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2014年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年05月

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「砂の紋章」 水上勉  

水上勉  「砂の紋章」(上)(集英社文庫)
水上勉  「砂の紋章」(下)(集英社文庫)
死体に」わけのわからない乱数表があったり、あやしい男女があちこちで登場したり、さらにカーバイト、石灰採掘業界での贈収賄をにおわせたり、最初はミステリーのにおいぷんぷんで興味をそそられる。
 しかし600ページを超える作品で、最初の殺人があって、それを追求、推理に500ページ以上を使い、いささか冗漫で変化がなく疲れた。もう少し、節目、節目をつくり、事件をおこさないと読者はもたない。

By はなゆめ爺や

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「野の鈴」 水上 勉  

水上 勉  「野の鈴」(上)(講談社文庫)
水上 勉  「野の鈴」(下)(講談社文庫)
戦争直後の荒廃の渦中。混乱の極みのなか、餓死、犯罪は誰もの隣にあった。水上はその中でも、暖かく献身的な人はたくさんいて、そこに希望があることをこの作品で言おうとしている。
 ただ、庄吉が東京へ来て、島村先生のところへ行かず、流浪するところは納得ができない部分。そこに少し無理がある。

By はなゆめ爺や

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たいせつな記念日

今日はゆめこ記念日です
ゆめこが我が家に来て6年たちました
そういえばこのブログをはじめて数年、はなこ記念日の記事は数回書けど
ゆめこ記念日の記事ははじめてでないかい?


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いやそんなことないさ
なんたってそのビア樽というか米俵というか存在感ありありだし


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それにしても月日の経つのは早い
あんな小さかったゆめこがこんなでかくなって・・
じゃなくってもう6歳だってよ奥さん


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私のシワも増えるはずよね
特に首なんて鏡を見ると愕然とするよね
これから夏に向かってどうしよう


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ということで
ゆめこが我が家に来たいきさつでもいっちょ書いておきましょうかね





またいつか


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by はなゆめママ

おめでたいので押してね~

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本日休業

429(死肉)の日。

140429_1156~01

中学生のとき市立図書館で全集を順に何冊か読んだような記憶があります。
そのとき記憶に残ったのは「鉢植えを買う女」でした。死体を浴槽に隠すというグロさ(鉢じゃなくそっちを覚えていました)と、ブスでケチなヒロインだけれど処女というところに男が価値を見出すというあたり。
ちょっと読み返してみたら、
「あの女は絶対バージンだぜ。だるそうな顔して出勤してきた日は、朝自分で性欲処理してきたんだろうさ」
「自分はセックスに縁がないから、俺たちの猥談くらいしか楽しみがないんだろう」
「男を知らなかった彼女の体は、飲み屋の女にはない若さがあった。老けた顔と初々しいからだが不釣合いだった」
とまぁ、けっこうずばずば書いてありました。松本清張が、あの顔でこんなことを。←失礼
何度か映像化もされているようですし、有名なほうに入るのかな。

「砂の器」も有名ですね。
大学時代にツタヤでバイトしていて、「店員お勧めのレンタルDVDコーナーをつくるから、POPを書いてきて」と上司に言われ、映画版を選びました。
あ、中居君のやつじゃないですよ。昭和のにおいがぷんぷんするやつです。
原作では関川といういかにも怪しい男が出てきます。彼の女が流産して亡くなるくだりが、なんとなく印象に残りました。この男は、映画には出ていなかったようです。
もちろんPOPには「文庫も在庫がありますよ」なんて追記もしました。
誰も借りないと思っていたら、私がレジにいる間に一人借りた人がいました。

「西郷札」は、大学時代に自分の財布から金を出して買いました。表題作の内容は覚えていません。
「面貌」がどこまで実話なのか分からなかったので、知恵袋で「松平忠輝は本当に不細工だったんでしょうか?」と質問した記憶があります。wikiでも「まなじりさかさまに裂けて恐ろしげ」とありますね。
最初にこの文庫を読んだときは、「権妻」がツボにはまりました。「或る「小倉日記」伝」もそうですが、報われなかったり救われなかったりする話は結構好きです。
あとは、「恋情」が、森鴎外っぽい語り口でおもしろいですね。

そうそう。犬のステッカーが貼られているのは、私が毎日通勤で使っている車です。
おかげですぐに自分の車が見つけられます。

by はなゆめねえや
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小川洋子「刺繍する少女」

小川さんの本ははじめて読みました。「博士の愛した数式」すら、未読です。
理系っぽい題材がいくつかあっておもしろかったです。木馬の博物館はちょっと行ってみたいかも。
川上弘美さんよりも現実離れしているような気はしますが、こういう気持ち悪さは嫌いじゃない。

「普通」ではない人ばかり出てきます。
何か深い意味が隠されているような、そうでもないような。
最後の話なんて、主人公がラブホテルで喘息の発作を起こし、ヒューヒューあえぎ唾液を飛ばす姿を見せたため、男がドン引きして去っていったというだけのように思える。
でも、自分の身に起こったことを年表風に表現したり、闘病記をでっちあげて寄稿したり、主人公の中にある闇というか極端な部分が描かれているわけで、もっと何か感じ取るべき(汲み取るべき)ものがあるような気がしないでもない。
あんまり自分のセンスに自信がないので、こういう作風の本に関して感想を書くのは難しいです。

パソコンではなくワープロが登場し、入力した言葉が選ばれたように黒く反転しているという描写で、なんとなく懐かしい気分になりました。我が家でも、リボンや感熱紙やフロッピーを使っていた時代がありました。
……あ、ワードやメモ帳でも(ブログの本文入力画面でも)普通に変換時は反転しますね。
でも、ワープロでカシャカシャ打つほうがこの作品に会っているような気がする。ノートパソコンやタブレットじゃなく。

どうでもいいですが、躑躅と髑髏って似てますよね。
花はかわいいのに、なぜかごてごてした漢字。

by はなゆめねえや
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ゴンちゃんのステッカー

私が敬愛してやまないブログ「飯の為なら なんでもするズラ!」
どこが素晴らしいかってちょっと言葉では言えません
筆者のねえやんのように私も素直な感情を文字にできたら・・
と思うのですが育ちの良さが邪魔をして(大嘘)

てなわけで、このたびゴン太郎劇場の花形ゴン太郎親分のステッカーが
販売されたので早速く購入し愛車にペタリ


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ステキでしょ?


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と弟子のはなこが申しております


なおステッカーはまだ在庫あるそうですヨ
お買い求めはお早めに
売り上げは恵まれないわんこ達のために寄付されます


by はなゆめママ

おしてね~
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こくごのじかん(2)

何の共通点もなさそうな二冊です。
私が幼きころ小さな本屋で「これ読みたい」と母に提示し、「やめておきなさい」と言われた二冊です。

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なお、なつかしの本屋はとうの昔につぶれております。今はツタヤか戸田書店ですね。


「こころ」のほうは、高校の授業で読むことになりました。大学でも「「こころ」を読む」という講義が一般教養の中にありまして、取りました。
学生時代は、「私」に慕われている「先生」について、勝手に白髪の偏屈なじいさんをイメージしていました。親友の自殺について何十年も苦しんでいる男で、寄り添う奥さんもけっこう年を食っているんじゃないかと。
作中に出てくる実際に起こった出来事なんかを参考にすると、「先生」は物語の最後においても三十代半ばくらいだそうな。
まぁ、考えてみれば、「子供はいつまでたってもできっこないさ。天罰だよ」なんて言っているくらいですからね。まだ若いでしょう。
この時代に「魔法棒で石にされる」という比喩(概念?)があったというのは、ちょっと意外なような。

山田詠美さんの本は……風味絶佳だけ読んだことがあります。映画にもなったので、どんなものなのかなと。
写真の文庫は、第一話を読んだだけでやめてしまいました。目障りな同級生を、幼馴染の美少女を使って陥れ、相手がガクッと成績を落としたのを見てあざ笑う。
うーん……。確かに鋭いことを言うカッコいい主人公かもしれないし、クールな生き方をしているのかもしれないけれど、受け付けませんでした。

私は、アフォリズムのアフォが阿呆なのかと思うレベルの頭脳です。先日じいやの記事を読み、ググりました。
都道府県の持ち方じゃあるまいし。

by はなゆめねえや

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こくごのじかん(1)

本日は、じいやの自治会の仕事を手伝ったり、昼寝をたっぷりしたり、読書はほぼしていません。というわけで、思い出でも語ろうかと思います。

高校時代に国語の教科書で出てきた話です。

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高校の先生は、担任と国語の先生くらいしかフルネームで思い出せません。私は理系のクラスだったんですが、国語の授業が一番好きでした。

「レキシントンの幽霊」は、思い出が三つ。
そのいち。「このケイシーという男はホモで、一緒に暮らしているピアニストは恋人だ」ということを先生がズバッと言いまして、シモネタ好きだけど内気な私はびっくりしました。
別に生徒に隠すような話じゃないし、悪影響があるなら教材にならないでしょうけどね。

そのに。先生が「この話に出てくる比喩の中で、どれが好きか?」とみんなに問いかけました。私は、寝起きの意識を「しなびた野菜みたいに」と表現しているところが好きです。

そのさん。テストで「彼は○○みたいに深く眠っていた」の○○部分を問われました。記憶力を問う問題でもあり、上記のような問いかけをする先生だからセンスも試していたのでしょう。
私は「牛」と書きました。(正解は「石」です) 先生はテストを返すとき、珍回答としてみんなの前で披露してくれました。
……受けを狙ったわけではなく本当に思い出せず、たまたまそのころ読んだ別の教材に「君は牛のように眠っている」というくだりがあったんですよ。
(「高校生のための小説案内」筑摩書房に入っている、「小さな戦士」という話らしい)
ちなみに、教科書では単に「石みたいに」でしたが、文庫本では「地中に埋められた石みたいに」です。
石だけだと、死んだように眠っている人を描写する上で、なんか軽くないですかね?


「舞姫」は、母一人子一人で育ったおぼっちゃんが、ママの期待を背負って胸張ってドイツに渡り、現地の女をはらませたあげくに捨てるという、有名な話です。
これも国語の先生が、「その美しき、いぢらしき姿は、余が悲痛感慨の刺激によりて常ならずなりたる脳髄を射て、恍惚の間にここに及びしを奈何にせむ」
というあたりを読んだ後、
「要するに、ここで我慢できずにエリスを押し倒したわけだ」
なんてズバッと。
内気な私はびっくりしたわけですよ。
改めて読んでみると、やっちまったことに関する言い訳をごちゃごちゃ書いていますねぇ。

とりあえず、ここまで

by はなゆめねえや

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「私という名の変奏曲」連城三紀彦

読了しました。
美容整形が出てくる作品と言えば、貫井さんの新月譚とか、百田さんのモンスターとかがありますね。ニューヨークに凄腕の整形外科医が~という設定は、カズオ・イシグロさんの夜想曲集に入っていた短編を思い出させる。
今後もこんな風に過去の作品を復刊してくれると嬉しいですね。
短編の方が好きなんですけど、長編ミステリーも出たら買うと思います。

「語りと騙り」だの「傑作」だの帯にあるミステリーです。
最初のうちは仕掛けを予想して(過去に読んだことのあるトリックをあれこれ思い出し、傍点つきの部分ではいくつか仮説をたて……)いたんですが、いつの間にか先へ先へと読む気持ちばかりになりました。
結果として、「こういうことなのか!」と素直に納得・満足できました。
「途中でオチがわかってしまった」「どこかで見たことのあるトリック」なんて経験はあまりないし、そういうあらさがしの姿勢で読まない方が、推理小説はたぶん楽しい。
というか、私は読みながらあまり推理しません。「読者に挑戦する」と途中で書いてある本も読んだことがありますが、フツーに負けました。

あとがきには、「冷静に考えてみれば少々無理のあるトリックなのだが、作者の美文によるメランコリックな雰囲気に酔わされ、瑣末なことは気にならなくなる」みたいなことが書いてありました。
もちろん、筋は通っています。合理的に事件の裏が説明されます。ただ、運が良くなければこの犯行計画は成功しないでしょう。
うまい具合に「彼」とか「誰か」とか三人称を使って混乱させてくれます。
終盤で共犯者で明かされる人間が、前半部分で矛盾した(=地の文で嘘をつく)感情を抱いていないかと確認したら、うまい具合にはぐらかされていました。
このあたりは、無理のある犯行計画であることがうまく作用しているかもしれない。共犯者が成功を確信しているようだったら、陥れようとしている人間に対して完璧な演技ができたら、地の文はうそになってしまう。

ちなみに、終わり方も秀逸です。

by はなゆめねえや
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「原稿零枚日記」 小川洋子  

小川洋子  「原稿零枚日記」 (集英社文庫)
そこここにある日常から入って、なんとも心地よい非日常に運んでくれ、また日常にもどしてくれる。小川ワールドを夢見心地で浮遊する。この時間が実に楽しい。
 この連作短編集も小川を存分に発揮している。
小学校のとき暗唱クラブに入って、文学作品を暗唱する。これが楽しくてしょうがない。
このときの様子がすごい。
 「一つ一つの言葉が鳥のように羽ばたき、集まる、やがて隊列をくんで空を突きすすんでゆく。こうなればあとはもう鳥たちの帰趨本能に従うだけで、物語の行きつく場所へたどりつける。あるいは、言葉たちがステップを踏む場合もある。彼らの動きは少しずつつながり合い響き合いしながら、一つの舞いになってゆく。」
 小川が小説を書くときの、頭のなかを覗いてみればみえるような文章である。

by はなゆめ爺や

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「シベリア鉄道9400キロ」 宮脇俊三 

宮脇俊三  「シベリア鉄道9400キロ」(角川文庫)
昭和56年、社会主義大国であるソ連のシベリア鉄道紀行記。
それにしても9400キロは長い。ロシア語が話せないからロシアの文化暮らしに交われないから、ロシアも紹介できない。ひたすら、食堂車でのビーフストロガノフとロシアシャンペンと雪の描写だけが続く。
吉村昭の本か別かもしれないが、イルクーツクで江戸時代の日本漁船での漂流民の荘蔵や日本人で初めてロシアの地を踏んだといわれる伝兵衛、そして大黒屋光太夫の話が挿入されていて、宮脇テッチャンだけでなく勉強もしているじゃんと思った。
 ロシアには56年当時、電卓はなく、飲食代の計算がソロバンで行われる。それがでかい玉が10玉もあり、パチパチでなくカタカタとでかい音がする。
 社内掃除は電気掃除機で行われるのだから、暖房も電気でスチームを作り行うべきと思うのだが、石炭の丸ストーブのみ。それが変だと・・。でもちゃんと理由があった。停電がしばしばおこるのだ。そんな時、暖房がなくなると客は凍死ししてしまう。何しろマイナス50度の世界を走っているのだから。
 それにしてもソ連はどでかい。鉄道に従事する従業員が350万人もいるそうだ。
56年当時、トランジットで私もモスクワに立ち寄った。そのとき飲んだビールが醤油の一升瓶のような瓶につまっていた。甘くとても飲めたしろものではなかった。そんなビールの洗礼がこの作品にもあり懐かしく当時を思い出した。

by はなゆめ爺や

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「まぐだら屋のマリア」 原田マハ  

原田マハ  「まぐだら屋のマリア」(幻冬舎文庫)
原田マハは物語を作ろうと懸命に頑張っている作家だ。この作品もその頑張っている姿が目に浮かんでくる。最後の紫紋とマリアの別れの場面など、映画のシーンのようで、印象深い。これも原田得意とするところだ。題材を食材を使い回ししていて有名になった「吉兆」の問題から掘り起こしたのも社会に敏感で感心する。
 物語の主舞台は、山陰地方の海辺の村で名前は尽果という。でも山陰の村に読者を運ぶことができない。東京にいるような気分で最後までいってしまう。
 雪かき、菜の花、山菊は言葉だけが羅列され中身のふくらみがない。紫紋の下宿が6畳一間のアパートもちょっとしらけるけど、せめてその周りの風景や、村の人々の声があればいいのだが全くない。村も舞台となる食堂も田舎のお医者さんも、どうにもイメージが浮かんでこない。
 こういう作品をものにするには、イメージにあった村を探してそこで執筆するくらいでないと成功しない。 

by はなゆめ爺や

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「街への挨拶」 山田太一 

山田太一  「街への挨拶」 (中公文庫)
山田を貫いているのは、「不確実さ、あいまいさ」の徹底した肯定である。
竹を割ったように、ああだこうだとバサっと決めつけて論じることへの嘘っぽさ、疑問、また、過去と今を比較しての、徹底した過去への賛美にたいすることへの反発の徹底である。
 「不確実さ、あいまいさ」の中に揺られ漂っていることができることが幸せな時代である。原発即時廃止と原発必要、秘密保護法、集団的自衛権の確立、憲法改正反対賛成の間をいつまでも漂っているのがよい。どちらかに決めつけ動き出すとき不幸の足音が響きだす。

by はなゆめ爺や

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「メン アット ワーク」 山田詠美  

山田詠美  「メン アット ワーク」(幻冬舎文庫)
この本はすばらしい。対談集なのだがもう山田詠美の全部が詰まっている。
山田は真正直で純粋な人間だ。純粋さをテクニックに頼ることなくストレートに原稿用紙にぶつける。山田文学はアフォリズム文学だと思う。そのための言葉の選択に彼女は天才的能力を発揮する。少しも説教くさくなく読者の心に直球で突き刺さる。この対談集でも随所にその直球がうなりをあげる、いっぱいあるけど2つだけ紹介する。
 「自分探しなんて簡単。男探しをすれば自分なんてすぐみつかるよ。」
 「お酒の過ちという言葉は存在しないんだって。そういや、私もお酒の過ちなんて言ってるけど、嫌いなやつとは過ちおかすほど飲まないしなあ。」
この本の対談相手もいい。伊集院静、井上陽水、佐伯一麦、そして水上勉、とどめは宮本輝。
 そしてさすが宮本輝はアフォリズムにおいて山田詠美の上をいく。

by はなゆめ爺や

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「女の森で」 水上勉 

水上勉  「女の森で」(上)(文春文庫)
水上勉  「女の森で」(下)(文春文庫)
この作品にでてくる斉藤が水上なのだろう。禅宗の言葉を人生の教訓のように節目節目で芸妓置屋のおかみこりんに言う。男は年をとるほどに頭が固くなり融通がきかなくなる。しかも自分中心の想いが正しいものとして固執する。
 なるほどと思えるようなこと重々しく言うが、どうにも古くて今にあわない。
芸妓の世界も今と昔は変わっている。田舎の口減らしのために捨てた幼女を買い受け
それを置屋のおかみが母がわりに引き受け芸妓に育てる時代では全くなくなった。
 芸妓も一般会社と同じで就職口のひとつ。しかも、まともな娘はこんな世界に入ってこない。不良とは言えないまでも、高校とき少し崩れたような娘がはいってくる。就職口だから、借金や置屋への義務が娘にあるわけではない。だから恋愛は自由だし、性交渉だって、売春だって自由。芸者遊びをする男も、頭の軽い老舗の次男坊三男坊。妻がいたって
関係なく遊ぶ。芸妓が損得でそんな妻子あるバカボンに惚れたっておかみはコントロールはできない。
 一皮むけば、自由恋愛、売春が普通の世界であることがわかるのだが、それを昔の固まった視点でみながら、寂しさ抒情を唸ってみてもいかんせんどうにもならない。
水上の限界が現れている。そこが今の状況からどんどんずれる。
 その点有吉佐和子は同じ世界を描いても、どんどん今風女性を登場させ、活力ある作品、人物造形を生み出している。「芝桜」の蔦代の生き生きとした姿が水上を読むたびに浮かびあがってくる。

by はなゆめ爺や

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「愛という言葉を口にできなかった二人のために」 沢木耕太郎  

沢木耕太郎  「愛という言葉を口にできなかった二人のために」(幻冬舎文庫)
ノンフィクション作家は、テーマが見つからなかったり、作品創りの合間の糊口をしのぐため、映画評論記をだすことがしばしば。なぜなら作家として有名になると配給会社から招待券や試写券が贈られてきてただで大量の映画が観られるから。この作品はその安チョコで作られた作品である。
 恋愛小説や恋愛映画というのは昔は簡単に作れた。それは恋愛を阻む障害が存在し、それを愛し合う二人が乗り越えていく姿を描くか、落ちて哀れな人生に向かうかを描けば描けばよかったから。身分差、貧富差が典型的題材。
更に婚前交渉が反社会的行為としていた時代、この行為をめぐる葛藤。これらの障害が恋愛小説を簡単になりたたせた。
 その意味では、現在は恋愛小説を作ることは難しくなった。だから読者を引き付ける作品が乏しくなった。水上の小説はまさにこの障害利用し書きつくした作品ばかりだ。


by はなゆめ爺や

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最低限の知識は必要

ネズミが出るから猫を飼おう
現代でも田舎では安易にそう考える人がいます
しかしキャットフードをきちんと与えられている猫はネズミを獲りません
そうしているうちにメス猫は普通に赤ちゃんを産みます

飼い主は考えます

さて困った
家には犬もいるし4匹も飼えない
目が開かないうちに捨ててしまえばよかったができなかった
それに捨てると罰金をとられるらしい
(そういう知識はあるようで ちなみに遺棄は100万円以下の罰金)
とりあえず檻の中にいれておこう
誰かもらってくれる人が現れるかもしれない

KC460002a.jpg


庭に置かれた狭いケージに猫4匹
普段は毛布がかけられ雨が降れば物置の中に移動
ご飯やトイレの世話はされているので健康には問題はないようです

KC460001a.jpg


小さいうちからケージで育てられるとそれが当たり前で
猫にとっては不幸ではないと言う人もいます
本当のことは猫に聞いてみなければわかりません

けれど今よりもっと幸福になることはできるんじゃないかな


誰も最初から100パーセントの知識があるわけではないけれど
最低限知っておこうよ

避妊手術しなきゃ猫は増える




推定1歳の猫です(♂2、♀2)
静岡県掛川市、袋井市、磐田市で里親希望のかたあれば
メールフォームからご連絡ください


byはなゆめママ

おしてね~
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「夢見る黄金地球儀」 海堂尊  

海堂尊  「夢見る黄金地球儀」 (創元推理文庫)
海堂の創作する作品はクライムコメディというのだそうだ。発想は原宏二に似ている。
バブル華やかなりしころの1988年、当時の確か竹下内閣は「ふるさと創生資金」という名目で全国市町村に1億円ずつばらまいた。突然のお金に市町村は使い途に困惑。海堂が
描く桜宮市でも使途で喧々諤々の議論があり、その結果市長の一言で金の地球儀をつくり
それを人気のでない水族館に飾ることにした。
 どうせ濡れてに粟のお金でできた地球儀。この中身をくりぬいて盗み、大儲けをしようと企んだ平沼平介とその仲間たち。盗みに成功はしたもののすでに市のこれを管理する部門の小山田局長と部下の小西課長が同じことをやっていて中身はない。それがたまたまテレビワイドショーの水族館紹介でばれてしまうところが物語のクライマックス。
 しかしいかにもこの部分が短く構成のバランスがよくない。特にクライマックスが終わってから、ああだこうだと長すぎる。

by はなゆめ爺や

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「負籠の細道」 水上勉  

水上勉  「負籠の細道」 (集英社文庫)
昭和39年当時の日本の僻村の紀行記。ここに描かれている村全部今でもあるのだろうか。
タイトルの負籠はおいごと読む。蚕に食べさせる桑の葉をいっぱい摘んで背中に背負って運ぶ籠のことである。このタイトルだけで、幼いころの景色が目に浮かんでくる。
 昭和のはじめ子供用の文庫があった。立川文庫という。この文庫は不思議な文体で、かなとカタカナが混ざっていて、どこかしゃれていた。
 「オオ、イカにも雲霧才蔵ドノではあるまいか。」

奥飛騨に安久田(あくた)という集落がある。ここはすり鉢の底のようになっていて水源がまったくない。水は細道を4km歩いて桶に汲んでこなくてはいけない。
 昭和25年、当時の武藤岐阜県知事が猪被害状況を視察していて、この細道の途上で立小便をする。同行していた秘書が、この先に「安久田という底に沈んだ孤村があり、そこでは水がない。」これに驚いた武藤が、水源から水をとり水道を敷いてあげた。
 竣工式には、村人全員だけでなく牛、馬も全部参加したそうだ。そして、立小便をした場所に今は記念碑がたっているそうだ。

by はなゆめ爺や

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「鶴の来る町」 水上勉  

水上勉  「鶴の来る町」 (角川文庫)
花を求めて養蜂家は、蜂の巣を持って全国を回る。と言っても実際に持ち歩くわけではなく、別に輸送して、花の地でそれを受取り、蜜を収穫する。
 刀袮吉は巣箱を千葉で国鉄(今のJR)に発送を依頼して次の蜜収穫地倶知安まで送った。それが国鉄のストライキにあい、2日到着が遅れ、蜂のほとんどが死んでしまった。全生活の糧を失った。
 ここから泥沼におちてゆく。まずストライキでの損害は、輸送者は免責と法律で決まられている。それで、刀袮吉は駅や、鉄道局や、労働組合、はては運輸省の玄関で座り込みまでして被害補償を求める。
 それぞれ訴えた先がタライ回しをはじめる。運輸省、鉄道局はストライキを起こした労働組合にすべての責任があるという。弱者の味方であると思われる労組は、政府、運輸省が経営執行者として責任を負うべきという。これに、売名を目的とした人権弁護士が登場。
さらに、マスコミも無責任におもしろおかしく記事をつくる。
 それぞれが自らの利害、損得だけで動き、事態は混迷が深まるばかり。そして養蜂家は困窮のふちに追い込まれる。

by はなゆめ爺や

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「わが女ひとの記」 水上勉  

水上勉  「わが女ひとの記」 (文春文庫)
水上が出会った女性について、一部遍歴も含めて書き上げた作品。それぞれが、告白というよりひとつの短編に仕上がっている。
 「越前竹人形」も「五番町夕霧楼」も水上の経験を素地にして描かれていることがよくわかる。増内たか子なる名前で登場するのがかの窪島誠一郎の母であることも知れる。
最初の女性、遊郭の娼妓醜女千鶴子についての姿描写がたまらない。
 「春末のことなので、浴衣の前あわせから、もりあがった膝頭がふたつ、毛の薄い豚の腹みたいにピンクいろにみえ、青い静脈がはしっている。」
どうしてこんなリアルな表現ができるのだろう。全く驚愕する。

by はなゆめ爺や

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「一日暮し」 水上勉  

水上勉  「一日暮し」 (角川ソフィア文庫)
このエッセイを書いたとき水上は76歳。長野飯山の庵で暮らしていた禅僧正受老人の「一日だけよく生きる」という心境にいたりその哲学を水上は説明している。
 明日などどうなるかわからない。今日を今をつつがなく生きればそれで死んでもよいとい境地。禅僧のみならず、鈴木大拙や西田幾太郎までを引用してその大切さを説く。
 で面白いのは、京都にいて阪神淡路大震災に水上はであう。その激しい揺れに恐怖でおののく。熱が恐ろしさに38度5分まで上昇。これは大変ということで、大病院まで運んでもらい手当と点滴と個室で入院をさせてもらう。死ぬことがいやという人がたくさん亡くなり死んでもいいと達観していると豪語している人は恐怖でにげまどい結局生き延びている。
 何だか言行不一致が、威丈高に死んでもいいと言ってるだけに、あまりにも大きすぎる。

by はなゆめ爺や

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ペットシッター日記

少し前からペットシッターのアルバイトはじめました
簡単に言えばわんこのお散歩代行業
飼い主さんが旅行などでお留守の間お散歩等のお世話をします

好きな動物とお散歩できてお金がもらえるなんて
なんておいしい話だろう~

・・しかし現実は
土砂降りの中言うこときかない大型犬にひきずられて
ドブに落ちそうになったりある意味命がけでもあります(オーバー)
しかも給料安いし


さて今回のお客様は柴わんこさん

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参考画像


Wikiによれば柴犬は「主人に対しては非常に忠実、よそ者に対しては馴れ馴れしくせず、賢く勇敢で警戒心も強い…」
なんてありますがところがどっこい、全然馴れっこくて警戒心まるでなしの可愛い子ちゃんでしたよ

おやつをねだってぴょんぴょん飛びついてくるし

雨降りだけど

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そんなこんなで楽しいお仕事なのでした


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まあそこは大人の事情ということで


byはなゆめママ

おしてね~
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「ケルベロスの肖像」 海堂尊   

海堂尊   「ケルベロスの肖像」(宝島社文庫)
海堂の作品ってこんなにひどかったけ。物語の骨格しっかりしていて、登場人物は田口をはじめとして性格造形がみごと、かつどきどきわくわくの連続、エンターテイメント小説の真髄だったのに。
 この作品読んでたえられるのは残り80ページだけ。後はあまり意味のない物語がだらだら続く。だらだらを防ぐため、物語とは無関係のしまらないジョークやしゃれの連発がいかにも苦しい。特に、リヴァイアサンなる最新型MRIの搬送納入を戦車で行うところなどは、何の意味があるのか少しもわからないし、物語のリアリティを大きく損ねてしまっている。
 この作品が映画化されている。よく映画にするとあきれる。これほどの無駄はない。

by はなゆめ爺や

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「かわいそうだね?」

綿矢りさ  「かわいそうだね?」 (文春文庫)
綿矢の発想、物語の展開は絲山秋子に似ている。絲山に比べると綿矢の物語は、とんがりが少なくどこか甘えていて力が足りない。多分絲山が社会人を経験、結構きつい体験があり、そこをバネにして物語を作っているからだと思う。綿矢は学生で芥川賞をとりそのまま作家生活にはいっている。
 標題の作品は糸山ばりの最後「しゃあない」で物語がとじられる。これを主人公に言わせるために書いた作品であるならば、なんとも物語の最初からの70%部分は殆ど無意味であり不要だ。男も女もよきにつけあしきにつけ社会人となる、年々変わってゆく。百貨店に勤めている樹理恵は30歳で販売チーフである。それが恋愛の悩みを入社して間もない綾羽に友達のように真剣に相談する。普通は同じ年格好か同じくらい社会経験を積んだ女性に相談するはずなのだけど。ここらあたりが綿矢の弱点である。

by はなゆめ爺や

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「植物は動けないけど強い」

ようやく昨日読み終わりました。決して読みにくい本じゃないのですが、なかなか集中して読む機会がなく。
最近、21時ごろには眠たくなるんですよね。たぶん、花粉症の薬のせいです。
効きすぎると、箸を持ち上げるのもだるいし、トイレでも排尿している感覚が乏しいし、仕事中もメールの文章を推敲しなきゃいけないのに頭が重い。
……そんなことはどうでもいいですが。

140420_1659~01

似たような本はほかにも読んだことがあります。
左の「身近な雑草のふしぎ」のほうが、カラー写真満載で楽しませてくれますが、文章がふざけすぎていて何を言いたいのかわからなかったり、植物そのものの特性をあまり教えてくれていなかったり。
左は、著者が農学博士なので内容はまじめなものですが、写真ではなく図だったり、そもそも挿絵が少なめだったり、文字が小さかったりで、素人にはあまりやさしくないかもしれない。

今回読んだのは、その中間みたいな本です。旗弁とか竜骨弁とか、長花柱花とか短花柱花とか、言葉だけじゃわからないような植物は写真が入っています。
セーター植物とかベンガルボダイジュとかの写真も見てみたかったんですけどね。

さて、先日のことですが、じいやが「水上は女性の心の動きや想いを描くのが上手だ」と評した「西陣の女」を読もうとチャレンジしてみました。
残念ながら、挫折しました。たぶん、「ここで西陣織について説明しておかなければなるまい」なんて前置きして、工程ごとに分業された複雑な社会について語られたのが厳しかったのではないかと。
もちろん、しがらみがあったからこそ紋は好きな人と一緒になれなかったわけですが。
あと、ヒロインが美人すぎると女性読者にとってハードルが上がるのです。モデル並みだとか、神聖な感じがするほどの美しさでなかなか手を出せないとか、京の女にはない魅力があるとか、あれやこれやほめちぎられています。

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左に写っているのは、水上勉の息子である窪島さんが書いた本です。高校の課題図書でした。
戦没画学生の絵を集めた美術館が、長野県の上田市にあるそうです。鑑賞料は出口でとるシステムだから、お金を払わずに入口まで引き返して出ることも可能だと書いてあったような。

papa told me という漫画があるんですが、その中にも戦争で亡くなった画家の話が出てきます。
奥さんと子供(出征した時は産まれていなかったから想像図)を描き、絵を完成させられないまま戦争に行って亡くなった人の話です。
長く続いている漫画ですが、初期のほうが深みがあったような気がします。(そして、絵はスリムだったw)上記のエピソードも15年くらい前に掲載されたものです。

今日は、炭谷銀仁朗も浅村栄斗も自分より年下だと知って、私ももう若くないんだなぁと感じました。高校野球まで行くともう別次元で、なんとも思わないんですがね。
by はなゆめねえや
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彼女たちはそれを我慢できない

今回は写真いっぱい出血大サービス ←誰得
犬猫と暮らしていると、被害をこうむることはいろいろあります。もちろん、それも承知の上で飼うんですけどね。

初代ビーグルの彼は外暮らしだったので、あまり……。エアコンの室外機を破壊したことがあるそうですが、当時ねえやは小さかったので記憶にない。

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むしろ、いじめている写真が何枚かあるんですが、幸か不幸かデジカメ以前(そして、我が家のスキャナーは不調)なのでここには載せません。

たとえば、彼女は私が学校へ毎日提出していた日記兼予定帳へお漏らししてくれたことがあります。

ゴーヤ―

横にいるのは懐かしのゴーヤマン。そういえば、現在「花子とアン」をチェックしている母は、「ちゅらさん」もしっかり観ていたはず。

たとえば、彼女は私が大学の先生から借りていた本へ、毛玉まじりのゲロをぶちまけてくれました。アマゾンで扱っていたからよかったけど……先生も新品との交換で許してくれたからよかったけど……。

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たとえば、彼女は私が出窓で育てている植物を掘り返し、部屋を土まみれにしてくれたことがあります。出窓といっても、シクラメンとかラベンダーとかじゃなく、ゴムの木とサボテンとシダですけどね。
たまに脱走すれば、プランターを掘り返してくださる。

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そして、このビア樽……ではなくゆめこさん。気に入っていた時計のバンドを食いちぎってくれたことがあります。

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もう6歳になるわけですが、ビーグルなので食い意地が張っていることに起因する事件はなかなかなくならない。
数日前、夕食後のひと時になにやら白っぽいものをポリポリガリガリ咀嚼していらっしゃる。
ねえや「何か固いものを(夕飯のおかずから)あげただ?」
じいや「いや」
ねえや「この前あげた骨ガムの残り?」
ママ「そんなことないら」
ママが口をこじ開けて確認したところ……じいやの入れ歯でした。

入れ歯が落ちても気づかないじいやにも問題があるような気はするんですがね。食べかすがついていて、歯ごたえもあって、うまかったんだろうか(;´・ω・)

by はなゆめねえや

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「あひるの靴」 水上勉  

水上勉  「あひるの靴」 (集英社文庫)
アンデルセンはオーデンセという町で、極貧の子供時代を送った。靴修理職人の父が亡くなり、母は洗濯女をしてアンデルセンを養う。とても洗濯女の収入では養えきれない。物乞いをして歩く。人々の施しでやっと生きてゆく。
 水上勉は、若狭の辺境の小さな町で子供時代をおくる。63戸が固まる集落である。最も山にちかい奥深いところにあるみすぼらしい家。そこは集落でただ一軒電気がきていなかった。
 アンデルセンは孤独だった。貧乏人のなかでの更なる貧乏人は貧乏人にさえ蔑まされる対象だった。友達などできようもなかった。だから、木や草や花や動物、蟻を親しい友とした。普通は美しいとか汚いで終わるそうした物や動物とアンデルセンは会話をした。孤独で哀しく苦しいことが、そうすることで肩の力を抜け、それらを心のなぐさみものとして文字にできた。
 アンデルセンも水上も子供時代に貧しい故郷を捨てた。そしてほとんど故郷には帰らなかった。流浪と窮乏と闘いながら、最後は功なりとげた。ところが、そんな晩年になっても、物想いのほとんどは人の蔑まれ、孤独に追いやられた悲しい出来事ばかりだった。全く水上とアンデルセンの2人が一人の人間となって重なり合う。
  
by はなゆめ爺や

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「京の夕だち」 水上勉 

水上勉  「京の夕だち」 (集英社文庫)
さえこは今43歳。夫は京都大学遺伝子学の教授で世界的権威者。この夫に23歳の助手の愛人ができる。夫は50歳を超えている。そして子供ができなかったこともありさえこは夫に捨てられる。夫は23歳の助手と再婚する。
 小島はさびれゆく映画会社の道具係だったが、リストラされ、退職金を全部つぎこみ小さな骨董商を営む。小島はまじめなところがあるが、そこは映画界。結婚も一度はしたし、
とっかえひっかえ女性との交渉も重ねた。
 その小島がさえこと知り合う。そして心底惚れる。愛する気持ちが大きいほど、さえこを大切に思え、肉体交渉をおそれてできない。信楽に一泊旅行をする。その旅館で、大風呂に二人ではいり、互いの体を見つめあうのだが、接吻までが精いっぱい。
 やがてさえこは置き手紙を書いて小島のしらないうちに去る。小島は生まれてはじめてほんとうの恋と失恋をしたことを知る。
 この本には3作の中編が収められている。2年以上完成にかかっていると水上は言っている。かなと漢字の使い分けが実に鮮やかで、一文一文がしみいるように心にはいってくる珠玉の作品集である。

by はなゆめ爺や

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「薔薇海溝」 水上勉   

水上勉   「薔薇海溝」 (光文社文庫)
水上がこの小説を書いた昭和35年当時、泣き屋事件というのがあった。
誰かを殺しどこかに埋める。そこで、また異なった人を事故か自殺にみせかけて殺す。細かい検死の前に、殺された遺族といわれる人が現れ死体をみて事故死した遺骸は間違いなく自分の家族といって泣き声をあげる。
 自殺か事故死と警察は思っているから、そのまま死体を遺族にわたす。遺族はすぐ葬式をして遺体を骨にしてしまう。これで、どこかで殺された人間は事故死したことになる。
 水上は泣き屋事件に触発され作品を創った。
水上のこの作品では、偶然に主人公が重傷を負った女性をみて、重傷を負ったとされる女性は彼の知っている女性と異なると証言して、事件がスリリングに展開を始める。

by はなゆめ爺や

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