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2013年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年01月

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「モルフェイスの領域」 海堂尊 

海堂尊 「モルフェイスの領域」(角川文庫)
人工凍眠システム別名モルフェイスシステム。不治の病に陥ってしまったが、近々それを治癒させる治療法や薬が実現する可能性が高い場合、患者を凍らせ植物人間のようにして病気の進行を限度5年間止める方法が開発され法律もでき実施された。
 しかし、この法律には凍眠八策なる厳守すべき原則がある。患者が目覚めたときに患者を社会的抹殺をするのだ。厚生労働省が新しいことをやらせないためのルールである。
 官僚統治打破に身をもって挑む涼子の姿が感動を呼ぶ。

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「白いしるし」 西加奈子 

西加奈子 「白いしるし」(新潮文庫)
大阪人なのか。恥じも外聞も羞恥も遠慮もかなぐりすてて、身体と心のすべてで恋愛にぶつかっている。そしてその恋愛は言葉や文学の表現を最後は超越するまでに登りつめる。
ちょっと前までは、不倫、妊娠が恋愛物語の定番だったが、最近は異母、異父での兄妹の物語が多くなった。最初は新鮮だったが、そろそろ飽きがきた。
 それにしてもこの小説、東京が舞台なのに、大阪人の主人公に東京人の男が感化され、だんだん大阪弁になる。あまりないことだ。

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「四畳半王国見聞録」 森見登美彦  

森見登美彦  「四畳半王国見聞録」(新潮文庫)
四畳半王国の一日は余の起床と就寝によって定められる。
わかる、この感覚。そして、四畳半王国は就寝してないときは妄想の果てしない旅に住人をいざなう。妄想がまた唾眠を誘う。ただただ、日がな一日その繰り返しで時は過ぎてゆく。
そんな四畳半にやはり同じような生活をしている人間が集まる。それにまとわりついて数人の女性。そんな人たちとの紐帯を確認するため、「俺はこの四畳半をでる」と宣言する。
 だれも止めないし、誰も王国をでる主人公を見送るひともいない。まして、居酒屋で送別の宴もしてくれない。その寂しさを、それでもそれぞれの人は熱い友情があるんだと妄想にひたる主人公が愛おしい。
 最高の暮らしだけど、生活費はどのようにして稼いでいるかがよくわからない。

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「猫弁 指輪物語」  大山淳子

数か月前テレビ化された「猫弁と透明人間」を見てこのシリーズを知りました
なんたって主演は吉岡秀隆君、これは本も読まねばならぬでしょう!

IMG_0965.jpg


吉岡君といえばそれまでコトー先生のイメージだったのですが
もう今はすっかり百瀬先生

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もちろん!


一応「推理小説」にジャンル分けされるようだけど
極悪人は出てこないし、血みどろは出てこないし、なんたって純愛だし
でもって笑えるし猫いるし

すっごく安心して読み進められます
ある意味水戸黄門を上回る安心感


IMG_0972.jpg

もちのろん!

まぁ、こんなうまい具合に話が繋がるわきゃないっしょ
とつっこみたくなる場面も多々ありますが
そこは吉岡君に免じてご愛嬌ってことで


ところでこのシリーズ「テヌー」という名のさび猫さんが登場するのですが
テヌーの名前の由来はさび猫は神様の「手抜き」の「てぬー」なんだって

んーー、でもテレビ画像で見たテヌーはさび猫???という疑問が


IMG_0980.jpg



次回作はぜひ出演させてくださーい byももこ



おしてにゃん!
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「邂逅の森 」 熊谷達也 

熊谷達也 「邂逅の森 」(文春文庫)
いつか読まねばと思いながら、なかなか手に取らなかった作品。直木賞受賞作品。
ドラマティックな作品を予想していたが、文章は静謐で、平板な物語だった。
マタギの暮らしや、狩猟場面が物語の主筋になっているかと思ったら、イク、文枝との恋物語が主筋で正直かなり肩すかしをくらった。
 文学的には完成度が高くさすが熊谷と思わせるが、面白いということは私にはなかった。

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「圏外へ」 吉田篤弘 

吉田篤弘 「圏外へ」(小学館文庫)
吉田の作品を読んでいると、独特の世界に読者が連れてかれ、一緒に吉田ワールドを漂ってしまう。
この作品も漂わせる作品のはず。ところがこの作品を読んでいるときパソコンの液晶が壊れた。
それが気になって集中できず、半分で分投げた。
再度挑戦しようかと思うが、600ページもありやめた。

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「群青に沈め」 熊谷達也 

熊谷達也 「群青に沈め」(角川文庫)
浅田次郎の「終わらざる夏」は、むきむきの反戦平和小説。だから、現実を離れて特別の視点からの会話やプロットが創られそれが鼻についてちょっと読んでいて引いてしまう。
熊谷のこの作品は特攻人間潜航艇魚雷に選ばれた17歳のそのままの姿を描く。反戦とか平和などの主張を徹底的に隠す。
 死ぬために訓練を続け、特攻を実行しないまま、終戦を迎える。昨日まで死ぬのが当たり前のことだったのに、死ななくても良くなる。そこでむかえる強烈な虚無感を描く。

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「居酒屋コンフィデンシャル」 水内茂幸 

水内茂幸 「居酒屋コンフィデンシャル」(新潮文庫)
ざっくばらんな政治家との食事、飲み会を綴った作品。政権復帰前の安倍首相との対談もあり興味深い。森雅子少子化担当相の話に私と同じ意見がありうれしい。
 育休3年なんてこざかしいことをせず、もう少し社会生活に根差したことをやってほしい。
幼児検診、幼稚園(保育園)入園、卒園、大学までの入学式 卒業式、参観会、運動会、進路相談会などは父母で出席する。出席は会社では成績加点させ、こういう行事に参加しない社員はあるところで出世をとめるようにする。

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「終わらざる夏」 浅田次郎 

浅田次郎 「終わらざる夏」(上)(集英社文庫)
浅田次郎 「終わらざる夏」(中)(集英社文庫)
浅田次郎 「終わらざる夏」(下)(集英社文庫)
日本版「戦争と平和」と思わせる大作。こういう戦争物が出版されてくるとまた夏がやってきたと本好きは思う。戦争を観念で捕えず、リアルさを持ってよく描けていると思う。浅田は自衛隊の経験もあるから、武器や軍用車の操作についても詳しく、物理的事柄も肉にしみついているように描く。ここはというところの文章表現は全く感心するほど圧巻である。
 疎開している小学生のジョーが教育勅語の反面として人間勅語として宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を朗詠するところ。最後のサーシャの戦争の虚しさへの慨歎。涙がこみあげそうになる読者も多いだろう。
 こんな感動作品を批判するのは国賊かもしれない。でも、私としてはあまり好きになれない。
反戦、平和が露骨すぎる。「戦争は嫌いだ」「この戦争は負ける。」など、良民が日常会話であたりまえのように喋る。
鬼熊軍曹などは上級士官にたいし戦争への怒りをぶちまける。何だかこれでは、戦争さなか戦争反対一色に日本が彩られていたような錯覚を起こす。しかし、戦争当時は、国民の大多数は、玉砕しても天皇を守る、戦争を最後まで戦い通すことが使命と信じていた。信じていなくても、信じたような言動行動をとらねば、隣組にはスパイがいた。特高、憲兵が手ぐすねひいて待っていた。そう、今の北朝鮮と同じ。こういう国はまわりからみればいつ崩れるかと思うのだがなかなか強固だ。
 そういう岩盤のような強固な思いに対峙して非国民としての反戦や平和を描いて欲しかった。
原爆の日もそうだが、必ず子供が登場して戦争の悲惨さを訴え、平和への誓いを宣言する。あざといと思う、すぐ、子供の未来のためになんて。ここで宣言した子供が大人になってどんな反戦平和の行動をしているかみてみたい。
 この作品も、悲劇、反戦の象徴として、ジョーと静代という2人の子供を登場させている。そのわざとらしさが鼻につく。

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「わからなくなってきました」 宮沢章夫 

宮沢章夫 「わからなくなってきました」(新潮文庫)
同期がとれる必要はないとは思うが、いくつか読んだがどうも宮沢との相性がよくない。何が面白いんだろうと考えてしまう。でも、結構ファンの多い作家だ。
 日本人は、酒井法子のようにヘロインのような元気になる覚せい剤を使う。これをシャブカルチャーという。
 猫養い説がある。猫は家の主人だと思っている。それで、ねずみだ、ごきぶりなんかを咥えてきて、人間の前に投げ落とす。それは、ごちそうを獲ってきたから食べなさいと家族に言っているんだ。
 まあ、面白いか。

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「そして我が祖国・日本」 本多勝一 

本多勝一 「そして我が祖国・日本」(朝日文庫)
自殺率の高い県、秋田、新潟だそうだ。それも雪深い山村の一人暮らしの人達だそうだ。人は暮らしの基盤や住んでいる環境に大きな変化が起こると変化についていけなくて自らの死を選ぶことが多い。
 森がなくなり、田圃の多くが荒地になり、鎮守様は崩落し荒れ放題、知人血縁近所のひとたちが無くなったり家を捨て都会へでる。気が付けば両隣は無人の家。生きていく気力がなえ自殺するひとがでてくる。
 で、自然破壊や道路建設がそんなに悪いことか。ついさいきんまで新潟の福島県境に点在する村では豪雪に村が孤立することが日常。冬にはだれもが何の疑問もなくあふれるほどにみかんを食べるが、そんな村にはみかんが届かなかった。この進んだ日本にみかんが食べられない村があったとは。自然環境保護とはどういうことか。都会人のおもちゃなのか。

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「女歌」 中島みゆき

中島みゆき 「女歌」(新潮文庫)
短篇集。
初めて知ったのだけど、いやーコンサートツアーは大変な大仕事なんだ。中島みゆきがひとりで歌うだけなのだが、スタッフは40人もいる。コーラス、楽器演奏者、音響、照明、楽器の据え付け、解体など。これじゃあ、5000円以上チケット代がすること理解できる。
 全国ツアーともなると常にこの40人が移動する。困るのがトイレ。出演者が観客と同じトイレにはいるわけにはいかない。ところが地方の何とか会館では、楽屋付近に男女兼用で一つあるだけが普通。途切れることのない行列。
 この本にある、熊本でコンサート終了、当日鹿児島移動の描写はすさまじい。楽器やPA
照明の方付けとトラックへの積み込み。ピアノまで運ぶ。それが終わってのスタッフ40人の夜行バスでの移動。大騒動記だ。
 中島みゆきの小説は不思議。歌詞は哀しい失恋の歌が多いのに、小説では恋愛はひとつもない。

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「日傘のお兄さん」  豊島ミホ 

豊島ミホ 「日傘のお兄さん」(新潮文庫)
どうして大学まだ3年なのに就活なんかするんだろう。それは、4年生大学最後の一年全てを忘れて思いっきり遊んで遊んで遊びまくるため。
 最初に茶髪のまま面接試験に臨んだのがけちのつきはじめ。それから、メールで就職申込をおくり続ける。ごくたまに面接までゆくが、とにかくことごとく落とされもう30社以上。遊びまくるはずが、気が付けば4年生の秋も過ぎようとしている。いったい何を私はやっているんだろう。東京の父に電話して「どこか就職先ない?」と聞いてみる。「そんな田舎に落ちのびた3流大学生の働くところは東京には無い。」冷たいことを言う。
 それでやっとありついたのが介護の会社。そうすると、私のようなちゃらちゃら娘が介護なんて肉体労働をやれるだろうかと不安がおそってくる。でも、やっとのことで就職が決まってふっと肩の力がぬけて、ぬくい安心感に包まれてもいる。もう大学卒業は目前にせまっている。
就職難の時代の学生模様と心の移ろいが見事にえがきだされた佳作だ。

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「天国の本屋」 松久淳 

松久淳 「天国の本屋」(新潮文庫)
誰もが100歳まで生きることができる。100歳までに死んだ人は天国に行って100歳まで生きてその後は新たな命となってまた普通の世界に戻って生きる。
 主人公のさとしは、生きたまま天国に連れてかれ天国の本屋で店長代理になる。
全員じゃないかもしれないが、天国にいる人にはそれぞれ思いがこめられた本がある。そんな人たちがそれぞれに思いの込められた本を持って本屋にやってきてその本を朗読してくれるようさとしにお願いする。本がとっても好きな作者の楽しい発想がうれしい。

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「三人噺」 美濃部美津子 

美濃部美津子 「三人噺」(文春文庫)
作者は父が古今亭志ん生、上の弟が金原亭馬生、下の弟が古今亭志ん朝の落語家一家のひとり。
落語家は、私にとっては後にも先にも志ん生ひとり。高座に座っている姿だけで可笑しさがこみあげてくる。特に好きだったのが「井戸の茶碗」。
 それで志ん生のことは色んな本を読んで何でも知っている。この本に描かれていることも知っていることばかり。だけど、貧乏がきわまったとき、あの志ん生が納豆売りをやったということはこの本を読むまでは知らなかった。

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「鳶がクルリと」 ヒキタクニオ 

ヒキタクニオ 「鳶がクルリと」 (新潮文庫)
隣の芝生はきれい。会社仕事は何が目的で、何が評価されているのかわからない。上司、人間関係に気をつかうことが一番の仕事。それじゃやりきれない。鳶職は危険とのとなりあわせだから、チームワークが肝腎だし、仕事の成果も明解。真っ直ぐで個性的、だけど人が良い連中の集団。そういう個性派ぞろいの素晴らしい集団と思い込んでしまったところで、小説が観念的になり、現実離れしてしまった。
 それにしても、今や高校は義務教育のようなもの。全員が入学できるようになっている。だからすごい入学試験がでる学校がある。
 ある高校入試の英語の問題。
 「アルファベットで英語、大文字、小文字を全部書きなさい。」

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「風を追う 土方歳三への旅」 村松友視 

村松友視 「風を追う 土方歳三への旅」(朝日文芸文庫)
ペリーが黒船で日本にやってきたころは、小氷河期だったようで、日本は寒く、凶作の連続。それに外来の伝染病コレラが大流行。だから、食えない武士は脱藩して素浪人になるし、百姓にも山賊なんかになるやつが大量にでた。それで、世情は最悪。
 その素浪人を集めて、京都の天皇を守る保護職をつくることを清河八郎が幕府に具申。それが認められ全国から浪人を集めた。これが新撰組の源。
 新撰組副長の土方も新撰組に応募する前は、地元の行商薬売り。新撰組に加わったのが29歳。そして箱館、五稜郭で殺害されたのが35才。まるでセミのような生涯を送った。
 この作品は土方がたどった道をそのままに歩いて、土方の生涯に思いをはせる作品。
木曽福島で、銘酒「七笑」酒蔵を訪ねる。そこにばかでかい瓶に酒をいれて飾ってあった。
 「あれはなんですか」「二升五合です。」「商売繁盛用です」「?」
 「升倍半升」なんだそうだ。

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「自我の構図」 三浦綾子 

三浦綾子 「自我の構図」(講談社文庫)
三浦の作品はいつも思うが男性には書けない。そこまで書かなくてもいいじゃないか。思い込むと筆がかってに動いてしまっている。毒がきつい。その毒がとてもいやでもあるし、中毒のようにどこかでその毒を待っている私がいる。
 慎一郎は画家である友達の妻美枝子を思っている。すべてを早めにオープンにしておけばどうってことはないことを、そんな恋慕の負い目があって、大事なことを隠す。それが、憶測をよび膨らんで、妻、姪、美枝子、美枝子の姑、友達にとんでもない誤解を呼ぶ。
 どんつまりになってその隠し事をオープンにする。友達は謝ったが、妻、美枝子、姪に修復不能な事態を招く。
 美枝子が土地を離れ京都にゆく。その見送りのとき、慎一郎は美枝子に「私も一緒にゆく」と訴えたときの美枝子の言葉が心に残る。三浦綾子がこの作品で言いたかったことだ。
 「奥さんを捨てる冷酷な人は、大嫌いですわ。自分の妻を捨てる人は、次の女を平然と捨てる人ですわ。」

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「ぜんぜん大丈夫」 伊集院静 

伊集院静 「ぜんぜん大丈夫」(角川文庫)
面倒くさい。風呂にはいるのも。顔を洗うのも。ごはんをたべるのも。トイレに行くのも。
まして仕事なんか。もうもうなんにもしたくない。
 こんなとき、「マージャンしない?」なんておよびがかかる。
もうなんにもしたくないんだよ。なんていじいじ。でも、ちょっとだけつきあってやるかとほくそえんででかける。

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「羊の目」 伊集院静 

伊集院静 「羊の目」(文春文庫)
短篇の名手伊集院にはめずらしい430ページを超す長編。
やくざの世界を通して、今は無くなっている、義とか情、忠孝の大切さを描きだそうとしている。最近はやりの絆の本当の姿を追求している。
 本作、2007年に出版されている。僕らの学生のころにこの作品が出版されていれば結構共感を呼ぶ作品になったと思うが、いかんせん今侠客や任侠、入れ墨の世界は読者にはピントこない。ピントがあわないとだらだらと長く眠気をさそう。
 でも裏返せば、伊集院の世界が彼の青春のころでピタっと止まっているのかもしれない。

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「駅までの道をおしえて」 伊集院静 

伊集院静 「駅までの道をおしえて」(講談社)
伊集院は50過ぎても、60過ぎても、ずっと少年のままだ。原稿料が手にはいると必ずふらふら旅にでる。旅の目的は、全く恰好いいものでなく、競輪、公営競馬、競艇場をわたりあるくこと、そしてすっからぴんになって帰ってきて、しかたなくまた原稿用紙と格闘する。
 心が少年で、純粋と情けない悔恨を繰り返しながら歳だけが無常に積み重なる。それがそこはかとない哀感を呼ぶ作品に結実する。
 だけどこの作品集はどこかちょっといつもの伊集院と違う。
野球には必ず勝ちと負けがある。つまり半分の敗者が必ずいる。大切なことは勝負でなく、埃をもって常にプレーすること。そうしていれば、その後の人生に品格が備わってくる。
 万年少年が説教をたれてはいけない。

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「少年譜」 伊集院静 

伊集院静 「少年譜」(文芸春秋)
今そこにあったと思っていたのに、ゆっくり見直すともうなくなってしまったものがある。そんなものを描くと伊集院は見事なタッチを提供する。
鍛冶屋、そうそう寿司屋の職人は絶対下駄ばきでなくては。下駄もどこかへ消えてしまった。
蛇の目傘、熊手、ハエたたき、たき火、竹のものさし、準急列車、いやいや急行列車さえ。
そして本当に無くなったのが「少年」。
少年時代なんて歌があるが、その少年は今どこにいるのか。ランニングシャツに虫取り網を持って、入道雲にとびこんでゆく。修行なんて言葉が生きていて、寿司屋であかぎれた手と泣きながら頑張っている少年。
 この短編集は確かにいた少年を私たちにみせてくれる。

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「坂の上のμ」 伊集院静 

伊集院静 「坂の上のμ」(講談社文庫)
野球をテーマにした短篇集。
この本はちょっとまずい。すでに他の短篇集で発表したものを集めてある。
ほぼすべての作品が既読作品。
 犬の散歩コースに中学校や、草野球のグランドがある。練習や草野球の試合を関係者ではない人で、なつかしそうに見ている人が必ずいる。背広をきているがいかにもくたびれている。
仕事も人生も面白くないって。
 昔野球で頑張っていた時代があって挫折したひと、そうではなく単に仕事がおもしろくなくサボっているひと。
 そんなところから、野球を下地にした哀感のある物語がはじまる。

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「母の男言葉」 伊集院静 

伊集院静 「母の男言葉」(文春文庫)
山口県出身の伊集院が今は仙台に居を構えている。何で仙台なんかにと思いながらこのエッセイを読んでいると、そうだ確か最初の嫁さん夏目雅子を白血病で失ってたしか仙台出身の美人女優か歌手と結婚したんだっけ。その女性の名前がのどまででかかっているがどうしてもでてこない。
 伊集院はのべつまくなし旅をしている旅がらす。そこでみる自然の営みや季節の移り変わりの描写が本当に心にしみてくる。雪のさまを表現している以下の文章はみごとだ。
 「庭の土、芝、苗木の盛り土、躑躅垣、置石、それぞれに雪は降り注ぐのだけれど、最初は雪はすぐ溶けてしまう。土も芝も葉も、雪に対して、コナクソッという意志のようなものが感じられる。芝は芝なりに、盛り土は盛られているなりに抵抗をする。しかし相次ぐ雪のアプローチに根負けして、少しずつ雪につつまれ最後はすっかり抱擁されてしまう。」

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乙女のおやつ

冬のおやつといったら
これでしょ!

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ほっかほかの焼き芋だよ~

はなちゃん、どーぞ

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そうそう味わって食べてね

はい次はゆめこ・・・

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およどの痕が心情を物語っているね

まて~

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よ・・

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瞬殺

どうやら芋は飲み物らしい


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なんじゃそりゃ~?

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「眠る鯉」 伊集院静 

伊集院静 「眠る鯉」(文春文庫)
治輔と清次は幼友達でもういい年。治輔は有名な画家だけど、絵を描かなくなって久しい。治輔は絵ばかり描き、世間とのかかわりが全くない。
 久しぶりに会った清次に治輔が言う。
「おまえの鍛冶屋は最近どうだい。」「もうやめたよ。」「だめだなあ。俺の絵といっしょじゃないか。」
 今時どこに鍛冶屋なんてあるか。鍛冶屋なんて化石になってしまっている。
そうそう小さいころは私の村にも鍛冶屋が2軒あった。雪解けが始まり春の足音が近つくころ、
さびた鎌や、じょれんや、鍬、ノコギリなんかを鍛冶屋にもちこんで焼きをいれてもらう。
耕作道具や畑、田圃道具は、店から買うなんてことは無く、鍛冶屋にみんなつくってもらった。
 伊集院はたった私よりひとつ上の歳。昭和を鮮やかに描くことができる貴重な作家だ。

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「家族」 小杉健治 

小杉健治 「家族」(双葉文庫)
裁判員制度。一般社会常識から離れている裁判官や検事、弁護士だけの裁判で、偏見や誤認、不祥事が多発したため、一般の人間を裁判に参加させ、一般感覚で判決や刑期を決めてもらう。もちろんそれができるように裁判官、検事、弁護士が判断材料や考え方を提供する。
 知らなかったのだが、裁判員は一般の人達だから、時間的制約がおおきいので、通常は裁判は3日連続で行い結審、判決となるように決められている。
 そのため、事前に判事、検事、弁護士は証拠、被告の供述内容、誰を証人として呼び何をしゃべってもらうかすべてを公開しあい、裁判のストーリーを決めて裁判を行う。そうしないととても3日以内で裁判がおさまらないから。
 これはみようによっては、裁判員はあらかじめきめられている劇をみせられているだけ。判事の判決は自らの責任にならないよう一般裁判員も参加してきめていますよというようなもの。
 この作品は、そんな裁判に、疑惑を抱いたある裁判員の厳しい追求により、新な事実が浮かんできて、事前に描いたストーリーのように裁判がすすめなくなったときどうなるのかを描いている。
 裁判員制度の矛盾がよくわかるし、事件も背景と結果の因果関係が鮮明であり実におもしろい。小杉の小説は、トリック優先の推理小説に反して、社会の矛盾、人々の暮らしに根差した
テーマを扱いさらに推理も一流。感心する。

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「at Home」 本田孝好 

本田孝好 「at Home」(角川文庫)
父は泥棒。母は結婚詐欺師。兄はひきこもりでゲームだけを生きがいにしている。妹は中学生なのに、料理、掃除、洗濯と好んで家事をして、勉強は全くしない。そして主人公は偽造パスポートつくりの手伝い。すごい家族だが、結束があり仲はよい。
 母が結婚詐欺にでかけたまま誘拐される。1000万円を要求され、偽造紙幣をこしらえ救出にでかける。そこで、すったもんだがあって、主人公が誘拐犯を殺してしまう。父が、泥棒で刑務所暮らしもなれてるということで、身代わりで捕まりそのまま刑務所暮らし。
 時は流れて12年後、父が刑務所から出所。その12年に家族の環境はとんでもなく大きく変わっている。そこからなんともあっと驚く結末。結構面白い。
 ただ、会話が会話になっていないことが多い。つぶやきのような会話が多くやたらひっかかる。

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「銀座のすし」 山田五郎 

山田五郎 「銀座のすし」(文春文庫)
ミシュランガイドで三ツ星を獲得した寿司屋。いずれも銀座の「すきやばし次郎」「水谷」それに「あら輝」。
「すきやばし次郎」の小野次郎は浜松天竜の出身。初めてこの本で知ったが、「水谷」の水谷八郎は湖西市の出身。世界に誇る超一流寿司職人を生んだ遠州に何でおいしい料理屋や寿司屋がないのだ。
 それにしても「すきやばし次郎」にはトイレが無いんだって。要は、飲み屋のように居座わらせない。さっさと食べてお帰りということ。何かで読んだが次郎さん、3回転はさせたいと言っていた。袋井の回転ずしより人間を早く回転させたいんだ。40000円/人ちかく寿司代はとるらしい。袋井の回転すしは100円/皿。「次郎」は4000円―8000円/貫。
タイヤの客は庶民がほとんど。ミシュランって何なのかいねえ。

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 「ハイ フィデリティ」 ニック ホーンビィ

ニック ホーンビィ 「ハイ フィデリティ」(新潮文庫)
人生の上で絶対やってはいけないこと。
a恋人とわかれ、b大学をやめ cレコードショップで働きはじめ dその後レコードショップでずっと働き続ける 主人公ロブが歩んできた道。
かっこよいつもりで大学をやめ、かっこよいつもりで凝ったレコードショップを開き働く。
夢のような生活が待っているはずだった。気が付けば10年以上同じ暮らしを続け、今でも変わらずレコードショップで働いている。もう少しで36才になるというのに。
 学生時代、最先端の服装で最先端の音楽に狂っていた仲間は、大学を卒業して確固たる社会人の道を歩む。そんな連中と昔のように遊んでも、会話の中味がわからない。だれもレコードの話題なんかしやしない。遊びや仕事でみんな海外に行ったことがある。ロブは海外どころか北ロンドンを毎日歩き回っていただけ。飲んだ最後はみんなタクシーで帰るが、そんな金がないから深夜定期バスを暗い停留所で待つ。
 10数年仲間は変わったのに、ロブだけが全く変わらずこれからも変わりそうもない。
だから恋人ローラにしがみつく。ローラ、青春時代クラブで知り合った同じ仲間のなかにいた
。でも、今は弁護士。全然違う世界に生きている。でそれであっても、ローラは失えない。だってローラを失ったらもう恋はないだろう。そうすると、ずーっと死ぬまでたった一人で過ごさねばならないから。
 ローラのロブへの言葉が厳しすぎる。
「あなたは昔とまったく同じひとよ。靴下だって何年もたてばあなたより変わるわ。」

by はなゆめ爺や

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