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2014.05.31 Sat
CD入れてドライバーをインストールしなくても、ルーター経由でプリンターとつながっていればすぐにスキャンが出来るんですね。便利な時代になったものだわ。
この記事はデータを移動し、古いパソコン(XP)で書いています。てなわけで、昔の写真を。

くりくりしている私が一緒に写っている写真もあるのですが、まぁ……犬ブログだし? ←今更
テリーはおとなしい犬でした。
ちなみに、彼の名の由来はライオンズにいた野球選手です。今年の西武も、外国人に助けられているとかいないとか。

話は変わりますが、今日電車で、
「やっぱりまゆゆだよね」
「まゆゆが『昨日とんかつ3枚食べました』と言うのと、あかねが『昨日ソフトクリーム食べました』と言うのと、どっちが可愛いと思う?」
「そりゃ、まゆゆでしょ」
という会話を聞きました。
女2人と男1人で、総選挙について楽しそうに語っていたんですが、男が特徴的なハイトーンボイスでしてね。記憶に残りました。
我が家はクイズをよく観るので、AKBといえば大家さんがまず浮かぶ。
そんなにかわいいのか、まゆゆ。
by はなゆめねえや

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2014.05.31 Sat
相場英雄 「震える牛」 (小学館文庫)
謎解きやミステリーとしての評価は今一のように思う。結果は見えているのに、そこにいたるまで田川という刑事の現場メモを積み上げる手法がまだらっこしく、スリル、スピードに欠ける。
そんな欠点をモール型ショッピングセンターとそれに連なる政界、更に警察検察組織の悪の連鎖の実態を著者はこれでもかとあばきだし、この作品を大ベストセラーこの作品を押し上げた。
スーパーからモール型ショッピングセンターにイオンをはじめ大手が動いている背景がよくわかる。それから、例えばきざみ野菜が何日おいても色が変化しないからくり。だから賞味期限をはりかえ繰り返し販売できるからくり。安価なハンバーグのからくり。色んなことがこの本からわかる。
最近私が住む地方の街では商店街がシャッターどおりになって久しいが、駅前に和民をはじめチェーン居酒屋が続々と店を構えだした。それに従って愛すべき昔からの飲み屋が
一掃されている。チェーン居酒屋が提供する料理のカラクリもこの作品で紹介されている。
この本を読んだらそんなチェーン店にはとても行くことはできない。
AMAZONの読者評価をさげるため、星ひとつ評価をショッピングセンター社員がかたまってこの作品に与ええているとのこと。
by はなゆめ爺や

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| 21:22
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2014.05.31 Sat
井上靖 「緑の仲間」 (文春文庫)
人が本当に孤独だとおもうときは、どういう時だろうか。
人間は言葉を持っている。それが素晴らしいと感じる時もあるが、言葉を持っている故に
苦悩に陥ることもしばしばある。言葉がありながら、思いや真意が相手には通じないことがたくさんあるからだ。では、面倒な言葉を排して、態度、行動で示したらどうなるか。
これもかなり通じない場合が多い。
あれだけ言ってあげたのに、あれだけ助けてあげたのに、あれほどしてあげたのに。
気がつけば誰も自分のことを思ってくれていない。こんな時なのだろう、孤独をズシンと感じる時は。
この小説に登場する青戸は、小説では描いていないが、四国の小島から海にきっと最後は身投げしたように感じる。
by はなゆめ爺や

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| 21:21
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2014.05.31 Sat
ふと思い立って、母校の文化祭に行ってきました。
受付に、私の在学時にもいた先生が立っていました。案外、高校の先生は異動しないものなんですね。
部活の顧問も当時と同じなのですが、やっぱり髪に白い部分が増えたな~と。

生演奏はいいものですね。ゾクゾクします。
こうやって現役高校生(後輩)の演奏を聴くと、「私も、在学時にもっとまじめに部活をやればよかった」なんて思うわけですが、当時は狭い場所で他人と練習するだけでイライラしていました。
弾くふりだけして仏頂面のまま終えた日も多かった。当然、下手なままで引退しました。
最終日の記念撮影すら逃げました。
万が一顧問が私を覚えていても、悪い印象が残っているだけだろうと思うので、声はかけずにさっさと帰ってきました。
でも、弦楽合奏部の演奏会はまた行ってもいいかなと思いました。フランプールの「星に願いを」は初めて聞いたけど、なかなかいい曲だ。
by はなゆめねえや

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| 12:59
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2014.05.31 Sat
著者の実体験が活かされているんだろうと思いました。同じネタ(血管疾患・小柄な娘・肺病の手術・錦鯉のいる庭・デパート屋上の観賞魚売場・親戚宅に身を寄せる等々)が複数の短編に登場するので。

自宅の池で隣家の子供が溺れ死んだため、誇りをもって育てていた錦鯉を近所の濁った池へ乱暴に放流する話は、何とも言えない気分になりました。
あと、「毬藻」も気に入りました。暗い秘密を抱えている村が出てきます。その秘密が暴かれる……というところまでは書かないのがいいです。
もちろん、表題作もよかったです。
「冷血」で合田刑事が死刑囚と文通・面会するくだりを読んだときは、干渉しすぎではないともやもやしたのですが、こちらは短編だし死刑囚たちの具体的な背景は語られない。前日に死刑執行を本人に伝える刑務所が本当にあるのかは、知りません。
どれも重いテーマで、不安にさせてくれるようなものです。
by はなゆめねえや

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| 12:41
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2014.05.30 Fri
この季節になってくるとお散歩コースの池から聞こえてきます
ウシガエルの声
恥ずかしがりやで姿はなかなか見せてくれないのですが
これが正体だ~
参考画像初めてこの声を聞いたときは
なんじゃ~こりゃ?と思ったものですが
今は親しみさえ感じますね

そ、そんなこたぁーない
多分・・
by はなゆめママ
押してね~

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| 14:05
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2014.05.30 Fri
誉田哲也 「ドルチェ」(新潮文庫)
桜木の省略文体を読んだ後だけに、誉田のわかりやすい文章がうれしかった。
転職を繰り返す人がいる。自分にあった仕事を探しているということがあるようにも思える。でも、適っていないという心持と同時に、どこの職場に行っても、自分は全く必要とされない、自分はどこへ行っても必要とされない人間なんだと思い転職ばかりを繰り返す。
そんな気持ちが孤独感に拍車をかける。
しかし、最初から必要としている職場などない。必要とされることになるだろうと期待され採用された人材はもちろんいるが。
やっぱし我慢して、仕事を続けて、必要な人だと思われるように努力しないと。
そんなことをこの短編集を読んで思った。
by はなゆめ爺や

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| 08:22
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2014.05.30 Fri
桜木紫乃 「硝子の葦」(新潮文庫)
あまり知られていないけど、かなり凄い作家、しかも直木賞も受賞しているという評判を聞きつけ桜木の作品を手に取った。
この作品はかなりハメットかヘミングウェイを意識した文の運びになっている。要するに、説明とか感情の類を極力省き、現象だけをさらさらと書く方法だ。
しかし、作品の人間関係とその結末は相当ドロドロしている。そこが深堀されていないため、どうしてこのような関係になってしまっているかがもう一つ訴求がなされない。また、現在の続いている場面に過去が突然はいり、また現在の続きが始まるところがたくさんあり、そこでプッツリ持続性がとぎれ、またさっきまでのことを思い出さねばならないといたく読みにくい。
チャレンジとしては面白いが、物語の内容と省略文体が乖離している。
by はなゆめ爺や

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| 08:22
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2014.05.28 Wed
週に一回、電車で静岡に行きます。収録されている作品のうち、表題作と「三十歳」の二つを帰りに読みました。
「」に入れないセリフが誰のものかわかりにくいというところが、いくつかありました。でも、センスはいいと思います。
同じ犬なのに、グーフィーが二本足でプルートが四本足なのはなぜか。その理由付けは、なかなかおもしろい。
ピアスだらけの耳を「システム手帳みたい」と言うところも、いい。
しゃれた言い回しというわけではなく、普段見落としていることや疑問に思ってもすぐに忘れてしまうようなことを、巧く拾っているような感じです。持ち出す例えや人名や小道具もぴったりくるものになっている。
でも、この作者の本を続けて読みたいと思うにはちょっと足りない……かも。
表題ですが、どっかの地名かと思っていました。チェンマイとかハノイとかタイペイとか、そういうアジア系の。
オーディオ機器のことなんですね。
by はなゆめねえや

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| 22:58
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2014.05.28 Wed
松本清張 「雑草群落」(上)(文春文庫)
松本清張 「雑草群落」(下)(文春文庫)
清張得意の美術品真贋もの。
浮世絵の印刷物はたくさん存在するが、肉筆浮世絵はいまだにない。大阪の大製薬会社の社長が肉筆浮世絵を所望していると聞きこんだ、古美術品商の庄平が、無名の絵描きと国立美術館の有名鑑定士である技官と組んで浮世絵を贋作し嘘の鑑定で、社長に売ろうとする。それからたくさんの女性が複雑に絡んで、最後は破たん、奈落に落ちそうな恐怖と闘う庄平と読者が一緒に手に汗にぎりながらミステリーを味わう。
面白いし最後は本当に盛り上がる。
でも、さまざまキーとなって登場してくる何人かの女性の描きかたがどうにもぎこちない。
物語の展開は面白いはずなのに、女性が活動するところで、ぷつぷつと物語が止まる。
by はなゆめ爺や

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2014.05.28 Wed
松本清張 「発想の原点」(双葉文庫)
4人の作家との対談集。
筒井康隆との対談の最後、清張の心情が高ぶって、心の奥をさらけ出しているのが強烈に印象に残った。清張は今でいえば小学校をでて、12歳で社会に放りだされた。そこから職を転々とし、失業の期間も長かった。びっくりしたのだが、思想犯でつかまり刑務所暮らしもしている。酒も飲めない、ゴルフもやらない、麻雀もちょっぴり。
この経歴と趣味、享楽がないということは、ひたすら孤独ということになる。同級会、同窓会もなければ、クラブ仲間もいない、文学サークル仲間もいない、会社仲間もいない。
この対談での清張の寂しい人生にたいする慟哭には全く驚いた。
それともうひとつ、清張は当初は推理、ミステリーではなく、純文学からスタートしている。だから芥川賞も受賞しているわけ。清張は気がすすまなかったのだけど、木々高太郎という作家がやたらに清張は推理小説を書くべきと言われ推理小説を書き出した。
清張は42歳で作家として登場。あの膨大なミステリー小説は、それまでかなり貯め込んだものがあり、それを発表しているものばかりと思っていたのだが、作家になってその都度考え着想して書いたものばかりだったと知り全く驚いた。
対談した4人の作家とも、「渡された場面」の清張の発想に驚嘆し、懸命にその発想の原点を聞き出そうとしている。私も同感。清張は全くすごい。
少し清張に飽きがきたところで、対談集に出会い、清張への認識が深まり、清張耽読に
また拍車がかかる。
by はなゆめ爺や

| 古本読書日記
| 15:51
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2014.05.26 Mon
牛のように引っ張るラブラドールレトリーバーがいます

しゃがんでウンチを片付けようとして引っ張られ

膝小僧すりむきました(涙)
しかしこのワンコ単なる力持ちではない
ご飯を終えれば甘えん坊大魔王に変身なのだ!

結果泥とよだれにまみれる私・・・

ああペットシッター、
時として過酷なお仕事なのでした
でも楽しいけどねby はなゆめママ
ランキング絶賛降下中 押してね~

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| 21:34
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2014.05.26 Mon
安岡章太郎 「不精の悪魔」 (角川文庫)
このエッセイ集では吉行淳之介について多くのページを割いている。
吉行のまわりにはいつも女たちが群がっている。そして吉行は言う。昨日は別々の女と3打数3安打などと。きざでいやみで敬遠したくなる男である。
ところがその吉行に女だけでなく男も群がるのである。吉行の家では、年がら年中、作家や芸術家や評論家が、7-8人ぶらぶら集まっている。吉行は大作家でもないし、人間吸引力もないのに。しかも、安岡をはじめ、多くの作家、評論家が吉行との交流を自慢げにあちこちでエッセイにして語る。吉行が他の作家や交流人についてほとんど語っていないのに。更に吉行の作品は、どれも筋がないし、平板で読者にはよくわからずはっきりそれほど面白くない。ところが群がる男たちは、その平板な物語を吉行の心持をああでもないこうでもないと忖度して、あらゆる角度から賛辞を送る。
まったくもって吉行は不思議な人間、男である。
| 古本読書日記
| 08:25
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2014.05.26 Mon
井上靖 「こんどは俺の番だ」 (文春文庫)
のっけからすごい場面。主人公雲野八一郎という男が、深夜ビルに素手で登る。死と隣り合わせの危険な行為。何でこんなことをやるのか。十津川光子という女にまとわりついている上野という男との約束、ビルの素手のぼりに成功したら、光子とは縁を切るーそのためにビルを上る。もうここで、行為とその背景のギャップにしらけてしまい、後は肩の力を抜いてほいほい読んだ。
金もない、若い八一郎が光子を連れて行く場所がクラブやキャバレー。移動は、電車やバスもあるがリアルに描かれるのときは常にタクシー。それもとんでもない長距離を平気でタクシーで移動する。
井上は若者の生活の実態にあわせた物語を作るのでなく、自分の生活文化の中に若者を描いてしまう。つまらない作品になって当たり前である。
| 古本読書日記
| 08:24
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2014.05.25 Sun
いつごろから変わったのか知りませんが、サイエンスダイエット(アダルト)のパッケージにかわいらしいビーグルがプリントされるようになりました。
そりゃ、ドッグフードの袋に印刷されるくらいですから、理想体型なんでしょうねぇ。

ちなみに、我が家のヒルズ族ビーグルはこんな感じ。

後ろ足にかけての滑らかなライン(くびれ)はどこへやら。首の後ろも肉が余っております。
触ると、土嚢というか跳び箱の上というか鞍馬というか、中身の詰まったぱんぱんの感触です。(はなこは骨に皮です)
これが、寝転ぶともっと悲惨でしてね……。

……ご懐妊か?
| 日記
| 18:12
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2014.05.25 Sun
その1 電車ごっこ

2匹ともおなかタルタル。
その2 とぐろx2

ゆめこはおなかの肉が邪魔なので、これ以上丸くなれません。
案外、犬と猫は近くにいても問題ないのです。
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| 18:03
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2014.05.25 Sun
石坂洋次郎 「愛情 少女」 (角川文庫)
短編集。どれもこれも心に染みてくる佳品ばかり。
最後の「赤い鳥篭をもつ女」がとりわけ素晴らしい。まずつかみが秀逸。
カナリヤを買っての帰りの電車で元子は混み合ったなか、一人の青年から席を譲られる。その青年が重そうな風呂敷包みを抱えていたので、それをひざ上に持ってあげる。どうしたのか、その青年が、ひざ上の風呂敷包みを忘れて途中で電車を降りてしまう。家に帰って包みを開けるとそれがミキサー。
もう返すことも不可能と思ってミキサーを使い出してから2年後、偶然にその青年に会う。2年前よりやつれていた青年。それがどうして?
ミキサーを青年は忘れたことを妻に
「可愛い美人の黒いスカートの上に置き忘れた」と報告。そこから妻が異常に高ぶり、そのまま精神病院に入院してしまう。しかも妻は妊娠していた。無理やり堕胎が行われた。
そこから、物語が大きく動く。そして結末も素晴らしい。
| 古本読書日記
| 12:51
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2014.05.25 Sun
吉行淳之介 「花束」 (中公文庫)
芸術分野、文学も含めて、一般人とは決して交わらない作家がいる。そうすると、したり顔の文化人がその作家まわりに集まり、あの人を理解しできるのは俺だけとカまびすしく広言する。そういう人は、大衆をバカにする。あの作家の芸術性を理解できないとは情けない。その広言がその作家の偶像を作り上げる。それで、大衆は何とかその作家を理解したくて、その作家の作品を購入する。
吉行はそんな偶像のような作家である。美男子で格好もよい。銀座バーを毎晩徘徊し、美人たちを虜にする。そんな姿が偶像に拍車をかける。
売れない画家がいる。暇をもてまわしている。それで、女のいるクラブに行って、女と遊ぶ。それが嵩じるから、クラブに通いつめる。2人の女をひきつれ泊まり旅にもでかける。
凡な作家画家なら、暇はあるが金はない。女遊びをするためには金をどこからか調達せねばならない。そうすると金集めが女遊びより物語の主題となる。いかがわしい金を集め、そのうち破滅してしまうような。
吉行はそうはならない。金の裏付けもないのに、女遊びがひたすら続く。凡人の読者はそこで悲しいため息をつく。
| 古本読書日記
| 12:50
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2014.05.24 Sat
爺やを待っています

来たようです

ちこり「はよ出ろや。デブ」

牛のようなゆめこですが、猫ドアを通って行き来できます。
はなこは通りません。通れないのか通らないのかは不明。
おまけ:ご飯時に膝を狙う猫。じいやは犬猫にモテます。(甘いから)

控えめなちこりは、ここでも順番待ち
| 日記
| 14:54
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2014.05.24 Sat
今度ドラマ化されるそうです。
主人公に情報提供する相手が,17か18のウェイトレスというあたりで、なんとなく時代を感じますね。今でもファミレスや喫茶店でバイトする女子高生はいると思いますが。出てくるのは真っ青なソーダ水だったり、ライスカレーだったり。
新幹線が無い時代の話だから(もちろん時刻表トリックが醍醐味ですが)、すご~~~くまだるっこしく感じるわけです。

タイトルが違うけれども、同じ話だそうな。
読解力がないせいかもしれませんが、なぜわざわざ死体をトランク詰めにしたのか分かりませんでした。
トランクに何か細工をして死亡推定時刻をずらすわけでもない。トランクだけ発送しておいて犯人は別の場所に~というわけでもない。
70キロもあるトランクをゴロゴロ引きずり、線路をまたぎ、列車から列車に移すんですよ。
連載小説だったこともあり、定期的に要点が整理され、分かりやすいです。巨匠の、安定した面白さです。
| 日記
| 12:48
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2014.05.23 Fri
石坂洋次郎 「美しい暦」 (新潮文庫)
この小説、最初はごつごつしていて、石坂が無理に頭を絞ってうんうんとうなりながら書いているように思える。昭和15年の作品。検閲監視が厳しい折、そこをくぐりぬけるための手立てが窮屈にさせているのかもしれない。ところが後半になると石坂節が絶好調となり筆が踊るごとくの調子になる。特に運動会での相川の様子が断然光る。相川の人物造りが実に鮮やか。
石坂が武井に託して大家の小説を非難しているところが印象に残る。
「日本の作家の恋愛小説を読むと、いろいろ教養のあるむずかしそうなことを恋人達に語らせていても、それが頭を釘抜きかなにかでギュっと挟んで無理に絞り出したような感じで、キイキイ声で物を言っている。ちっとも身についていない。痩せている。」
漱石、鴎外、井上靖、石川達三、三島、遠藤周作、大江健三郎、彼らを読むと石坂に拍手を送りたくなる。
| 古本読書日記
| 15:38
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2014.05.23 Fri
石坂洋次郎 「青い山脈」(新潮文庫)
今朝日新聞が夏目漱石の「こころ」復刻連載している。たくさんの本を読んでこの作品が名作なのだろうかといつも思う。タイトルのように先生を含め、こころの動き、それを告白として執拗に描く。そこは、孤独で暗く、かなり陰鬱である。しかし、人は人と語り合うことで、摩擦や悩み、認識の違いを知り、葛藤しながら日々を送っている。ずーっと孤独のなかで沈思黙考を重ねることは、現実ありえないか、ごく少数の人に限ったことを言う。
人を描くには、語り合いが必須。しかし大作家といわれる人はかなりの数、会話を描くことが下手だ。そして悪い伝統なのだが、生き生きした会話が中心となる小説を一段低い質の小説として評価する。
小説とはどんなものを言うのか。この「青い山脈」を読んでみてほしいと思う。見事な作品である。作家の批評精神も十分物語の基礎を支えているし、会話にそれぞれの登場人物の個性も発揮され、加えていつものユーモアもあますところなくちりばめてあり、これほど面白く、へんな言い方になるが、ためになり、考えさせ、それでも楽しい小説は無い。
何回繰り返し読んでも全く色あせない。
| 古本読書日記
| 15:37
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2014.05.22 Thu
西加奈子 「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫)
あとがきを読むと、西はこの作品を」を書くために、石巻に一泊二日の旅行をしたらしい。そして、この作品執筆中に大震災が起きたそうだ。そういう大変化がこの作品の骨格を作っている。
一泊二日では漁港の町を描くことは不可能である。この小説がだめだと思うのは、それゆえ、小学校、商店街、漁港、海、水族館、エロ神社で起こることが全く独立して結びつかないことにある。商店街の出来事は、大阪の下町をそのまま持ってきているだけで、とても港町のようには読めない。それから、きっと震災があってから、キクと肉子のおいたちが書かれたのだと思う。それまでのトーンとおいたちのトーンが違いすぎる。
一つの一貫した作品になっていない。
| 日記
| 17:45
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2014.05.22 Thu
早川良一郎 「散歩が仕事」(文春文庫)
パンタロンか。そういえば最近聞かないなあ。ピンキーとキラーズのころはパンタロンがものすごく流行っていた。
丸いエッセイだと思う。経団連事務局で著者は定年退職となる。この事実だけでも豊かなサラリーマン生活を送ったのだと推察される。どのエッセイにも必ずといっていいほど友達がでてきて、銀座のクラブや古美術店などをまわり、充実した生活を送る。そのなかにいかにもハイソサイエティがかもし出すユーモアがある。
こういうエッセイがいいのだろうなあ。幸せな丸い世界から決してはみでない、道ははずさない。でも、私は毒があって、丸い世界をはみでたエッセイが欲しい。
| 日記
| 17:43
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2014.05.21 Wed
石坂洋次郎 「若い川の流れ」(角川文庫)
私の小中学生のころ、青春世代を中心に一般の大人を含め最も読まれた作家が石坂洋次郎。
映画、テレビでも作品が多数作られた。
石坂の経歴はまだ知らないが、結構苦労をしてきたように思う。そしてとにかく人生というものをよく知っていて、それが日常に溶け込み全く違和感のない文章で表現される。
この作品で、功なりとげた川崎専務とその妻の述懐のところに石坂の特徴がよくでている。表面的には、この世でもっとも幸せな夫婦にみえるが、茨の道を歩んできて、なおそれが続いていることがわかる。
人生は中途半端の繰り返し。それほど楽しいものではない。そんな眼差しから作品は描かれる。でも達観はやめよう。諦めを克服しようと、石坂の渾身をこめたユーモアを作品の中にちりばめる。
笑って元気でいこうや。石坂の声が作品から香りたつ。
| 古本読書日記
| 08:36
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2014.05.21 Wed
吉行淳之介 「焔の中」 (中公文庫)
昭和二十年八月十五日。それまでは、どうやって死ぬか、遠からず死ぬことが決まっているから、そればかりを考えている。でもその後は、この廃墟の中で、どうやって生きていくかを考えねばならなくなった。
「永遠の0」も「帰らざる夏」もピュアで真っ正直な人間をとりあげ、結果戦争の悲劇を際立たせようとしていた。しかし、何冊かの戦争体験を最近読むと、それほど皆がピュアでなく、というより日々の生活を成立させることに精一杯、そのためにピュアな精神なんてことを言っていられない、そんなことがこの作品でよくわかる。
それにしても吉行のこの小説での姿はとても、二十歳近辺の青年のように感じられない。
老成している。戦争終了直前でもすきでもない女を毎日抱いていて、8月15日も、その翌日も好きでもない女を抱いていた変わらない日々がそこにはあった。
| 古本読書日記
| 08:32
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2014.05.20 Tue
佐々木譲 「人質」 (ハルキ文庫)
佐々木の処女作、「鉄騎兵、跳んだ」を読んだときは、青春のほろ苦さが詩情豊かに表現されていて感動した。さらに青春や人生の物語を期待していたのだが、突然作風を変え、ミステリー小説に変更、その後は警官シリーズでミステリー界の第一人者になった。
本作品も警察官シリーズのなかの一作。
これはミステリーではない。起きている事象も結果もわかっている。謎ときもあるが、誰でもわかる謎。人質をとるが、監禁罪にさせないため、脅迫をしたりせず、凶器も犯人は所有していないように筋立てしている。犯人は隙だらけなのに、人質が脱出しようとしない。そんな場面が延々と続く。納得感の乏しい物語である。
昔のような人生、青春をたまには描いて欲しい。
| 日記
| 13:41
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2014.05.20 Tue
阿川佐和子 「恋する音楽小説」(講談社文庫)
最近街に人通りも少なくなってきたこともあるが、やけに静かになった。気がつくと昔のように音楽といっても大概歌謡曲だったが、流れていなくなっている。皆で聴いたり歌ったりする歌が無くなったと嘆く作曲、作詞家もいる。では音楽は廃れたかというとそんなことはなく、ますます音楽を楽しむ人口は増加している。
電車内や通りではMPやスマホからイヤホーンを通じて音楽を聴いているひとが異常に増殖している。音楽はポピュラーでなく個人、個人の趣向物に変わってしまっている。
この時代に、音楽をベースにした小説は難しい。阿川自身の趣向を読者に訴求することになるから。まさに、この小説群は阿川自身がここで取り上げた音楽を聴きながら練り上げた小説であり、関心の無い人(それがほとんど)には、豚に真珠状態になってしまう。
| 古本読書日記
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2014.05.19 Mon
井上靖 「石涛」 (新潮文庫)
井上最晩年の短編集。どれも味わい深い作品ばかりだが、私は「ゴー・オン・ボーイ」が一番気に入った。この作品を書いた当時、井上の次女の息子は5歳と3歳の二人。次女一家は仕事でフィラデルフィアに赴任している。ちょっとりりしく強いのが長男のタカユキ。
次女に問う。息子たちがアメリカで最初に覚えた言葉は?それは「ゴー・オン」。
当時井上はカラコルム山脈の盆地の集落フンザからナガールにジープでむかっていた。
そのジープに突然、タカユキにそっくりの子がとびのってきた。絶対ふりおとされないぞ、絶対おろそうとしてもおりないぞと下をむいたまま踏ん張っている。そのまま50分ナガールまでどこに降りるでもなく乗っている。ナガールで降りる。少年は一人で元の道を走りだした。
見学が終わりジープがまたフンザに向かう。途中で走る少年にあう。井上がジープを停めさせて、少年に乗るように促す。だけど、ピンと立ったまま少年はきっぱりと断る。タカユキに似ている。走りだしたジープの中で井上は気分がよくない。でも振り返って少年に手を振る。そうするときりっとしまっていた少年の顔がほころんで手を振り返す。そして走ってくる。井上は心でさけぶ。走れ走れ「GO ON GO ON」と。
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2014.05.19 Mon
佐伯一麦 「川筋物語」(朝日文庫)
小川洋子の先に読んだ本。人が生きることは物語を作っていることだと言っている。大な小なりすべての人にそれぞれの物語がある。
離婚をする。佐伯が離婚をしたときは人生最低のとき。アスベスト被害にあい、喘息がとまらない。それで妻から三行半をつきつけられ離婚の㊞を押さざるをえなくされ、辛いなか精神科にかかり睡眠導入の処方をしてもらう。
離婚というのは、ものすごく強く愛し合った時期もあれば、憎悪で強烈に憎しみ合う。そんな振幅に耐えれずに最後に離婚ということになるのだろう。その意味では物語もあるし良きにつけ悪しきにつけ思い出も残る。
そんなことを思うと、自分の人生は物語にもなっていないし、思い出もない。すこしせつない。
| 古本読書日記
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