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越谷オサム   「ぐるぐるコンパス」(ポプラ文庫)

 もともと現実にはありえないことをテーマに描くSFだったり、あるいは現実社会に起こるだろうという物語なら受け入れるのだが、現実とSFが混ざったり、現実の物語が突然劇画や漫画のような世界になるような作品はどうも苦手で好きになれない。

 この作品、中学生の冴えない仲間、カズト、シンヤ、ユーイチの3人が修学旅行で京都で
班行動を離れて大阪に行き、繁華街難波と部活仲間で大阪江坂に転校した佳織に会う計画をたてる。

 最初から、ヤンチャな3人のずっこけが連発、大阪駅で迷ったりこの先どうなるだろうとワクワクしながら読み進む。

 道頓堀にでて、グリコの看板や、食いだおれの人形を記念に写真を撮る。

この時、半ぐれのあんちゃんたちが登場する。

 勝手に写真をとってわしらが映っている。フィルムを返せ、そして金をだせと脅す。
 脇道に連れていかれ裸になれと言われ、カズトがパンツまで脱がされ、真っ裸にさせられ、こづかれながら歩かされる。

 この瞬間に現実の楽しい物語が漫画になった。

難波の道頓堀あたりは、大阪一の繁華街。いくら脇道に連れられていっても、誰も通らない道などありえない。素っ裸にさせられて誰の眼にもとまらないことは考えられない。

 ここで、作品に対する面白味が消えてしまった。私にとっては残念な作品だった。

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遠藤周作 『第二怪奇小説集』

9作入っています。

母が娘を殺したというフランスの事件が再び題材に。
先日の新装版は旧版と収録作が違うというわけではなく、
形を変えて再登場らしいです。

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あとがきの人も松本清張を引き合いに出していますが、
「偽作」や「憑かれた人」は、そういうニオイがありますね。
「憑かれた人」は、歴史的発見で注目された快感を忘れられず、
狂っていく男の話です。
浅見光彦の「箸墓幻想」が、この手のオチだったはず。

「偽作」と比較されていた松本清張「影」も読んでみました。
爺やがあらすじを書いています。「渡された場面」の逆パターン。
出版業界や文学志望者の事情、力関係や原稿料の差が分かります。
主人公(代作者)の態度が徐々に大きくなるのが、怖いですね。
いつ破綻が来るのかとハラハラし、つい左のページに目がいってしまうという。
「偽作」はさらに一ひねりというか、意外な形で破綻します。
怖さの質がちょっと違う。

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「怪奇」は、「あやしく不思議」「グロテスク」という意味です。
「アッ、やられた」とは思うものの、怪奇とはちょっと違う話も。

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遠藤周作  『怪奇小説集』

「恐」の巻
9作+奥さんのエッセイ。
実体験や読者から寄せられた体験談の形が多めです。

「怖」の巻
6作
ハラハラさせて、オチを用意しているパターンがいくつか。

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山田詠美が、「霧の中の声」の解説で、
「霊は、やはり怖い。しかし、生きている人間の方がはるかに怖い。
 偶然に必然性を後付せざるを得ない不可思議なこの世が、
 とてつもなく恐ろしい」
と書いていました。
子殺しする母親、軍隊で自分をいびった男への復讐、
学歴詐称や収容所で仲間を裏切った経験から事態を悪化させ……
といったあたりは、「生きている人間は怖い」感が強い。

原因不明の痣が! 呪いか? 虫か? みたいなのは、
シンプルに不気味ですね。

「生きていた死者」は文壇(もしかしたら、現代っ娘)、
「ニセ学生」は東大生への皮肉があって、おもしろいです。

「月光の男」は、佐藤正午の「遠くへ」と同じく、
「なりすましていた男がいたのね」で説明がついてしまいますが、
怪奇体験としたい気持ちもわかる。

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さくら記念日

2017/5/1に我が家へ来たので、3年ですね。

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今日

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去年

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一昨年

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三年前

やっぱり鼻先が少し白っぽくなってきましたね。

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山田詠美 『メン アット ワーク』

爺やの感想はこちら

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収録順だと、最初が石原慎太郎で、最後が村上龍。
石原氏との対談で、
「自然に見せることに努力を必要とする人種っているでしょう。
 龍ちゃんって、すごく苦労して、ああなっている気がする」
「彼は、いろいろ努めなければならないというオブセッションを持っているね」
「勤勉だと思う」
「風俗がらみで言えば、村上龍というのは、やっぱり地方出身でダサいね」

本人との対談では褒めるんだろうかと、意地悪な気分になりましたとも。
実際どうかって言うと……
「自分の話で恐縮なんだけど」
「それこそ、新作のテーマなんだよ」
「僕の作品で登場人物がこう言うんだ」
と、自分の方へ引っ張ろうとするけど、全然乗ってあげない。
その前が大ファンの宮本輝で、
「あなたの本はすべて読んでいて、昔の作品もインプットされていて、
すぐに引き出せるから、解説や推薦文も喜んで書いちゃいます!」
だから、温度差がすごいっすよ(=゚ω゚)

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「『誰でも一生に一度は小説を書ける』って言うけど、
 その後に『だけどそれは、たいていの場合読むに値しないものである』
 とワンフレーズあるんですよね」
「変に褒めて、その人がその気になったら人生間違うもん。
 才能ない、と言ってあげたほうがいいねん(笑)」
なるほど。とどめの宮本輝。

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