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岡田尊司    「脳内汚染からの脱出」(文春新書)

 今通っている会社は、急成長をしている会社で、それに従ったプロセスのシステム化や組織が全く追いついていない。それで、とにかく、大声がとびかったり、逆に、トラブルを嘆いたり、それを笑いで救おうとしたり、とにかく事務所内がやたらに騒々しい。40年以上も前に初めて入社した会社の雰囲気と似ている。

 そんなときがあった会社も、今は、すべてがPCやスマホを使い業務や会話がなされる。事務所内はキーボードをたたく音だけが一日中響きそれ以外は静寂が続く。くしゃみ一つできない雰囲気。

 会話がなくなると、たまの会議もどことなくぎくしゃくしたり、コミュニケーションをとれなかったり、とることが煩わしくなってくる。メールの方が相手をみないで語れるため、精神的負担が軽くなり、なんでもかんでもメールということになる。

 電車にのれば、半数以上のひとがのめりこむようにスマホをいじっている。日がな一日スマホやPCで、SNS,チャット、ゲーム、ネットサーフィンと寝るまもなくかじりついている。完全に人生をPC,スマホにからめとられてしまっている人たちが多い。

 私たちは、人生というのは、小学校からの学生時代、たくさんの友達をつくり、勉強もきちんとして、明るく思いやりのある人間に育ち、きちんと大学に入り、そして社会人として自立してゆくべきというのがあるべきと考えている。

 この作品では、このあるべき道を踏み外し、登校拒否になったり、情緒不安定になったり、精神障害と思われる症状の発症の多くは、PC、ネット、ゲーム依存にあると、統計や事例をあげて主張し、今のままではとんでもない暗い未来がやってくると警鐘を鳴らす。

 この本を読むと、それが社会の歪みととらえれば、確かに内容に納得はできるが、スマホ、ネット社会は社会の隅々まで浸透し更に深化してゆくものと考えれば、いつかゆがみだと考えられていることが、時代遅れとなり、ゆがみが当たり前なものとして受け入れられる世界こそが普通の世界であることになるようにも思える。

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小泉武夫   「美味いはスゴい!ニッポン快食紀行」(小学館文庫)

 私が育った信州の田舎町は食肉と言ったら、鶏肉はあったが、豚、牛は全くといっていいくらい無く、馬肉だった。

 家を離れて、正月、お盆に里帰りすると、すき焼きだと言ってでてくるのは馬肉のすきやき。牛のすきやきのほうが美味しいと思っているのだが、親父が肉といえば馬。どうだ美味しいだろうの声に気おくれしとても牛だよとは言うことはできなかった。

 今住んでいる静岡遠州にも馬肉を食べさせてくれる店はあるのだが、馬刺し一辺倒で他の調理品は全く提供されない。
 数年前、熊本へ旅行し、そこで馬肉の焼肉定食を食べた。なつかしい味で、とても美味しかった。

 この旅行記で、小泉は長野県の飯田で馬肉を味わっている。

 この作品でわかったのだが、何故長野県で馬肉を食べるのか、それは、農耕の使役に馬を使っていたから。使役に使えなくなったとき、食肉にしていたのだ。

 飯田は南信州で農耕使役には木曽駒を使っていた。しかし今は使役に馬を使うことはなくなったため馬肉料理の材料は殆ど輸入品。アルゼンチン、アメリカ、カナダから輸入している。これは少し衝撃だった。信州名物馬肉というわけではないのだ。

 飯田には馬肉の大腸料理「おたぐり」という名物料理がある。

 大腸には脂や血がたくさんついている。これを、手で何時間もかけてたぐりながら取るのである。水が透明で澄むまで徹底的に取る。これは大変な作業だと思っていたら、今は大腸を洗濯機にいれて取るなどとさりげなく書いてある。

 もちろん、小泉がとりあげた「おたぐり」専門食堂ではこんなことはしていないとは思うが、何だか飯田に馬肉を食べに行こうかという気持ちが萎えてしまった。

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| 古本読書日記 | 05:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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小泉武夫    「食は胃のもの味なもの」(中公文庫)

 小泉の食材への好奇心は異常である。彼の本を読んでいると、およそこの世に食べられないものなど皆無ではないかと思うようになる。

 小泉は福島県の山間地の小さな町、小野町に生まれる。小泉の実家は400年近く続く、造り酒屋。小泉はそのボンボンとして育った。ボンボンの小使いは他の子供たちより多くもらっている。だから、ベーゴマやメンコを買って他の子供たちにわけてやり、手なずけ、みんな子分にしてしまう。

 それで彼らとともになんでも食べてやろうと野山をかけまわる。小泉の懐古談によると、蛙特に赤ガエルは美味しかったらしい。その他、甲殻類のカミキリムシやクワガタも空燻りをして食べると美味だったそうだ。

 反対に不味かったのはモグラ。不味いというより、モグラには殆ど肉がなく、骨ばかりだった。

 彼が小学校2年のとき、ヘビイチゴとアセビの花をたべ、ヘビイチゴでは激しい嘔吐になり、アセビの花では痺れがでてきて入院して胃洗浄までしている。

 ヘビイチゴは、赤く本当においしそうに見えるのだが、私の小さい時に大人たちから、あれは間違って絶対口にしてはいけないと厳しく言われていた。

 それを食べるだけでも、とんでもないと思うのだが、小泉はこの本で、激しい嘔吐にあったのにも拘わらず、またヘビイチゴを食べる。それで、今度は嘔吐はしなかったと書いている。

 小泉はまさに怪物である。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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小泉武夫   「人間はこんなものを食べてきた」(日経ビジネス文庫)

 人間は、狩猟により食料をとってくることで生きてきた。しかし、狩猟がいつも成功して食料がいつも確保できるとは限らない。たくさん獲物をとってきたとき、集団では食べきれない。まずいことに余った食料を放っておくと腐ってしまい食べることができなくなる。

 そこで獲ってきた食料を保存しいつまでも食べられるようにするにはどうするかを考え工夫するようになる。そのひとつが発酵食品にすることである。チーズ、寿司、干物、漬物、飲み物では酒類もこれにあたる。

 食料には被膜に大量の微生物がいる。この微生物のうち善玉菌が発酵菌であり、悪玉菌が腐敗菌や雑菌である。食物を保存するためには悪玉菌を殺傷し、発酵菌である善玉菌で覆うようにすればよい。そのために、善玉菌に悪玉菌を殺してしまう方法を発見し実行する。

 もちろんこんな理論を発明し実施したわけではなく、試行錯誤し偶然の所産でその方法を発見し実行したわけだが。

 この発酵食品で、横綱級な食品がイヌイットの作るキビャック。アザラシを捕獲し、中味の肉は食べる。その後アパリアスという鳥を腹のなかに詰め3年間土のなかにいれ保存する。3年後とりだすと原型はとどめていないが塩辛になったような発酵食品ができる。これがとんでもなく臭い。最初はとても食えたものではないが慣れるとくせになるそうだ。

 これに匹敵するほど臭いのが、韓国のホンオ・フェ。エイの生肉を紙に包んで甕にいれつるしておく。これが完成すると強烈なアンモニア臭がする。食するのは大変である。

 しかし、この2食品の上をゆくものすごい臭いを発するのがスウェーデンで作られるニシンを材料としている缶詰、シュールストレンミングだ。密封した缶のなかで発酵させるものだから、種々の発酵菌や魚成分にあるアンモニアや揮発性アミンが外に出ることなく混ざり合ってとんでもない臭いとなる。缶は発酵時に排出される炭酸ガスで缶詰内はパンパンになり膨れ上がる。だから時に輸送途中で破裂することもある。

 缶詰には開缶するときの注意事項が記載されている。

 家の中では開缶してはいけない。中味が飛ぶ散るときがあるから、レインコートなどを身にまとい行う。風下に人をたたせない。など。

 これの匂いとにかく強烈。アラパスターという臭いを測る機械で測定した結果が以下である。(単位のauはアラパスターという臭いの単位を表す)

 納豆:407au,くさや:477au,小泉の靴下:139au,野球部員の靴下:490au,シュールストレンミング:8094au

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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山口敬之    「総理」(幻冬舎文庫)

 シリアのアサド政権が化学兵器を用いて、多くの犠牲者をだしたということに対抗してトランプ大統領はシリアを攻撃した。実は、かってオバマ政権のときにも、同様なことがあって。オバマは世界各国にシリアに攻撃をすると宣言した。(結局はしなかったが)

 この時、オバマは安倍首相に対し、「空爆に対し支持をするよう」求めたのだが、安倍首相はアサド政権が化学兵器を使った明確な証拠が提示されない限り指示はできないと拒否している。

 そんなことは全く報道されてないので、この本を読んでびっくりした。アメリカ追随一辺倒かと思っていたから。それにしては、今回のトランプの空爆についてはどんな証拠が示されたのかはわからないが、トランプ支持をいち早く世界にさきがけ表明している。

 安倍首相をみていると、リベラルだ保守だ、革新、進歩派と政治家や、政党に対しレッテルをマスコミが貼っていることが今は全く意味をなさないことがわかる。国論を二分するようなことを安倍首相はどんどん実行してきた。

 安保法制、原発稼働、特定秘密保護、テロ等準備罪、辺野古移転など。しかし、驚くことに少しも支持が減らない。森本問題でも変化はみられない。今は何でも反対だけでは、支持を得られなくなってきていて、それではあなたはどうするということが示せれないと、国民の支持関心を集めなくなった。

 中味はともかく、働き方改革を唱えるのは、かっては連合などの組合であったのに、彼らが訴えても全く改革が進まなかったところへ、安倍内閣が連合、民進党のお株を奪う改革を成し遂げる。民進党連合時代は給料があがることは無かったのに、安倍内閣のリードでベアも実施される。

 少し前までは、考えられない状況になってきていることに改めて驚く。

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