシマヤマネコの写真までたどり着きました。尻尾がフサフサで、思ったより可愛かった。
「小猫」:「秋の猫」という小説にもこんなくだりがあった。可愛がるようになると、猫の顔つきも変わる。
「猫」:この作者の猫との関わり方が、一番男らしい気がする。この後で内田百閒を読むとなおさら。
「クルやお前か」:猫のために毎日ドクトルを呼ぶ。ちょっと引いてしまうくらいの入れ込み具合。
「猫」:猫から赤ん坊への連想。遠藤周作は、女に優しい目を向けるような小説も書くんだな~と。
「ふしぎな猫」:確かに猫は出てくるけれど、道具でしかない。
「雲とトンガ」:あんまり、人間相手のように話しかけるものは好きじゃない。
「聖ジェームス病院を歌う猫」:オチには納得。でも、ちょっと残虐だし、猫のよさはないかな。

前半はここまで。

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「ハチ公の最後の恋人」吉本ばなな

これも、じいやの本棚には2冊あります。

わかったような、わからないような、いい話のような、そうでもないような。
特殊な家庭で育ったヒロインが何かを悟り、強く生きていこうとする。よくある言い回しだと、「魂の再生の物語」ってやつだろうか。私が彼女だったら、自分の子供を産み育てようという気にはならないと思います。
ハチと別れるところで終わらず、その後のヒロインの過ごし方が数ページ書かれています。それも「栗」というサブタイトルつき。
蛇足だと思ってしまうのは、たぶんこの話を理解できていないからなんでしょうね。

<私は「そんなことあるわけじゃない」と、これからは言いにくいことになってしまった>
という文である章が始まっていたり、
<永遠に消えない。夏の、奇跡の抱擁を。二人だけで、二人きりで。>
とポエムっぽく段落が締めくくられていたり、なじめないところも多かったです。
吉本さんの本は十代のころ何冊か読んでいて、久々に手に取ったのがこれだったのだけど、もやっとして終わってしまいました。

あ、登場人物の一人の、「私はそこでひとりだけという存在になるためならなんでもする」というセリフは何となく気に入りました。

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三浦綾子  「自我の構図」(講談社文庫)

三浦綾子  「自我の構図」(講談社文庫)
三浦は、そもそも人間は嫉妬エゴの塊だと言う。それを、特に家族、夫と妻、姑と嫁、子供と親との醜い確執に表し徹底的に描く。
 人間は人間をせねばならない。結果家族ができる。その結果確執が起こる。でも、三浦がいうほどに家庭、夫婦は確執ばかりなのなら、三浦が前提としている結婚などせねばいいのにと思う。なぜ人間は結婚せねばならないのか、そこに明確な答えが三浦からはない。この作品でも、確執が続くなかで、結婚はなぜするのか、以下のように蒼竜に言わせる。
「男と女の約束ちゅうのも大事なんだよ。これがいわば社会の基礎だ。結婚はね、これは契約だ。約束だ。男と女が、一つの家庭を築いていこうという、いわば一生をかけての仕事だ。」
で、なぜこんな大変な一生をかけての苦難の仕事をせねばならないのか。苦難であるならそんな仕事はする必要がないと思われてしかたがない。

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三浦綾子  「ナナカマドの街から」(角川文庫)

三浦綾子  「ナナカマドの街から」(角川文庫)
会社にいたころ、同僚に毎週水曜日は帰宅せず、そのころできたばかりのホテルで一夜をあかす人がいた。奥さんが浮気を疑って、突然部屋を訪れたが、部屋は本やら下着がちらかり
とても浮気をしている雰囲気は無い。
 拘束されていると感じている会社や家庭から週一日は解放されたい。思い切り、自由で体をのばして暮らしてみたい。
 それでホテルに泊まる。自由になったからといって、夜の街をあちこちと徘徊するわけでもない。ごはんと少しの酒をお腹にいれ、9時前にはホテルにはいる。それで、本を少し読むか、ボーっとテレビをみているだけ。自由はどこか孤独で物悲しい。

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三浦綾子  「天北原野」(新潮文庫)

三浦綾子  「天北原野」(上)(新潮文庫)
三浦綾子  「天北原野」(下)(新潮文庫)
力作である。大長編でもあるし、読み応え十分。
苦悩を背負う象徴として孝介、貴乃がでてくるが、この2人が苦悩を背負う原点が本当に衝撃的なわりに、それを背負う生き方が、自然でなく、どうして?という疑問がいつも頭にこびりついて離れなかったのは残念。
 特に孝介のあり方は不可思議。孝介は、完治の学校放火により、校長だった父ともども町から追放される。父は日高にゆき、失意脳溢血で亡くなる。孝介は当時貴乃と祝言をあげる約束までしていたのだが、完治と父の企みにより樺太へおいやられる。完治は無理やり貴乃を犯し、結婚を迫り実現する。
 6年後、網元として大成功を収めた孝介が、完治、貴乃の前に現れる。ここが不思議なのだが、孝介は完治の妹あき子を嫁に欲しいという。それについては、膨大な結納金や完治のために今の億に相当するお金を投資するという。
 これは何か孝介に策略があると読者は考えるが、全くそれはなく、むしろ横暴な完治にふりまわされ孝介は苦しい道を歩む。この孝介のありようを受け入れる読者にはとてつもない人間ドラマを突き詰めた作品に思えるし、ここでつまずく読者には大きなわりきれなさだけが残る。

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吉村昭  「桜田門外ノ変」(新潮文庫)

吉村昭  「桜田門外ノ変」(上)(新潮文庫)
吉村昭  「桜田門外ノ変」(下)(新潮文庫)
吉村でなければ書くことができない作品である。
井伊直弼を殺害するために水戸藩を脱藩して決起した18人の武士。桜田門外でその計画は行われ成功。しかし、その場の殺された者、その後捕獲されころされた者殆どすべて、たった一人殺害指揮者だった関鉄之介だけが生き残った。関は直弼殺害後、決起することを確約してくれていた薩摩藩に頼るため、江戸から薩摩の手前まで逃亡する。しかし薩摩藩は決起するどころか、鉄之介の薩摩領内へ入ることを拒否する。
 いろいろあったが、とにかく維新後鉄之介は、警察官僚として生き、明治36年76歳で亡くなる。この作品執筆中、すでに健在ではなかったが、鉄之介の孫の関勇の妻がまだ健在だった。妻は勇氏から祖父や父のことをたくさん聞いていたし、資料も提供してくれた。吉村の凄いところは、江戸末期に起こったことについて、その時代を生き抜いてきた人の生の話を聞いて育ってきた人を探しだし、物語をつくることである。吉村にとって江戸はそれほど遠い時代ではないのである。
 さらに桜田門外ノ変後、鉄乃介が薩摩まで彷徨った町々を、痕跡があることを信じて自ら訪ねていることである。この粘り強さと誠実な姿勢が傑作を生む。


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百田尚樹  「プリズム」 (幻冬舎文庫)

百田尚樹  「プリズム」 (幻冬舎文庫)
これは好き嫌いが読者にはっきりと出る作品だろう。
「ジキル博士とハイド氏」のような全く違った人格を持ったひとを解離性同一性障碍者という。ジキル博士の場合は異なった人格は2つだけだったのだが、この作品に登場する広志は最高で12の人格を有していたが、物語ではその人格が統合されて5つまでになっていた。広志、卓也、タケシ、純也とか色んな人格がいれかわりたちかわり現れる。面白いことに、それぞれがやっていること、遭遇したことは、互いに全く記憶がぬける。肉体は同一なのだが、5人の別な人間がいるという状態。
 物語の主人公の聡子はこのうちの卓也に恋をする。このことがきっかけで進藤という精神科医により元の広志に他の4人が統一されていくことになる。そうすると恋していた卓也が消滅してさて聡子はどうなる?ここが読み応えのあるところ。
 発想は面白いが、卓也だけに心が惹かれるところにかなり飛躍がある。なぜ他の人格者では恋心を抱かないのか。5人の別人格のうち一人を愛してしまう状況が面白いというところに引きずられ、肝心な恋が生まれる背景が安直すぎ、作品が薄っぺらになってしまっている。でも、SF的なところに興味があるひとは面白い作品と高い評価するかもしれない。


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池井戸潤  「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫)

池井戸潤  「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫)
倉田家のありよう、設定がうまい。全くどこも突出していることがない典型的な一般家庭。つつましい暮らしをしている。
 この話は、どんな平凡な一般家庭でもある日突然魔の手が忍び込んでくることがあることを読者に教える。また、正しい、不正ということは、物の見方で変わり、いかに言葉というものは力なくむなしいものかを教える。正しい、不正は権力があるかないか、強いか弱いかで決まり、言葉では決まらない。2000万円の会社からの不正詐取をする真瀬営業部長とそれを摘発しようとして疎まれる倉田。平凡人生の倉田が追い込まれていく姿が悲しい。
 作品はミステリータッチで面白い。しかし、家庭に忍び込む魔手と会社での不正を追及することと、結局は2つの事件がつながっていないという結末にちょっと失望。


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石持浅海  「彼女が追ってくる」(祥伝社文庫)

石持浅海  「彼女が追ってくる」(祥伝社文庫)
作者の名前がいろんな本が並んでいるなかでお客を引き付ける。いかにも魅力的小説を書いていそうな名前だ。そして、これで4回目。いつも名前にひかれ、そして後でガックリ。
またやってしまった衝動買い。
 最近よくあるミステリーパターン。犯人が元同僚を殺す場面から始まる。そして、証拠を消滅させる。
 そして、犯人も加わって、事件を推理してゆく。黙っていればいいものを、犯人も加わっているので、犯人が事件についてしゃべる。そこにスキができ、ほんのすこし余計なことをしゃべってしまう。するどい素人探偵もどきの人がそこにいて、反応する。そして、犯人があぶりだされる。この作品で、少し斬新だと思ったのは、殺した犯人も、殺された被害者も、どちらも相手を殺そうと思っていたこと。

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三浦綾子 「雨はあした晴れるだろう」(角川文庫)

三浦綾子 「雨はあした晴れるだろう」(角川文庫)
晩年の中短編作品集。
「茨の陰に」が考えさせられる。ペンの力とはどういうことを言うのだろう。
最近の朝日新聞はどこか昔と違う。新聞は中立なんてことはありえないのだから当然新聞のもつイデオロギーや思想を全面にだすことは間違ってはいない。
 しかし、最近は一面トップに、集団的自衛権に対して、特別機密保護法に対して、ある偏った市民の声を、特定の考えを持った識者の声を、特集と銘を打ってもってくることがしばしば。新聞記事とは思えない。 一面トップは朝日の思想ではなく、まずは客観的に書かれた記事であるべき。思想や考えは2面以降思う存分執筆すればいい。
 ここにペンの力の思い上がりがある。客観的に淡々とまずは書くことがペンの力の源である。

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アンソロジー 「隣」(百年文庫)

アンソロジー 「隣」(百年文庫)
小林多喜二、十和田躁、宮本百合子、それぞれ一篇ずつの短編、中編集。
どれも味わい深い作品ばかり。十和田の作品は、子供は、それほど純真なものでなく、嫉妬もあるし、物言いも大人とおなじようで、位により上下の関係もある。子供を描写するが、登場人物を苗字で表現。リズムある文体だが、苗字表現が子供話であるが、大人世界の話のように思わせる。
 宮本百合子の作品は最後の勇吉に電話をかけるサイの場面が鮮やか。戦争中か戦前の話。
電話がまだ一般には普及していない。電話は今で言えば日本から南米の国にかけるとおなじくらい遠く感じる。勇吉の受け答えと安否を心配して懸命にかけている姉の必死さが遠いきれてしまいそうな雰囲気が実にうまく描かれている。

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三浦綾子  「小さな郵便車」(角川文庫)

三浦綾子  「小さな郵便車」(角川文庫)
三浦の作る物語で、三浦が読者に回答していないことに、なぜ人間は結婚し、夫婦、家族は添い遂げねばならないかということがある。特に結婚ということは、人間として誰もがせねばならないことで疑問の余地がないこととしている。
 酒乱の夫をもつ。そのたび暴力をふるわれる。避難もたびたび。それでも別れてはならない。妻は酒乱の夫に断酒させるよう懸命に努力すべきである。結婚後は苦難な道が続く。その苦難をお互いの力で克服し、互いを成長させ高めあわねばならない。
 チェホフが言う。「孤独を恐れるなら結婚するな」え?結婚とは孤独になることなのか。
こんな苦難、苦行の道だけが結婚後に残されているにもかかわらず、なぜ人間は結婚せねばならないのか。チェホフのこんな恐ろしい言葉をひく三浦はどうして人間は結婚せねばならないのか答えるべきだと思う。

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三浦綾子  「裁きの家」(集英社文庫)

三浦綾子  「裁きの家」(集英社文庫)
タイトルにある家とは家族のことだ。
三浦は書く。
人を殺すことは簡単だ。むしろ難しいことは共に生きるということだ、と。この作品は昭和44年の作品。このころは三浦の言葉が生きていた時代である。
 家族というものは、生きていく砦であり原点である。絆、結束、信頼の基盤である。
しかし、家族というものは、三浦もこの作品でいうが、見知らぬ同士が、たまたま汽車の指定席に乗り合わせたようなもの。
 行く目的地が違っていて、それぞれがその目的地に着けば一人欠け、また一人欠けというようになる。もちろん、昔は死ぬということで欠けることが殆どだったのだろうが、今は
母でも父でも、家族以外の人と恋をして、いとも簡単に家を放り出してしまう。それで子供も引き裂かれ、また別の指定席(別の家族)に座る。子供も自由だから、父、母を見限って早く指定席から抜け出ようとする。
 家族は人間関係をつくる原点で、結びつきが最も確固としているもの。そんな時代に成立する物語が三浦には多い。しかし現代は、家族という絆はたやすく崩壊する時代に突入している気がする。三浦の作品が読み継がれてゆく時代が続いてほしい。

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獅子文六  「コーヒーと恋愛」(ちくま文庫)

獅子文六  「コーヒーと恋愛」(ちくま文庫)
落語の人情物を読んでいるような気持ちになる。
最近の会社のオフィスは以前と比べ様変わり。電話はならない。会話の声が全くない。
社員は朝から晩までひたすらPCにしがみつき、会議や何かの資料作りか、会話の代わりにメールを受けたり出したりしている。PCのキーボードを叩く音だけが鳴り響いている。
 下手をすれば隣の人や上司にも会話でなくメールで用事をすます。一日生の会話をしないなんてこともあるかもしれない。そのことがいけないことだとは思わないが。
 この小説は、古き時代の人と人が面をつきあわせて生の会話をすることの良さや面白さ、そこから醸し出される人情や、気持ちの動きをあますところなく描き出している。
 それはノスタルジーとして思うことなのか、やはり人間は面と向かっての会話が肝要なのか、正直よくわからない。

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三浦綾子  「北国日記」 (集英社文庫)

三浦綾子  「北国日記」 (集英社文庫)
三浦は30歳のころ肺結核を病み、病床にて人生を悲観、死ぬことばかり考えて、5年間を過ごす。その時、西村久蔵という大神父に紹介されて将来夫となる三浦光世にであう。この光世がすごい人で、病床にある綾子に対し、「綾子の病気は必ず治る。治ったら結婚しよう。」とプロポーズをする。そして、5年の後退院を機に2人は結婚する。
 綾子は慢性病のカリエスを患っていて、文筆は難しい。殆どの作品は光世が口述筆記による。
 こんな状態だから、綾子は殆ど今の住所である旭川を離れたことはない。この日記でも、たった2回札幌に行っただけだ。それで、あれだけ構想が大きく、かつ深い作品を量産できたものだ。夫光世の、温かく、献身的な綾子への姿勢が、綾子の能力を開花させたのだと思う。

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三浦綾子  「果て遠き丘」(集英社文庫)

三浦綾子  「果て遠き丘」(集英社文庫)
昭和51年から一年以上「女性セブン」連載された小説。長い。600ページ近くある。
登場人物が個性的というより、三浦はかなりそれぞれの個性をデフォルメしすぎている。
だから、現実から少し遊離してしまっている。特に香也子の描き方がよくない。
彼女は子供っぽくかつ悪性の女性として描かれる。そして、つねにまわりの人間が自分より不幸でなくてはならないと思い、不幸にさせるべくいろいろ企み事件を起こす。
 でも、人の中には、何をやっても結果人を不幸におとしいれたり邪魔をしたりする結果になってしまう人もいる。年がら年中悪意で生き、人を貶めるという人は何か目的があれば別だが、継続してだれにしても悪いことをしようとする人はいないと思う。
 どうして私はいつも人に迷惑をかけてしまうのだろうと悩み悲しむ姿が香也子にもなければ、香也子に救いがなくなってしまう。

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中山可穂「花伽藍」

短編集で、表題作以外は女性同士のカップルが登場します。直木賞候補にもなったそうな。
新宿二丁目って、女が女をナンパする場もあるんですね。知ったからなんだということもないけど。

文庫は2冊ある。

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内容は同じですが、解説している人は違います。じいやがそれ目当てで買ったのか、うっかり同じものを買ったのかはわかりません。
新潮文庫のほうは斎藤美奈子さん、角川文庫のほうは酒井順子さん。

今回角川文庫のほうを読んでいって、酒井さんの解説も流れで読んだのですが、「子供を持たないことでは、私も登場するカップルたちと同じ。バトンを渡す相手がいなくて戸惑う気持ち、私にもわかるわ」という内容でした。
「この解説者は子宮を摘出する手術をうけたのか? 遺伝性の病気があるのか? 語らなくても読者に事情が分かってしまうくらい、有名な人なのか?」
と思いまして、ググったところ、「負け犬の遠吠え」を書いた人らしいです。
なんとなく、「私も同じ」と語るのは違う気もするんですが、彼女に解説が依頼された以上そういう内容のものが求められているんでしょう。
斎藤さんのほうは、一歩踏みこんで登場人物たちの共通点を見つけ、うまくまとめています。

中身はというと、老いたパートナーのシモの世話をする女性まで出てきて、生活臭があります。
登場人物たちの年齢もさまざまですし、余分なハードルが一つある恋愛小説集ってところでしょうか。情景描写も巧いですし、いい作家さんだと思います。
それでもやっぱり、家族でやってるブログで紹介するにはちょっと迷う内容ですね(;・∀・)

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あん胡ちゃん

昨日買った漫画です。ほろりとさせることを狙った内容でした。
くるねこ保育園から巣立ったあん胡の話は、11巻に入っています。
リアルあん胡は女の子なんですね。甚五郎の名前はこっちでも出てきます。
ページを開いてイラストを見せたらよろしくないような気がしたので、表紙だけです。(めくった状態でキープできなかった)

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くるねこ13巻も先日買いました。
hydeみたいな声で鳴くぼん兄とか、冷蔵庫を足であける胡ぼんとか、猫はもちろん面白いですが、旦那さんがいい味出しています。
あと、ご近所の愛猫家サラリーマンもいいですね。猫の話をしている人がいると耳をそばだててしまうというのはわかる。

ちこちゃんが敷いているのは、私の通勤用トートです。
上に写っているのはカインズで買った卓上ライトですが、午前中にちこちゃんがタッチして点灯させていました。

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このトートは、「花子とアン」を気に入っている母のため、赤毛のアン特集の薄い雑誌を買ったらついてきたおまけです。むしろ、雑誌の中身より付録のトートに金がかかっているんじゃないかと。
裏返すとアンがいます。

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アンシリーズは、「赤毛のアン」と「アンの青春」しか読んだことがありません。じいやはどうやら一通り古本屋で買ったようで、「アンの娘リラ」がありました。
本棚には、「エミリーはのぼる」「エミリーの求めるもの」なんてのもありました。

暑いですね。今日は夏至だったかしら。
別にあん胡とアンをかけようとしたわけではなく、ついでにちこちゃんを写したら、そんな流れになっただけです。

by はなゆめねえや

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吉村昭  「背中の勲章」(新潮文庫)

吉村昭  「背中の勲章」(新潮文庫)
この作品は戦争の裏側物語だ。大戦が終わって30年を経て、吉村は50歳をだいぶ越えた中村米吉という人に会って彼の戦争体験を聞く。
 彼は、漁船を模した、小船に乗り、敵艦を見つけだし、それを無線で海軍司令部に伝える任務を担った。当然、小船が相手に発見されれば、体当たりで敵艦にぶつかり、敵艦を損傷させ、そのまま戦死することが義務付けられていた。そして、想定していたことが発生、敵艦にぶつかりにいったのだが、気がついたら手足を縛られ敵艦に収容されていた。
 日本では兵隊は「生きて虜囚を辱めず」ということが徹底されており、捕虜となる前に兵隊、軍人は自決せねばならなかった。
 中村も死ぬことを試してみたが、人間、心ではそう信じていてもなかなか死ねなかった。
捕虜は最初は5名だけだった。死ねない捕虜は膨れ上がり最後は3000名を超えた。
 この作品は戦争でアメリカの捕虜になり、解放されるまでの捕虜体験を描く。



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三浦綾子  「死の彼方までも」(講談社文庫)

三浦綾子  「死の彼方までも」(講談社文庫)
中編、短編集。
どの作品も味わい深い佳品ぞろい。その中で印象に残ったのが「赤い帽子」。
三津枝は小さなアパートでミシンをもって洋裁で生計をたてている。北海道で有力な不動産業をしている佐田一族の息子と偶然知り合い、恋におちる。そして身籠る。
 その佐田が交通事故で死ぬ。そのとき危篤だった佐田の妻が病気をおして佐田のもとにかけつける。そして妻も数日後に亡くなる。地元の新聞が悲しいおしどり夫婦として美談を交えてその悲劇を伝えた。
 三津枝の息子康志は佐田の子。そして小さい三津枝が住む旭川では、どこに住んでも佐田の2号という噂がたち、まわりから拒絶される。息子康志は2号がわからない。
誰も遊んでくれないことがわからない。隣のかおるちゃんと遊びたいのだが。お家にいれてもらえない。
 ある日、康志がガス中毒で倒れている、かおるとそのお母さんを偶然発見。三津枝の対応で2人は一命をとりとめる。そこから、お母さんは感謝して、康志とかおるとの交流を許すことになる。かおるの母の夫が、三津枝は2号だからくみしやすいと思い突然やってきて、関係を迫る。康志はそれをひとさらいの怖い人とかおるに伝える。それで、康志とかおるの交流が途絶える。
 寂しい康志は考える。なんとかかおると遊びたい。そしてあぶない、死にそうな事件をおこし、寸でで救ってやればまた交流ができると。で、かおるを氷の裂け目から突き落とすことを実行しようとする。

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久々のライトノベル

静月遠火さんの作品以来かな。静岡出身と知り、何冊か買ったのです。

挟み込まれている広告(?)もざっと眺めたのですが、みなさん色んな設定を考えるものですね。
ロリを売りにしたものもあって、今はこういうものが受けるものなのかと新鮮に感じたりなんだり。

さて、本題。「視ル視ルうちに好きになる」です。
エロはないです。メインカップルのいちゃつきは、ハグとちょっと口を開けた状態でのキス程度です。
幽霊である彼氏が実体化して、彼女の家に泊まったというくだりはありますが、いかがわしい雰囲気はない。
美しい姉(ヒロイン)に禁断の恋をする弟も出てくるけれど、ムラムラしているということはない。
……そういう視点で読むものでもないか。

ヒロインが美人すぎると思うのですが、美人だからこそ母親が女として嫌悪しているという雰囲気もあるし、必要性があっての設定でしょう。彼氏を慰め励ますシーンは、聖母って感じだし。
他の女性キャラはもっと今風の(話し言葉に近い)セリフですが、ヒロインは「~かしら」「~だわ」となっています。これもキャラクターにあっています。
彼氏も、怒りにまかせて叫んでいるところはありますが、外見年齢よりも年いっている気がします。生前かかわった人間が今どうしているかというエピソードがあれば、はっきりするんですけどね。もし続編があるなら、語られるのでしょう。

魂の救済というかエールというか、温かい話が多いです。ちょっと出来すぎている気もしますが、短編集ですからね。
どうやって生きていけばいいか、何を目標にすればいいか、真に心の通う合う人間と出会えるか等々、ヘビーな悩みが入っています。「ライト」ノベルなのに。

いちゃいちゃが甘いし、登場人物の抱えているものは重いし、一冊だけでおなかいっぱいです(;´・ω・)


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6月の給料日 購入本

「kissからはじまるミステリー」という曲は、キンキキッズのバージョンと山下達郎のバージョンがあって、私は同じCD-Rに入れて聞いています。
キンキでは「電車に乗る君の背中をひそかに尾行した」となっているものが、山下さんでは「車に乗る~」になっていたり、「横断歩道を渡る途中も一度キスをしようよ」が「夜更けの舗道を渡りながら」だったり。
昼間から横断歩道わたりつついちゃつくカップルがいたら、跳ね飛ばしたくなるかもしれない。
高校生くらいを想定しているんでしょうかね。「教室中切羽詰まった空気のサスペンス」だし。

さて、今日は給料日でした。購入したのはこの3つ。

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にゃんそろじーは、内田百閒さんのエッセイも入っているようです。これは、「ノラや」で読んだはず。

くるねこさんの漫画絵本は、4冊目です。
あん胡といえば、「ハエトリグモ」だの「カワウソ」だの「日本画の、間違って描かれた虎」だの、猫らしくないルックスをネタにされていた子猫です。

一番右にあるラノベは、別の読書日記ブログで絶賛されていたものです。
ネタバレ部分を読んでも興味が薄れず、数日前にも本屋でパラパラ見て、本日作者の年齢が意外と上だと気づき、買ってみることにしました。
この本がデビュー作だそうですが、みーまーシリーズだけでも10冊以上出している入間人間さんより、1歳年上なのです。ラノベ作家のデビューにしては遅めなのではないかと。
ラノベなんて、ずいぶん久しぶりの気がします。冒頭の歌ネタも、山下さんバージョンのほうが受け入れやすいし。

さて、他にもじいやの棚で気になっている本が2冊ばかりあるし、どれから読むべきか……。漫画はすぐに読むだろうけれど(・∀・)


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吉村昭  「朱の丸御用船」 (文春文庫)

吉村昭  「朱の丸御用船」 (文春文庫)
江戸時代の物資の主力輸送手段は船。道路は整備されていないし、山谷が多く物資輸送には適していないからである。
 船は危険が伴う。風雨にさらされ、難破破船するものも多々ある。また船が浸水し傾き、それを修正するため、物資を投機することもしばしば。そして、これらのことは大海のなかでおこなわれるので、殆ど他人に見られることはない。そこに目をつけ犯罪が起きる。
 船荷を途中の港で全部売り払う。そして船が難破したと称して、適当な陸にあがり、大金を地中にうめ、お調べが終わったところでその大金を掘り出す。あるいは海上で別船と商売して金を手にいれる。そして最後の目的地で荷受人に途中で嵐にあい、一部の荷を海に投棄したという。
 また海岸沿いの村では時々座礁した船にあう。それで、漁民はその船に向かい船から荷物をかっさらってくる。座礁地には裕福な村が点在していたという。
 こうした要素をすべてとりこみ、この小説はできている。なかなかよく書けていて面白い。

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吉村昭  「海軍 乙事件」(文春文庫)

吉村昭  「海軍 乙事件」(文春文庫)
乙事件というからには甲事件というものがある。この本ではその両方をとりあげている。
乙はパラオからフィリピンに向かった大型戦闘機が悪天候にあい、不時着。その際、最高機密書類を紛失。これがアメリカ軍にわたり、フィリピンレイテ戦などで大被害を日本が被った事件。甲事件は山本五十六最高司令官の乗った偵察機が米軍戦闘機に撃ち落され最高司令官が死亡したという事件。
 この2作品で共通する点。
会社もそうだけど、1000円、2000円のちょろまかしには目くじらをたて始末書だ減給だとか罰則を科すが、これが億円とかなると、実行した当人はともかく、その上役やまたその上もことが大きすぎて責任がとれず、問題をあいまいにしてしまう。それで下手をすると、実行者にお咎めはないどころか、出世の階段を順調にかけのぼることがある。
 こんなことをこの作品を読んで思い出す。

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吉村昭  「磔」 (文春文庫)

吉村昭  「磔」 (文春文庫)
吉村の歴史小説は、想像や自らの見方をまずは徹底排除して、可能な限り史料を収集し、そこからでてきた史実をまずは忠実に描くことである。
 秀吉から始まるキリシタン禁止令に伴い、神父、宣教師、信者への迫害、家康が行った鎖国は、人道的見地や世界発展に日本が立ち遅れたことから、否定的にとらえられている。
 しかし、中国をはじめアジアの殆どの国々は、西洋の植民地と化し、富は収奪され、人々は蹂躙され、悲惨な状態におかれた。日本を列強からの圧力から守るためには、効果のある政策であったことも一方にある。
 この短編集では「三色旗」が面白い。江戸時代後期は、西欧ではフランス、ナポレオンが欧州全土を制覇。当然オランダはなくなり、フランスになっていた。だから毎年やってきていたオランダ商船が全く来なくなった。そんな時、出島にフランス船が現れたから、オランダ商館長、長崎奉行は大騒ぎとなる。その騒動記を扱う。
 オランダ船が8年ぶりに長崎にやってきたとき、ドウフ オランダ商館長は着るものはボロボロ、靴ではなく草鞋で船を迎えたそうだ。

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